Roddy Ricch話題の2ndアルバムを解説!! "LIVE LIFE FAST" (2021)
Nipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)のシングル「Racks In The Middle」(2019)とMustardのシングル「Ballin'」(2019)にゲスト参加し、グラミー賞を受賞、ノミネートされたRoddy Ricch(ロディ・リッチ)。
同年に発表したデビューアルバム「Please Excuse Me for Being Antisocial」(2019)は、5枚のシングルを収録し、2020年に世界で最もストリーミングされたアルバムとなりました。
その派手なデビューから約2年、皆が渇望したセカンドアルバム「LIVE LIFE FAST」(2021)がこの度ドロップされました。
ここでは、本作のプロデューサー達に焦点をあて、掘り下げていきます。
レーベル : Atlantic Records & Bird Vision Entertainment
リリース日 : 2021年12月17日
名前 : Roddy Ricch
本名 : Roderick Wayne Moore Jr
年齢 : カリフォルニア州コンプトン
出身地 : 23歳
アルバムへの思い
アルバムのタイトルは「Live Life Fast」と、23歳のラッパーとしては不思議な題材のように思えます。この事について本人は次のように明かしています。
俺のOGが『お前、早く曲を作れ』みたいなことを言ってきたんだ。
『ファストマネー、ファストビッチ、ファストカー、そんな感じの曲を作れ』って言われたのを覚えてる。
当時から、それは違うと思っていたよ。
俺に対し皆は、なぜ多くの曲を出さないのか、なぜ多くのアーティストを扱わないのか、そう思っているような気がするんだ。
でもNLE Choppaと一緒にやった曲は3回プラチナになったし、42 Duggと一緒にやった曲はプラチナになった、俺は他のラッパーができないようなことをすることができる。
だって、ある種のラッパーはただ曲を作って、運が良かっただけなんだ。
俺は自分がヒットするとわかっていながら、シュートしているんだ。
NLE Choppaとのシングル「Walk Em Down」(2020)は、InstagramのDMを通じてリリースし、トリプルプラチナを獲得。また42 Duggとの「4 Da Gang」(2021)は、ロック調の曲を大胆にサンプリングしており、疾走感溢れる1曲になっています。
「4 Da Gang」(2021)の記事はこちら。
また今作では、ニプシー・ハッスルへの思いをアートワークで表現しており、彼のアルバム「Victory Lap」をオマージュしています。
ニプはロサンゼルスのジェイ・Zのような存在だった。
ただの会話ではなかったんだ。
本当にそんな感じがしたよ。
プロデューサー陣
期待のアルバムはプロデューサー達も豪華絢爛です。
ここからはアルバム収録曲の各プロデューサーを見ていきましょう。
トラック#2 / thailand
(Pro. Southside)
Lex Lugar(レックス・ラガー)と共にプロデューサーチーム "808 Mafia" を立ち上げ、グループの指揮を執っているSouthside(サウスサイド)。
Kodak Black(コダック・ブラック)が評価されるきっかけとなったシングル「Tunnel Vision」に加え、Future(フューチャー)やGucci Mane(グッチ・メイン)といったアトランタ出身を拠点に活躍するラッパーを手掛けています。
トラック#3 / all good feat. Future
(Pro. Ronny J)
Denzel Curry、Lil Pump、Ski Mask The Slump God、XXXTENTACIONなど、南フロリダのラップアーティストを中心にプロデュースし頭角を現したRonny J(ロニー・J)は、その後、EminemやKanye Westの作品に携わるなど、活動の幅を広げています。
今作ではゲスト参加したフューチャーのラップがビートと相俟って疾走感溢れる1曲に仕上がりました。曲の後半では、ヒューストンラップシーンで用いられる "Chopped and Screwed" が使われているのも印象的です。
トラック#4 / rollercoastin
(Pro. Hagan)
シカゴ出身のHaganは、同郷であるPolo GやLil Durkを手掛けたほか、Morrayをブレークに導いたシングル「Quicksand」(2020)などのメロディアスなラッパーをプロデュース。
音楽メディア誌Pitchforkは、ラップ界で最も注目されるループメーカーを紹介する記事を発表し、HaganはFrank DukesやCuBeatzといったサンプルメイキングの巨匠たちと並んでランクインしました。
「Quicksand」(2020)の記事はこちら
トラック#5 / hibachi ft. Kodak Black & 21 Savage
(Pro. Wheezy)
「Wheezy outta here!!」のタグでおなじみのWheezyは、Gunnaの2作のアルバムでエグゼクティブプロデューサーを務め、Lil BabyとDrakeによるシングル「Yes Indeed」(2018)やMeek Millの「Going Bad」(2018)などを手掛けてスマッシュヒット。
今作では、Kodak Blackと21 Savageが参加した楽曲を手掛け、アルバムの中でも重要な役割を担っています。
またタイトルのhibachiはゲームを支配するというスラングです。
トラック#6 / paid my dues ft. Takeoff
(Pro. Boi-1da)
Boi-1daは、Nasのアルバムのエグゼクティブプロデューサーを務め、Drakeの大ヒットソング「God’s Plan」やKendrick Lamar、Eminemなどヒップホップシーンを牽引するラッパーたちを手掛けてきました。
曲の後半では、ビートが切り替わるギミックが施されています。
トラック#8 / no way ft. Jamie Foxx
(Pro. Cardo)
Cardoは、Travis ScottとDrakeにとるシングル「goosebumps」(2016)や、今年ヒットしたBaby Keemの「family ties」(2021)などをプロデュース。またLil Druk、Kendrick Lamarとも仕事を行い、そのポテンシャルの高さには定評があります。
曲の後半にJamie Foxxがゲストとして登場しますが、スキットのような感じで喋りだけの出演で、次曲への橋渡しをしています。
トラック#11 / murda one ft. Fivio Foreign
(Pro. Nils)
Nilsははドイツ・ハンブルグ出身のプロデューサーで、毎年ドイツの優秀な若手ジャズミュージシャンが参加する全国大会「Jugend jazzt」で入賞する実力派プロデューサーです。
Machine Gun KellyやJuice WRLDなどを手掛ける一方で、MazeをサンプリングしたBeyoncéの「Before I Let Go」(2019)など、業界で幅広く活躍しています。
トラックは綺麗な上音ながらハードなビートで、ロディ・リッチのラップとの相性がいい感じです。
トラック#13 / moved to miami ft. Lil Baby
(Pro. TM88)
TM88は前述したSouthsideの "808 Mafia" のオリジナルメンバーで、脱退後、Lil Uzi Vertのシングル「XO TOUR Llif3」(2017)を手掛けて、グラミー賞にノミネートされています。約15億回のストリームを記録し、Spotifyで最もストリームされた曲の1つになりました。
今回はフュージョンっぽいイントロから展開する、才能溢れるおしゃれな曲を提供しています。
トラック#14 / don't i ft. Gunna
(Pro. Sonic)
ロディ・リッチのデビューアルバムに5曲を提供したSonicは、以前から彼の作品を多く手がけており、ロディ・リッチのブレイクに大きく貢献しました。
このアルバムには2曲しかクレジットされていませんが、フルートの音色が耳に残る、印象的な一曲を作り上げました。
終わりに
足早にかいつまんで解説しましたがいかがでしたでしょうか?
今作についてロディ・リッチは、ファンやサポーターへ向けてSNSでコメントを残しています。
この音楽を通して描く絵にいつも時間をかけるアーティストであるにもかかわらず、一緒にいてくれたファンのみんなに感謝するために時間を割きたい。
DM、チケット購入、ストリーミング、アルバム購入、そしてこの世界に知られるようになってから見せてくれた愛の数々に感謝する。
初日からRoddyを応援してくれたサポーターにも感謝している。
彼らは俺の人生と家族の生活を永遠に変えてくれた、そして俺は永遠に感謝するよ。
この数年間、俺は道を外れていた、簡単ではなかったけど、俺は常にすべての状況で楽観的であり続け、集中した頭脳を保つように努めているよ。
若いうちに成功や金銭的な利益を得るのは難しいことだけど、キングやクイーンは何歳になっても自分の戦いに挑まなければならないよ。
ロディ・リッチは、自分を応援してくれるファンとの交流にもっと時間を費やしたいと明かし、感謝の気持ちを表しています。過去に刑務所で過ごしたこともある彼ですが、物事を楽観的にとらえ、前向きな様子を語っています。
20代前半でありながら、クールな振る舞いとファンへの思いやり、そして今後のキャリアを見据えた姿勢は、ラップスターとして相応しいと言えるでしょう。
約2年ぶりに復活した彼のニューアルバムは必聴です!
こちらで紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
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