見出し画像

ナマケモノさんをお迎えした

まえがき

このnoteはコンセプトチェッカーなるコラージュを作ったところ、そこに現れたナマケモノさんによってナマケモノさんにまつわるエモーショナルエピソードを思い出し、ナマケモノさんのピンバッジをお迎えに行ったときのことをまとめたものです。リアルなナマケモノさんをお迎えに行った(飼い始めた)話ではありません。

コンセプトチェッカー

先日、コンセプトチェッカーなるものがTwitterのタイムライン上で話題になっていた。詳しくは下記のnoteを見ていただくとよいのだが、私の理解では、「自分自身のコンセプトイメージを膨らませて、それに合う画像集めたコラージュ、ただしどこかに空間を残したもの」である。

このnoteがリリースされてからのあいさんや、Akikoさんのnoteも非常に興味深かったので(Twitterでもたくさんのコンセプトチェッカーを拝見し、それはどれも違ってどれも素敵だった)、とりあえず手持ちの写真メインに集めて作ってみた。そうしたところ、手元に写真があったわけではないのに、なんとなく入れたくなってナマケモノさんの写真を探し出して、コンセプトチェッカーに入れていた。

ナマケモノさんと出会った本

なんでナマケモノを入れたかったんだろうか、と思いつつ過ごしていたある日、あの本か、と思い当たった本があった。

本川達雄先生の「歌う生物学」。「ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 」(中公新書)という当時大ブレイクしていた本を読んで感銘を受け、続いて出版されたので飛びついた本。この本にナマケモノが出てきたはず、と思って購入し確認したところ、やっぱり載っていた。

この本において、ナマケモノは「生き物はサイズが大きくなると消費エネルギーが大きくなる」という話の流れで書かれている。この関係はネズミーゾウ直線として両対数グラフで示されていて、体重をW(単位はkg)、エネルギー消費率をE(1秒あたりのエネルギー消費量、単位はワット)とすると、E=4.1W^0.75(^0.75は指数で、Wの0.75乗の意味)で示すことができるそうだ。

ナマケモノはこの関係式から予想されるエネルギー消費量のほぼ半分しか使わない、エネルギー消費量が異常に低い、哺乳類の中では極めて変わった生き物だそうだ。ナマケモノはゆっくり動くからエネルギー消費量が少ない。自分の周りの食べ物だけを食べてほとんど動かずに過ごしている。神経伝達も遅いらしい。しかし、徹底的に遅く動いているから、ジャガーやオセロットといった敵に見つかりにくい。よろず遅く動いていることが奏功して、寿命は同じサイズのほ乳類の1.5倍。

当時の感想は書き留めていないので、そのときどう思ったのか定かではないのだが、ゆっくり怠惰に生きているように見えて、実はすごい生き物なんだ、という視点の変化に感動したような気がする。そして、ナマコの話も同じように視点を変化させてくれたけど(先生のご専門のためナマコの話は御著書にたくさん出てくる)、どっちかというとナマケモノがいいなあ、と思ったことをおぼろげに覚えている。

エモーショナルアイテム

このゆっくり動いているけどすごい生き方、視点の変化、そして、ナマコよりナマケモノ、ということを思い出した段階で(本が届く前、内容を確認する前に)、これは、あきやさんがいうところのエモーショナルエピソード、エモーショナルアイテムとなり得る話では、と気がついた。

エモーショナルファッションとは
「似合う・流行っている・質が良い」などファッションに大切な要素はとりあえず度外視して思わず「心を揺さぶられる」と思ってしまうようなエピソードを持つ服や雑貨、およびスタイリングの事です。
自問自答ファッション通信  \エモーショナルファッションとは/

そして、さっそくエモーショナルアイテムとなりそうなすてきなナマケモノさんをネットの海に探しにいった。ほかにもすてきな出会いはあったが、ずっと「なんとなく好き」以上の理由が見つけられないためにお迎えに行かなかったナマケモノさんがいることを思い出した。あの子を迎えに行く理由が見つかったではないか。

タイミングよく街に行く機会があったので、お迎えに行ったら、お店の方が「みんなお顔が違うので、お好きな子を連れていってくださいね」と快く何頭も並べてくださったので、一番琴線に触れた子をお迎えした。

買ってさっそくバックパックにつけた。いつも目につくところにいて、物事に対する新たな視点を得た瞬間の感動や、効率主義に陥り焦りがちな私にゆっくり生きることの大切さをリマインドしてくれるといいなと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?