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香水に全く興味がなかった私がFUEGIA 1833で香水をお迎えするまでの話

このたびFUEGIA 1833 (以下フエギアとする)さんで香水を1本お迎えしたので、その経緯をこに記しておく。

事の起こり

香水にはそこはかとなく憧れを持っている。すれ違った際にふわりと香るとか素敵だなあと思っている。しかし、割と香料が苦手なのと、かつて憧れで買った香水をつけて香害事件を起こした(と思っている)こともあり、それ以降、積極的に探すことはなかった。

しかし、あきやさんのnoteを読み、「香水がわからぬ」だったあきやさんが香水の試着を繰り返し、フエギアさんで香水をお迎えしたことを知る。前々からなにかと耳にするフエギアさんだったので2022年末に「来年は足を踏み入れたい!」と思うようになった。

そして、223年1月、自問自答ガールズ ココさんのnoteを読み、香水を用途(お悩み)に合わせて探す方法があることを知り、ますます行きたくなる。

2022年末、師走の多忙で頭はオーバーヒートしていた。年度末も同様の状況になることは間違いない。そこで、年度末多忙期を乗り切るために、仕事でオーバーヒートした頭のクールダウン用の香水を探そうと決めた。やはり、まずはフエギアさんであろうと訪問の機会を虎視眈々と狙い始めた。

2023年1月 フエギア訪問1回目

2023年1月に友人2人とアフタヌーンティーをする予定があったため、銀座へ赴いた。アフタヌーンティー後、友人が私が服を見に行くのについていきたいという。チャンス到来。服じゃないけどいま一番気になってる店だから、とフエギアに連れ立って向かった。

私が「仕事で頭がかーっとしたときにクールダウンできる香水がほしいんですが」と店員さんに伝えると、店員さんが「こちらとか」「そのオーバーヒートした状態を想像しつつ、こちらの香りを嗅いでみてください」と柑橘系の香りがするフラスコを差し出してくださった。好きな香りだ。すーっと熱がひいて体が緩む感じがあって、驚いた。

友人も一緒になってフラスコのにおいを嗅いでいく。店員さんは最初に嗅いだものに加え、何本か出してくれる。はっきりとは覚えていないが6本か8本、提案された。順次嗅いで、好きなものを3本くらい選び、1本に絞っていく。私はぶれずに1本目が好きだった。

この香りの試着では、仕事で「オーバーヒート」した状態というのがそれぞれ異なり、「クールダウン」の方向性もそれぞれだということを学んだ。

ひとりは香水をかぐと「こんがらがったものが解ける感じ」といい、もうひとりは「(草原にいるような)開放感を感じた」と言っていた。仕事で集中して疲れたときの感じ方は人それぞれなようで、その疲れを解く方向性もそれぞれ違うようだった。

即決したいぐらいには気に入ったが、まだ香水試着1店舗目だし、と、型番のメモをもらって退店した。

2023年3月 香水試着旅

その後、自問自答ガールズの川口すやりさんゆとりさんとのお茶会があった。香水賢者のすやりさんというイメージだったのはゆとりさんも同じだったようで、当日はお茶会のあと香水を一緒に嗅ぎにいきたいです、という話になった。

その日は何本嗅いだかわからないが、20本以上嗅いだと思う。しかし、3本目くらいから全く香りの識別ができなくなり、コーヒー豆の匂いを嗅いでリセットを試みるも、鼻はなかなかリセットされなかった。普段からあまり香りのものは家に置かないし、身につけないし、体調が悪くなると鼻が利かなくなるのだが、たくさん香水を嗅ぐというのは自分にとっては難しいということを学んだ。

なお、一番よかったのは最初に嗅いだすやりさんがオススメしてくれた柑橘系のMaison Francis Kurkdjian Parisのアクアユニヴェルサリスだった。個人的に柑橘系の香りが好きだが、Twitterやnoteから感じられるイメージも柑橘系らしい。それはよろこばしいことだ、と思うと同時に、やはり柑橘系が好きだなということを再確認した。

2022年3月 フエギア訪問2回目

2回目のフエギア訪問は自問自答ガールズ ユキノコさんとだった。

フエギアさんに寄る予定はなかったのだが移動中にGINZA SIXが目に入り、ここは自問自答ガールズの聖地のひとつですよねと立ち寄り、やはりSIXの中でもよく話題に出てくるフエギアさんへ寄ったのだった。

私は率直に1番気になっている香水をすぐに嗅ぎにいった。そして、ユキノコさんのリクエストにしたがって提案された香水を一緒に嗅ぐ。その中で、これは好きだなと思ったのが、Jacarandá(ハカランダ)だった。

右腕にずっと気になっている柑橘系香水、左腕にJacarandáをつけてもらって再度検討させてもらうことにする。単品の香りもいいが、2種類混ざった香りが、すごくいいことに、このとき気が付いた。

気にいった香水がもうひとつ現れ、しかも2種類混ぜるととんでもなくよい香りがする。2本欲しい!となるも、引き続き、安い買い物ではないので、この日も買い求めることはなく、退店した。

2023年4月 サンプル取り寄せ(できず)

年度末多忙期を乗り切るための香水を、と思って探していたのだが、決められないまま多忙期を乗り切った。しかし、多忙期の間、仕事が忙しく集中しすぎて頭がかーっとなるたびに、あの香りがあったらいいのに!と何度も思ったこともあり、手に入れる決意をした。

しかし、洋服の試着でその時いいなと思ったものでも着ていくうちにやっぱり違ったとなることがあるため、香水もそうであろうと思ったこと、ココさんが1mLサンプルから少しずつサイズアップしてるのがいいなと思ったこともあり、まずはサンプルを取り寄せることにした。

第一候補の香水であっても、香水を毎日つける生活にはならないだろうと思ったし、何度かつけて好き嫌いを判断してもいいなという思惑もあった。

しかしサンプルは売り切れで、手に入れることはできなかった。諦めて店頭でもう一度つけてもらって決めることにした。

2023年5月 フエギア訪問3回目

フエギア訪問3回目は再び自問自答ガールズとだった。totonoさんオノデラユズカオさんのお2人とGINZA SIXに寄ったので、その流れでの訪問だった。

連休明けの締切案件を片付けるにはこれが必要!次の機会があったらお迎えする!と購入の決意はしていたので、これはチャンス!と第一候補と第二候補をつけてもらって最終確認してから買おうと思っていた。

お店に入って、この辺にある…とつぶやいて指を指したらその指の先にあった瓶がまさにそのお目当ての香水の瓶だった。それをつけてもらい、もう一つ気になっていたJacarandáをつけてもらう。

あれ?Jacarandáは今日は違うな? と感じる。

店員さん曰く、日本の気温の高い時期に、Jacarandáは苦く感じるそう。逆にお目当ての香水は柑橘なため、これからの時期にぴったり。涼しくなってきたら徐々にJacarandáに移行するといいですよ、とのこと。香水の香り方が季節によって変わることを体感する。

もう迷いはないな、となり、「Entre Ríos(エントレ リオス)ください!」と伝えた。

「サイズはどうしますか?」「小さい方で!」というと、店員さんが少し「うーん」という顔をされて在庫を見に行った。戻ってきた店員さんは、いま店頭に出しているテスターと同じロットのものはもう小さい瓶はきれてしまっていて、(大きい方の)100mLしかないですね、とのこと。

ロットが違うと香りが違うんですよ、ということで、新しい方を嗅がせてもらったら、全然違っていて驚いた。私が好きなのは店頭テスターの方の香り。店頭テスターの方は2021年作で、混合の機械が新しくなって、テンション高めに濃度高く作ったらしいとのこと。その後調整が入り、濃度が下がっているらしい。もしかしてサンプルを取り寄せたときに違うロットのものが届いたらなんか違う?となっていたかもしれないと気が付く。

絶対店頭サンプルの方!と思い、「100mLで!」と勢いよくお願いし、お迎えした。

同じ香りをずっと使いたいようであれば買い足すときはエディション指定もしてくださいね、とのこと。ロットの差ってこんなに大きいんだということを最後に学んだ。

お迎えした香水

お迎えしたのはEntre Ríos I-XXI。パンフレットによると、DESTINOS COLLECTIONで、南米大陸特有の複雑な風土の魅力に迫るコレクション、だそうである。以下、香水のコンセプト。

Time is a river of passing events, where one end might be another beginning. If you look close, the surroundings stay always wild, refreshed by citric springs.
時間とは出来事が次々と過ぎていく河のようなもの。一つの終わりが次の始まりとなることもある。目を凝らして見ると、周囲はいつも自然に満ち、柑橘系の泉で生き返らせてくれる。

Entre Ríos -FUEGIA 1833

最初にいいなと思ったときに、すぐにサイトをチェックしたのだが、これを読んだときに、とても自分の世界観にはまっている、と思った。流れというものがある、変わらないものはない、いまここを味わうことを大切にしたいと言う気持ちが私にはある。

「いまここを味わう」ということができているとは到底思えない生活をしており、前のめりになりオーバーヒートしがちなのだが、そんな自分を立ち止まらせ、香りを味わい、「いまここ」を感じさせてくれる、そんな香水に出会えたことを嬉しく思う。

所感

今回の試着旅では香りから受ける印象・イメージ・体感が人によって大きく変わること、複数混ぜたときに別の魅力を示す香水があること、時期によって香り方が変わること、ロットによって大きく香りが変わること(天然香料であることや調合法によるのだろうが、少なくともフエギアさんの香水はそういう特徴があった)を学んだ。文字情報としては認識していた話も、実際に体感するとだいぶその話の解像度が上がるなと思った。

いまはお迎えしたEntre Ríos I-XXIを楽しむためにいろいろと試行錯誤している。憧れのすれ違った際にさりげなくふわりと香るとか素敵なマダムを目指して、自分にとっての最適の付け方を模索していきたいと思う。

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