星詠みに伝えたい……これ、すごいぞ!「ディスクロニア:CA」パズルパート体験版レポート
文明が一度滅びかけ、再び取り戻した遥か未来。あらゆる犯罪が「夢」によって未然に防がれる、犯罪発生率0.001%の海上都市「アストラム・クローズ」。
「楽園」と呼ばれるこの都市で、起こるはずのない事件――都市の創設者アルバート博士の殺害――が発生する。
主人公ハル・サイオンは特別調査官となり、左手に宿る「隠された過去」を暴く能力を駆使し、謎を解き明かしていく。
左手で真実に近づくにつれ、増していく危険。そして、12年の沈黙を破り動き出す時計塔。
終末を告げる鐘が鳴り響く時、最後の7日間が幕を開ける――。
9月23日にMeta Quest 2版の第一章が配信となる「DYSCHRONIA: Chronos Alternate」。
今回、劇中パズルパートの体験版をプレイする機会を頂いたのでプレイレポートをお届けしようと思う。
……が、僕と同じタイミング、あるいはその前のタイミングで、多くの方の感想や動画が公開されている(と思う)。
今回は「パスファインダーキット」という箱が一部の人に届き、その届いた人の感想が先行して既に出回って話題となっており、そこから興味を持たれている方もいるのでは、と感じている。
(ちなみにパスファインダーキットの中身は林檎様こと九条林檎さんの開封レポートが詳しい。欲しい……僕も欲しい……!)
ここ最近だとニチアサ後に(一部地域を除いて)放送されている「声優パーク建設計画 メタバース部」でぺこぱの松陰寺さん(起用理由がわかりやすい……!)がステルスパートを遊ぶ様子が放送されており、そこから興味を持った人ももしかするといるかもしれない。
そこであえて、僕の体験レポートでは「星詠み」(星街すいせいさんのファンを指す単語)を主なターゲットとして書いていく。
これまでVRゲームで遊んだことがない人に届いてほしいのと、僕自身も星詠みであること、また個人的に書かなくてはならない事情があるためである。
公式サイト上にプレイヤーレビューをまとめたページがあるので、気になった場合はそちらも見るとより楽しめるかと思われる。
また、記事中のスクリーンショットは全て開発途中のものであり、製品版と見た目や挙動が変更になる場合がある(実際、まだクオリティが上がり続けているとのこと)。
あらかじめ了承の上、読み進めてほしい。
TL;DR(概要)
とんでもない文字数になってしまったので先に要約すると、以下の通りになる。
MyDearest社の社長さん(岸上さん)とYAGOOは知り合い
めっちゃ世界が綺麗。眺めているだけでも楽しい
パズル・謎解きパートがめっちゃ楽しい。何度もやってしまう
すいちゃんのオープニングが素晴らしい
来年春以降にSwitch版も出る。VR版とどちらを選ぶかはあなた次第
MyDearestとは?
まずは開発メーカーの「MyDearest」について、ここで少し解説しておきたい。
2016年(実はカバーと同い年生まれ!)に創業されたMyDearest社は、「人生を変えるような物語体験をつくり、届ける」をミッションとした「VR発のIPカンパニー」……つまりはVRコンテンツの制作を主とした会社である。
どれくらいVRに力を入れているかというと、初期作品の「Innocent Forest」(2017年)からVRである。
(CEOの岸上健人さんのアバター・アイコンの原典となるビジュアルノベル「School of Talent」があるため、「第一作」からではない)
どのような会社かは会社概要のメッセージを是非読んでほしいが、「従来型のディスプレイ越しのエンターテイメントでは味わえない体験」に重点を置いている、というのは確かなこととして言えるだろう。
エンディングのスタッフロールではクラウドファンディング参加者の名前が「制作共犯者」として掲載される(しかもVRを活かした凄い形で!)のが定例になっているが、毎回多くの人の名前が載っているのは、その試みがユーザーに受け入れられ、愛されている証拠だと思う。
余談だが、MyDearest社のロゴを製作したのはholoXのロゴマークを製作した雷雷公社さんだったりする。
さらに言うと、社長の岸上さん(めちゃくちゃ文書のテンションが高いので必見)とYAGOOは知り合いである。
クロノスユニバースとは?
「東京クロノス」を起点とした、VRゲーム・およびスピンオフ小説やWeb動画のシリーズである。
ディスクロニアはこのクロノスユニバースの第3作となる。
第1作の「東京クロノス」から今作に至るまで、「前作とは直接的な繋がりはないが、世界は繋がっている」を最大の特徴としている。
……と聞くと「シリーズを遊んでいないと楽しめないのでは……?」と思う人もいるかもしれないが物語的には独立しており、「シリーズのどこから入っても楽しめる」という要素も併せ持つ。
例えばシリーズ第2作「ALTDEUS: Beyond Chronos」だと以下のような繋がりがある。
舞台となる地下都市「Augemted Tokyo」は前作の舞台でもあった渋谷一帯を再現している
街のBGMで前作のBGMが鳴っている
あるキャラクターに「何か」を感じさせる要素がある(ネタバレになるので詳しく言えない……)
実際、アルトデウスをクリアした後に東京クロノスを遊ぶ、という人も見かける。最新作から逆方向に遊んでも魅力が失われない、むしろさらに魅力が増す、それがクロノスユニバースである。
また、キャラクターデザインに「カプとれ」のホロライブコラボ景品のイラストでお馴染み……であると同時に、IDのクレイジー・オリーさんのママであるLAM先生を起用しているのが一番の特徴である。
……というか、オリーさんはデビュー配信の際にLAM先生の紹介として偶然発売日が同日だったアルトデウスを興奮して紹介している(リンク先音量注意)。
加えて言えば、アルトデウスの主人公の名前は「クロエ」である。そう、沙花叉クロヱさんと表記違いで同名である。「ぽえぽえ~」と言わない方のクロエである。
そういう点でも、クロノスユニバースとホロライブは実は結構共通点がある作品である。
余談だが、一時期Oculus Quest 2の売り場コーナーでアルトデウスが紹介されていた時期がある(現在は他ゲームに変更)。
画像内にある通り、前作はファミ通・電撃ゲームアワード2020のアドベンチャー部門最優秀賞を獲得している。しかもVRゲームという括りではなく、「アドベンチャー」という大きな括りである。
実際、いわゆる赤ルートは僕に新しい考え方をもたらしたレベルで衝撃を受けた。繰り返し書くが、MyDearest社は「VRだからこそ深く突き刺さるストーリー」を理解、いや、マスターしている。
クロノスユニバース過去作については、過去に僕もいくつか記事を書いたので、そちらも参照してほしい。
「VRのグラフィック」の常識を覆す、世界の美しさ
まずはこの動画を見てほしい。作中のメンタルヘルス基盤でもある都市AR「拡張夢」の中へ入った主人公の視点なのだが、「楽園」と本編中でも言われている通り、非常に美しい。
「Meta Quest 2の性能を限界突破!?」とサムネイルにあるが、これは決して大袈裟な表現ではない。
Quest 2のような一体型VRでは性能の都合で難しいと思われた表現を、ディスクロニアは実現し、しかも動き回れる。実はクロノスユニバース作品の特徴として「前作の反省点を活かしパワーアップする」もあるが、パワーアップし過ぎである。
VRゲームは安定して世界を描かなければならない――専門用語で言えば最低でも一定のフレームレート(Quest 2だと最低72fps、ただしYouTube VRの60fpsモードなど例外あり)を常時維持しないといけない。
できていない場合、ストア審査で不合格になって販売できない。フレームレートが下回ったり安定していないと、途端に酔う確率が跳ね上がるからだ。
そのため、描画負荷の高い半透明の物体や発光表現(ブルーム)などの表現は特にQuest 2などの描画性能に限界がある機種では避けられる傾向にある。
そもそもQuest 2などで使われているCPUはスマートフォンに近いモノであり、パソコンと比べると非常に描画性能が劣る、加えて「同じ世界を少しずらしてもう一度描かないといけない」という、こちらについてはPC版でも同様に課せられるVRゲーム特有の事情がある。
結果として、特に最近のPCゲームや、スケールの大きなスマホ向けの3Dゲームを遊んでいる人が「思ったよりもグラフィックが……」となるケースも多い、と聞く。
……が、先ほどの動画を見てもらった通り、ディスクロニアではバンバン使っているのに、明らかに安定して描画している。……そう、PV向けに盛っているわけではなく、本当に、マジでこの美しさなのである。
実はディスクロニアは当初春に発売予定だったが、品質向上を理由として発売延期となり夏(ゲーム業界では9月もギリギリ「夏」になる)に変更になっていた。
実際に中に入って遊んでみると、「これは時間かかるのも納得だ……!」と感じるだろう。僕も開発途中のビフォーアフターを見て「これを……Quest 2で……!?」と驚いたものだ。
開発元のMyDearest社いわく、社内独自の描画手法(シェーダー)を導入して性能を引き出したりなどしているそうで、他のVRゲーム企業からも驚きの声が上がっているほどである。
サラッと独自の手法を導入と言っているが、めちゃくちゃ難易度が高い。正直どんな技術を使っているのか僕も知りたい。既に動画で知っているはずなのに、実物を見て思わず「おぉ……」と言ってしまったほどである。
物体の複雑さを表す「ポリゴン数」はアルトデウスの3倍以上とのことで、見た目的にも物量的にもかなりパワーアップしている。
まるでゴリラのように腕を振り回し鬼ごっこを繰り広げる、超簡易的なグラフィックの「Gorilla Tag」がVRゲーム界で大ヒットしたように、グラフィックが必ずしも面白さを決定づけるわけではない。
それでもディスクロニアの「美しさ」は、一度体験すると忘れられない。それくらい、グラフィックに妥協していない。ぼーっと拡張夢を眺めているだけで楽しい。
初めてのVRゲームとして非常に衝撃の体験ができるはずだし、既にVRゲームで遊んでいる人も「こ……これは……!」となるだろう。是非、あなたの目で確かめてほしい。
……そして他社タイトルであり恐縮だが、VARKが演出面などを理由に挙げて初代Quest(=黒いQuest)の対応を終了させた理由も、ディスクロニアを遊べば理解できると思う。実際、ディスクロニアも初代Questは明確に非対応である(ここは注意してほしい)。
初代Questは専用設計でなかったこともありさらに描画性能が厳しく、そちらまで対応するとなると一部の演出をカットせざるを得なくなってしまう、ということを実感させられる。
VRゲーム業界はお互いの距離が近く、いいライバルとして競い合っている。今回のディスクロニアをきっかけとして、国内、いや世界のVRゲームのグラフィックが爆上がりする未来が、非常に楽しみである。
動き回ってもOK、座ったままでもOKの操作性
誰もが部屋の中で広い空間を確保できるわけではない。実際、この記事を読んでいる人の中にも「スペースがないから……」とQuest 2の購入をためらっている人もいるだろう。
そのため、最近のVRゲームではその場を動かなくても済むよう、没入感はあるが酔いやすい「スライド移動」か、没入感は削ぐが酔いにくい「テレポート移動」を実装するのが標準となっている。
そしてMyDearestはVR酔い対策において、かなり細心の注意を払っているメーカーである。どれくらい払っているかというと、アルトデウスで巨大ロボットの大きさを400m級にしたほどである。
ディスクロニアではスライド移動とテレポート移動、どちらにも対応している。具体的に言うと、左スティックでスライド移動、右スティックでワープ移動と使い分けられる。
実際、体験版をプレイしたときはベッドに腰かけたままプレイし、部屋を動き回ることはなかった。多少腕を大きく動かしたり、少々かがんだりする必要性はあるものの、両腕を大きく広げた直径の程度のスペースがあれば、十分プレイ可能である。
余談だが、「大きく動くときはテレポート移動」「少し微調整する時はスライド移動」と使い分けると酔いづらい(と思う)。お試しあれ。
ワクワクと爽快感が詰まったパズル・謎解きパート
さて、ゲームシステムの話はここまでにして、今回の本題であるパズルパートの話をしよう。
……とはいえ、解けた時の爽快感を是非味わってほしいので、解き方を記載しないし、詳細に何をしたかの言及は避ける。分量が少なくて不満に思うかもしれないが、どうかご容赦頂きたい。
部屋を歩き回り、アイテムを集めたり、ギミックを動かしたりする。かつて幼少期にハマったFlashの脱出ゲーム、あのワクワクを味わえる。
……という表現が今の世代には通じないかもしれないので(時代だ……)別の言い方をすれば、「きっとテトリスでうまくテトリミノを処理したすいちゃんもこんな気持ちなんだろうなあ」という総快感を味わえる。
実を言うと3回ほど通しでプレイしたが、このパズルパートを面倒と思わないし、何か変化があるわけでもないのについつい時間をじっくりかけてクリアしてしまう。
何故かはわからないが、満足感を感じる「何か」がある。製品版でかなり難しい謎解きが出てきた時は違う感想を抱くかもしれないが、ただ闇雲にクリックしたり、コマンドを選択するのとは違う、独特の達成感がある。
ここは言語化が難しいので、是非実際にプレイして感じてほしい。製品版はこれ以上の謎解きがある、と考えると今から製品版を触るのが待ち切れない。
蛇足だが、僕はこのパズルパートを遊んで「脱出ゲーム×VRって今後流行るんじゃないか……?」と真剣に思った。
既に「脱出ゲーム×VR」はストアに海外の作品があるが、例えばSCRAP監修の脱出ゲームが発売されたら、買う人は多いのではないだろうか。
その左手で、謎を解き明かせ
監督の末岡青さんの「せっかくコントローラーが2つあるんだから、それぞれの手で別の役割を設けるのはどうか」というアイデアから生まれたギミック――それが、主人公ハル・サイオンの「過去を書き換える能力」である。
ギミックに対応したアイテムを掴み、トリガーを引き続けると過去へアクセスすることができる。
体験版ではギミックの使い方と過去の回想のみで、干渉による改変は不可能な形だったが、製品版では「狂い出した時間 抗うために 新しいストーリー描け」と歌詞にあるようにこの力を駆使してピンチを切り抜けていくことになりそうだ。今から楽しみである。
……ところでこのカメラを見ていると「桃野」という単語がちらつくのですが、まさか……ね……?
異次元の進化を遂げたオープニング
さて、無事に謎を解き終わり、部屋から出るとサプライズ――オープニングが待ち構えている。
突然だが、クロノスユニバース作品はオープニングが特徴的である。東京クロノスのあの場面転換は衝撃を受けたし、アルトデウスのパワーアップした演出もすごかった。
ディスクロニアのオープニングは……前作から遥かにパワーアップしている。異次元の進化を遂げている。そしてこれはシリーズ経験者にしかわからないことだが――「オープニング」となった。
これまでの体験版ではオープニングまで収録されていないのが通例だったが(東京クロノスPSVR体験版を除く)、今回体験版に収録されている理由を理解できてしまうほど、オープニングが進化している。
VRゲームという比較的新たな領域で起用されたことで不安を感じている星詠みの皆さんに伝えたい。
彗星の如く現れたスターの原石が、VRゲームのオープニングを進化させた。それくらい、オープニングが凄い。一度見たら忘れられない。
「音楽と展開のシンクロ」を取り入れたアルトデウスの時も思ったが、クロノスユニバースは音楽の使い方が本当に上手い。
参考に前作のアクションパートを貼っておくが、音楽にもこだわりを持っている、というのを強く実感できると思う。
ところで特設ページによると、「ゲーム内の重要なシーンでも流れておりますので、ぜひゲームをプレイしてみてください!」との記述……つまり、ゲーム中でもすいせいさんの歌声が味わえるということである。
果たしてどこで流れているのか……今から非常に楽しみである。
おわりに: Welcome to the new adventure!
かなり駆け足になったが、ディスクロニアの魅力は伝わっただろうか?
今回の体験版では体験できなかったが、他にも緊張感が味わえそうな「ステルスパート」、そして自分自らが事件を再現する「裁判パート」もあるそうだ。
特に裁判パートは「コマンド選択を廃し、なりきって再現する」というかなり斬新な試みを行っていて、今から実際に遊ぶのが楽しみである。
ディスクロニア:CAは全3章のエピソード制であり、9月23日にエピソード1が配信され、今冬以降、2023年春以降と続く。そしてなんと、1エピソードあたり7~10時間のボリュームがあるそうである。
今後全エピソードを収録し、Switch向けの調整を施したNintendo Switch版も発売されるが、Meta Quest 2版で全エピソードが配信された後、つまり早くても2023年春以降となる。
Meta Quest 2版で進め、次のエピソードを楽しみに待ちながら過ごすか、それとも完結した後にSwitch版で一気に進めるか。その選択をするのはあなたである。
すいせいさんきっかけに、ディスクロニアの世界に、そしてVRゲームの世界に触れる人が一人でも増えれば、2014年からVRを触っていた僕は非常に嬉しい。
Welcome to the new adventure!
おまけ: 遊んでみたくなった人へ
9月22日までの期間限定で、公式Discordサーバー「クロノスアジト」を通じて体験版を申し込める。
VRゲームは実際に遊ぶことで受け取る印象が大きく変わる。Meta Quest 2が手元にある、あるいは近いうちにレンタルする人は、是非申し込んでプレイしてほしい。
また、9月15~18日(ビジネスデイ・TGSVR含む)に開催されるTGS2022で、「MyDearest×イザナギゲームス」ブース(謎解き)と「Meta Quest」ブース(ステルス)でそれぞれ違う内容の体験版を試遊することができる。
ノベルティも貰えるとのことで(僕も欲しい……)もしも行く機会があったら、是非試遊してみてほしい。
余談だが、8月下旬に「Metaアカウント」という新しいアカウント仕様が導入され、遂にFacebookアカウントが必須ではなくなった(メールアドレスかInstagramのアカウントでログインできるようになった)。
仕様発表時に部門トップの人が「最優先課題で開発中」と言及したほど重要な変更……というか原点回帰なのだが、まだあまり知られていないようだし、売り場にも反映されていないので、アカウント周りの仕様が引っかかって断念していた人は是非検討してみてほしい。
個人的なお話: 「事実上の予言じゃん……」
最後にこの記事を書くに至った、個人的な話をさせてほしい。
2021年11月22日、夕方。クロノスユニバースの公式アカウントから「シークレットシンガー発表!」の事前告知が行われていた日。
僕は前々から見たかった映画を見るために、博多駅併設の映画館にいた。
偶然にもアルトデウス、シリーズ前々作「東京クロノス」でOPやEDを歌唱されたASCAさんが同日に「18時に告知を行う」と予告していた。
「お、これは!?」と期待すると同時に、ディスクロニアの関係者が「予想外」と予告していたのもあり、「もしやAZKiさん……?」と自分の趣味全開の予想も立てていた。
18時。ASCAさんの告知内容がヴィレヴァンとのコラボと発表され、僕の予想は外れた。
18時27分。受信設定しているカバー株式会社からのプレスリリース配信メールの通知の件名を見て、思わず声を上げてしまった。
推しのシンガーと推しのスタジオが手を組んだ。確かにそれも声が出てしまった理由ではある。……が、しかし。僕にはそれ以上の理由があった。
偶然にも僕は、アルトデウスから着想を得た星街すいせいさんのイラストを描いていた(しかもそれをすいせいさん本人にリツイートされていた)のだ。しかも、発表の半年と1日前に。
結果、嬉しさと「事実上の予言じゃん……」という動揺と興奮が入り混じり、ロビーで謎の動きをし(とはいえ、落ち着かない様子で歩き回る程度)、知人に電話をかける不審人物が爆誕することになった。
そういうわけで、僕がレポートを書かないという選択肢はなかったのである。
……ところで、発売日翌日の24日はVARKでさくらみこさんと赤井はあとさんのVRライブが行われる。以前のように共演ではないが、日付的にばっちりmiComet並びである。
……実を言うと、僕は「みこちでうす: びよんど ぜんろす」というイラストも描いている。
……このイラストと記事がまた新たな挙動不審のトリガーとなるのか、ならないのか。それはまだ、誰にもわからない。多分。
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