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【連載】内側からの女子力向上セラピーマニュアル 第1章 エビグラタンをめぐって

第1章では、一人の女子、エビちゃんの“悲劇”にまつわるショート・ ストーリーを使って、「すべて自分責任」について解釈していきます。

ショート・ストーリー:
エビちゃんは、彼氏の大好きなエビグラタンを考えて抜いて、つくったのに彼氏が昔の彼女との“過去”を思い出し、八つ当たりしてきた。

この出来事を例に「すべて自分責任」を解釈していきます。この概念を解釈するために、以下、a) 、b)のように定義しています。

a)「すべては自分がつくり出している」
「すべて自分責任」をセラピー業界的に言い換えてみます。

「すべて自分責任」を「すべての出来事は自分がつくり出している」と言い換えてみます。

エビちゃんが一生懸命やったのに彼が八つ当たりしてきたのですから、彼氏がわるいのです。彼女は彼を責めても構いません。ここまで、一般的解釈です。

でも、八つ当たりされる状況をつくり出したのは他でもないエビちゃ

んなのです。
b) 心のボトルネック

人間、誰しも心の中にボトルネックを持っています。言い換えると、心の中の反応しやすい部分、センシティブな部分です。

あなたが感情を大きく揺さぶられるとき、すなわち、激怒するとき、嬉し泣きするとき、哀しくて泣くとき、「許せない」と思うときのことを想起して下さい。

ある人が、大きく感情を揺さぶられるとき、あるパターンに従っています。

ある人が、大きく感情を揺さぶられるとき、そのシーンが異なっても、内側(精神世界)では同じ認識が行われています。

ある人が大きく、感情を揺さぶられるとき、それは、その人の根源的な価値観に触れたときなのです。その人の存在意義に触れているとさえ言えます。

これらは、プライド(=コンプレックス)に結びついた部分でもあります。プライド(=コンプレックス)は、心のボトルネックを覆い隠すようにしてできています。

「すべて自分責任」=「すべては自分がつくり出している」の概念を解釈するには、この心のボトルネックに着目するのが早道です。

ここまで、かなり抽象的なお話になってしまいました。
さきほどのエビグラタンのお話に戻りましょう。エビちゃんは、彼の

好物はエビグラタンだということを知って以降、レシピ本、レシピ・サイトで入念に調査し、1人でいるときには、練習していました。

そして、この日、めでたくリリースしたのです。エビちゃんは、この日のこの瞬間のために、幾度となく、彼の笑顔を想像したのでしょか。

にもかかわらず、彼は昔の彼女との関係を思い起こし、思い出しイライラ、思い出し八つ当たりしてしましました。

エビちゃんも、湧き上がってくる感情を抑えられません。泣きながら、彼に数枚の皿をぶつけてしまいました。

こんな場面で、エビちゃんは彼に対して、「ごめんなさい、全部、私のせいよ」と言うべきでしょうか。

う~ん、彼には彼の“過去”があったのでしょう。

好物のエビグラタンの裏には昔の彼女との哀しいストーリーがあったのかもしれません。見方によっては、八つ当たりしても仕方なかったのかもしれません。

でも、エビちゃんは彼を喜ばせようと必死だったのです。この出来事をもって、「全部、私のせい!」なんて考える必要はありません。感情をぶつけてしまって構いません。

じゃあ、「すべて自分責任」って、どうすることなのでしょう。2人の間柄をもうちょっと、マクロ視点で考えてみます。
まず、エビちゃんは彼を選びました。同様に彼もエビちゃんを選びました。

セラピー業界的に解釈すると、エビちゃんは内側(精神世界)で受け入れられていない何かがあって、その何かを受け入れるべく、彼を選んだのです。

ずばり、エビちゃんの中には、「一生懸命に愛情を示しても受け取ってもらえない、私って、可哀想な女子!」という個人的鋳型(*)があり、エビグラタン事件はその象徴だったんです。

(*)ユング心理学では意識の「鋳型」という概念がありますが、これ は人類とか民俗とか集合的なもので、それと区別すべく「個人的鋳型」としました。

そして、これこそが、今ここにいる彼女の課題なのです。

「愛情を受け入れてもらえない可哀想な女子」という個人的鋳型が愛情を受け取ってくれなさそうな人を選び愛情を受け取ってくれないような出来事を引き起こしたのです。

すべては課題解決のための選択だったのです。

愛情を示してみて、すぐに他者に受け取ってもらえれば、こんなに嬉しいことはありません。でも、世の中って、必ずしも、そのようにできていないのです。受け取ってもらえないこともあります、時には拒絶されることもあります。受け取ってもらうまでに時間がかかることもあります。

こんな時、卑屈になったり、悲劇のヒロインになったりするのは決して間違いじゃありません。

もし、あなたがこんな出来事に遭遇し、悲劇のヒロインになってしま

っているのなら、決して間違いではありません。

「一生懸命やっても、八つ当たりされちゃった!私は間違ったことしてないんだから・・・」

「でも、彼を選んだのは私なのよね、だから、自分責任なのよね。彼を許しちゃおうかな、でも、まず、悲劇のヒロインになってる私のことを許しちゃおう」
と考えるのもありです。
それでは、要約します。

一つ一つの出来事に対して、「すべて自分責任だ」ってこだわる必要はありません。でも、その出来事にいたるプロセスを設計してきたのは、エビちゃん自身(エビちゃんの潜在意識)なのです。

そのことを認め受け入れ、「私の潜在意識ちゃん、課題解決を示唆してくれて、ありがとう」と言えれば、ベターです。

あなたの潜在意識という、もう一人のあなたは、あなたが少しでも成長できるような機会を外側(=物質世界)につくり出してくれています。まさに、外側(=物質世界)は潜在意識の鏡なのです。

潜在意識は、あなたにとって、必ずしも心地良くないシーンを運んで来るかもしれません。

そんなとき、思い起こして下さい。
「これは、自分の潜在意識が自分の成長のために用意してくれたシナリオだよ、つまり、自分がつくり出したことなんだ、自作自演なんだ。解決できないはずないよ」
と。

必ず、課題解決策を内側(精神世界)に沸いてきて、外側(=物質世界)に行動を起こさざるをえなくなるでしょう。

第1章了

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