【連載】内側からの女子力向上セラピーマニュアル 第3章 アロマ・アファーメーション
第3章では、
セラピー2) アロマ・アファーメーション
についてお話します。
アロマのエッセンシャルオイル(以下、アロマと略)と携帯電話(またはスマホ)を用意し、寝る前に、枕にタオルを敷き、お気に入りのアロマを一滴垂らしてみます。
そして、内側女子力向上のために、
「あたしは、超良い女!」
「あたしは、いつも愛につつまれる!」
とつぶやき、同時に携帯電話またはスマホからツイッターを立上げ、ツイートしてみます。
さらに、翌朝、目覚めて、まだ、ぼうっとしているとき、再びツイッターを立上げてみて下さい。
「そうよ、あたしは、超良い女!」
「そうよ、あたしは、いつも愛につつまれる!」と超簡単です。
あなたが、このアロマ・アファーメーションで本当に内側女子力向上を果たすべく、この原理を解釈していきます。
アロマ・アファーメーションの原理について理解いただくために、
(1) まず、アンカリングとトリガリングの概念についてお話しま
す。
(2) 次に、嗅覚の原理についてお話します。
(3) 最後に、アファーメーションの落とし穴についてお話します。
(1) アンカリングとトリガリング
心理学で言う、アンカリング、トリガリングをご存知ですか?
日常生活では、耳慣れない言葉だと思います。でも、私たちは、無意識のうちに、日々、アンカリング、トリガリングを行っています。
簡単に言うと、アンカリングとは船の錨(アンカー)を海底や川底に沈めて、船と定位置を結びつけるように、ある感情と五感に訴えることを結びつけることです。
トリガリングとは、ピストルの引き金を引くように五感に訴えることが、ある感情を呼び起こすことです。
観念的な説明になってしまって、わかりづらいので具体例を出してみます。
事例1
盆踊りのミュージックを聴くと不思議と健気になってしまう・・・
あれは、20 年以上前のこと、地元の子供会で、〇〇稲荷神社の盆踊り大会に参加した。
いつも、意地悪な武くんが金魚すくいをして金魚をとって私にくれた。
武くんは普段、腕白だったけど、金魚の入った袋を私に手渡してくれた。そのときの笑みが、頼もしいような無垢のような・・・
中学に入ってから思う。あれが初恋だったのかもしれない。
この事例では、盆踊りのミュージックが淡い初恋の感情と結びつけられています。すなわち、アンカリングされています。
そして、盆踊りのミュージックが初恋の感情を呼び起こしています。すなわち、トリガリングしています。
事例2
夕べの潮の匂いがすると、たまらなく哀しくなる。
学生時代、サークルの合宿で葉山を訪れた時の心象風景が甦る。
同じサークルで付き合っていた太郎くんは一女(1年生の女子)の娘と私の二股をかけていたことが発覚してしまった。
悔しいんだけど、なんだか情けなくて哀しかった。
この事例では、夕べの潮の匂いと感情が結びつけられています。すなわち、アンカリングされています。
そして、夕べの潮の匂いが哀しい感情を呼び起こしています。すなわち、トリガリングしています。
事例3
サザンの『チャコの海外物語』を聴くと、やたらめったらやる気にな
る。
「人生は最高」と。
社会人1年目、飲み会で会話の弾んだ同期の幸一くんの部屋に行き、なすがまま・・・
もう、どうなっても良いと思った。その瞬間のバックミュージックは
『チャコの海外物語』 でした。
この事例では、『チャコの海岸物語』が最高のオ〇ガ〇ムの感情を運び戻してくれました。
この例では、『チャコの海岸物語』が最高の感情に結びつけられています。すなわち、アンカリングされています。
そして、『チャコの海岸物語』が最高の「やる気」を呼び起こしています。すなわち、トリガリングしています。
人は、聴覚、嗅覚などの五感とある感情をセットしておいて、再び、五感によって、その感情を呼び起こすことができるのです。
こういうアファーメーションの原理があって、アロマ・アファーメーションが成立しているのです。
すなわち、「私は超素敵な女子」というアファーメーションするとき、アロマの香りを楽しむのです。
寝入りばな、起きぬけに!
本当に理想の女子になっている場面を鮮明に思い浮かべましょう。アンカリングしましょう。
そして、お昼間、トリガリングしましょう。
(2) 嗅覚の原理
(1)では、アロマ・アファーメーションの原理について理解いただくため、アンカリングとトリガリングについてお話させていただきました。
さて、次は嗅覚の原理についてお話します。
ここで、アロマ・アファーメーションのベネフィットについて、お話します。アロマ・アファーメーションは嗅覚の原理を活用していますが、嗅覚の原理を活用していることのベネフィットについてお話します。
ベネフィット1
言うまでもなく、アロマは嗅覚で認識処理されます。嗅覚は、視覚や聴覚より、認識処理が速いのです。
人は臭いを嗅ぐとき、認識処理を行う前に好きか嫌いか、快か不快かの感情を呼び起こします。つまり、いったん、理想の自分と香りの間にアンカリングを築けば、理想の自分であるときの感情を瞬時に呼び起こすことができるのです。
これに対して、視覚の場合は、少々やっかいです。
例えば、エビグラタンのエビちゃんが、ある風景画を用いて、アファーメーションしたとします。
寝入りばなのアファーメーションで、アロマの香と「私は愛情につつまれ超幸せ」の感情が結びつけられたとします。すなわち、アンカリングされたとします。
しかしながら、エビちゃんの心境によっては、風景画のある部分から、過去の哀しい思いを呼び起こしてしまう可能性があります。
これは危険なことです。卑屈になってしまいますから。
ここから種明かしします。嗅覚では、情報が大脳辺縁系に直接、伝えられます。
大脳辺縁系とは、大脳古皮質の一部で、快・不快などをつかさどる部位です。本能的な活動をつかさどっています。
これに対して、視覚・聴覚では、情報がいったん、大脳新皮質に伝えられ、そこで認識された後、大脳辺縁系に伝えられます。
大脳新皮質というところでは、過去の記憶と結び付かるという処理が行われるため、過去の記憶の内容によっては、良からぬ感情を呼び起こしてしまいます。
大脳新皮質は、理性的な活動をつかさどっているからです。
ベネフィット2
嗅覚の記憶は長続きします。
以下のような実験があります。
実験
子供たちに難しい迷路をやってもらいました。なかなか、うまくいきません。
その際、部屋の中にラベンダーの香りを流しました。その後、迷路をクリアできなかった子供たちを別の部屋に移し、知能テストをやってもらいました。
部屋は3通りです。
a) 迷路をしたときと同じラベンダーの香り
b) ラベンダーの香りとは異なる、レモングラスの香り
c) ほとんど香りがしない
知能テストの結果、a) の部屋にいた子供たちのスコアは、b)、c) の部屋にいた子供たちのスコアより、圧倒的に低かったのです。
この実験から、臭いと感情のアンカリング、すなわち、嗅覚と感情のアンカリングは長続きすると言えます。
この結果を逆に考え、内側女子力向上のアファーメーションを実施します。
あらかじめ、アロマの香りと「私は超素敵な女子」という感情をアンカリングしておき、ラベンダーの香りを嗅ぐたびに、その感情を呼び起こすことができるようにしておけば良いわけです。
例えば、エビグラタンのエビちゃんが、自分自身のセルフイメージを下げるような出来事に遭遇いた場合、ハンドバッグから、ラベンダーの瓶を取り出し、香りを嗅げばいいのです。
自然に「私は超素敵な女子」モードになれます。こういうわけで、アロマ・アファーメーションをお勧めするのです。
以上が、アファーメーションに嗅覚の原理を活用することのベネフィットです。
(3) アファーメーションの落とし穴
さて、アンカリングとトリガリング、嗅覚の原理の次は、アファーメーションの落とし穴についてお話します。
重要な概念です。この概念を理解していないと、アロマ・アファーメーションが無駄になってしまう可能性があります。
とても大切な概念なのですが、日本のセラピー業界で、この概念について正直に話している人、あまりいません。
そもそも、アファーメーションとは何でしょうか。以下、『はてなキーワード』の引用になります。
というように堅苦しい解説です。「そうなんだな」と思います。
でも・・・
そんなに甘くないのです。多分、あなたも一度くらいは、チャレンジされた経験をお持ちかと思います。
あなたも、アファーメーションによって、願望が叶って、さらに、アファーメーションを続け、理想の人生を送っていらっしゃいますか。
YES の方へ
あなたは素晴らしい!これまで以上に周囲に与えて下さい。きっと、あなたは女神のような方です。内側女子力最高です。
NO の方へ
仕方のないことなのです。アファーメーションには、落とし穴がありますから。
ここから先は、NOの方のための内容になります。
日常生活の中では、前向き・ポジティブな言葉を使うことがベターです。言葉は言霊と言われるほどですから。もちろん、アファーメーションもそうです。
でも、アファーメーションでポジティブな言葉を使ったとき、それが、そのまま、潜在意識に届くのでしょうか。
答えは YES でもあり、NO でもあります。
ここで、NOのケースを挙げてみますね。
さてさて、笙子さんの生い立ちを振り返っています。
笙子さんは、地元の特定郵便局の家系に育ちました。お父様、お母様、お姉様、そして、近隣にはお婆様がいらっしゃいました。
お父様、お母様、お婆様は、お姉様のことも、笙子さんのことも可愛がりましたが、とにかく、お姉様を可愛がりました。
お姉様は、幼い頃、小児麻痺にかかっていたのです。小学校に入ってからは、体育の授業以外、支障はなかったのですが、お父様、お母様が不安でなりませんでした。
お父様、お母様は、お姉様のことが不憫でなりませんでした。
元気にはしゃぐ笙子さんのことを可愛いと思いながらも、無意識のうちに笙子さんを阻害していました。
笙子さんは、幼稚園でラブレターをもらってくるほど、チャーミングな少女だったのです。ある日、ラブレターをもらった笙子さんは、はしゃいで帰ってきました。
お母様は、特定郵便局で仕事していましたが、幼稚園の終了時には、笙子さんを迎えに行くことが日課でした。
「お母さん、ただいま」と笙子さん、「お帰り」とお母様は笙子さんの頭を撫でます。お母様は、自転車の後ろに笙子さんを乗せて帰ろうとしています。
「ママ、笙子、今日、豪くんにラブレター、もらったの!」
しばらくの沈黙の後、お母様は、「そう・・・」
幼稚園児の笙子さん、なにやら、お母様に異変を感じる。
お母様は、笑い出しそうになったのですが、そうしませんでした。長女であるお姉様のことを思い起こしたのです。
お父様、お母様は、長女であるお姉様を幼稚園に入れようかどうか迷いました。
でも、断念しました・・・
蛇足になりますが、ラブレターをもらった笙子さん、お仕事を終えてもどってくるお父様が、いつものように抱っこしてくれないという異変に気付きました。
笙子さんは、とっても、お茶目な女の子のはずでした。でも、いつしか、「お姉ちゃんを越えてはいけない、自分の存在意義がなくなっちゃうかも」という思いを抱き始めました。
彼女の潜在意識の中にある個人的鋳型ができたのです。お姉様より素敵になったら、お父様とお母様に嫌われる、という恐怖です。
少々、長くなってしまって恐縮です。
こんな笙子さんは、大人になって顕在意識領域で「私は、色っぽくてモテモテ!」とアファーメーションしつつ、潜在意識では、「色っぽいなんてダメ、モテモテなんてだめ」と言っていたのです。
無意識のうちにアンカリングが行われていたのです。社会通念上、ポ
ジティブと思われる言葉にネガティブな思いが宿っていて、そっちの方が強烈だったのです。
笙子さんは、まず、
セラピー1)日常生活セラピー
の考え方を身に付け、日常生活で実践するところから始めなければなりません。
すなわち、
「私、お姉ちゃんに遠慮していたんだ、大人になってからも、同じパターンの繰り返しだったわ、でも、そんな自分がとっても可愛い!」と。
そして、自分と同様、素敵であってはいけないと思っている女子・男子を見つけて、励ましてあげるのです。
「あなたは、素敵、最高!」って。
一緒に買い物に行って、ワンピ、チュニック、インナーを選んであげるのもいいかもしれません。
こういう小さな行動によって、笙子さんは、自分の哀しい個人的鋳型を「認め受け入れる」モードになるのです。
「認め受け入れる」モードになったところで、
セラピー2)アロマ・アファーメーション!
をスタートします。
以上、笙子さんのケースを挙げましたが、このケースを挙げた目的は、
アファーメーションの原理をご理解いただくことです。
(第3章了)
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