エンターテイメントとしての陸上競技の可能性
いよいよ日本陸上競技選手権大会が迫ってきた。オリンピックへの最終切符争奪戦。勝つことも重要だが参加標準記録をクリアする事も求められる。過酷な争いとなるだろうが、日本のトップアスリート達に敬意を表して拝聴したい。
個人的な注目はなんといっても男子100M。9秒台の争いに期待を寄せたいが、風などのコンディションにも影響されよう。まずは日本最速スプリンターの称号を誰が手にするのかに注目だ。
昨年の日本選手権前に日本陸連のホームページよりこんな記事が発信された。
この記事のポイントを個人的注目ポイントでまとめるとこんな感じになる。
桐生選手が100M 9.98秒の日本人初の9秒台選手となったとき、47.1歩で駆け抜けたそうだ。つまり100M÷47.1歩=212.3cmが平均ストライド(1歩幅)となる。平均であるからトップスピードに乗った段階では1歩でこの遙か上の距離を進んでいる。そして47.1歩÷9.98秒と計算すれば平均ピッチが算出され、1秒間の平均ピッチ(秒間歩数)は4.72歩となる。スタート直後の歩数で言うと僅か1秒間に更なるピッチで進んでいると言うことだ。
東京五輪のテスト大会でガトリン選手に肉薄した争いを繰り広げた多田修平選手のスタート直後の走りをみると、そのピッチの凄さに驚かされる。日本陸連のホームページでは科学委員会が主導して各選手の分析記録を発信しているので今後もこうした情報が楽しみだ。
その多田選手だが、筋力や筋肉量ではまだ成長過程とも伺える。ピークは2年後辺りであってもおかしくない。2年後の世界選手権はハンガリーのブタペストで開催予定だが、その辺りで体質改善を成し遂げていれば多田選手が日本記録ホルダーで君臨しているかもしれない。
以下はウィキペディアからの情報であり、いつ時点のデータかは不明であると前置きしておきます。
山縣選手 身長174cm 体重74kg 1cmあたり体重=0.425kg
サニブラウン選手 身長188cm 体重83kg 1cmあたり体重=0.441kg
桐生選手 身長175cm 体重70kg 1cmあたり体重=0.4kg
小池選手 身長173cm 体重75kg 1cmあたり体重=0.434kg
多田選手 身長177cm 体重68kg 1cmあたり体重=0.384kg
国内9秒台の選手は一通り1cmあたり体重が0.4kgを上回っている。海外選手もガトリン選手0.432kg、ボルト選手0.482kgといったところ。
前置きの通り、いつ時点のデータかは定かで無いし、身長と体重だけで計れるものではないが、目安にはなろう。体質強化で71kgくらいの体重で臨んでくれば記録への期待もより一層増してくるのではと考えている。
こうした様々なデータが今後選手が走る姿の映像だけに留まらず、リアルタイムでデータが可視化される時代が間もなく訪れるであろう。スタートの反応スピードがリアルタイムに表示され、早い反応を示した順に順位が足下に即時表示され、スピード(km)が表示され、歩数・タイムが表示される。
こうした情報の可視化により観客達が予想屋や評論家と成り代わって街中のカフェやパブで談義を展開する。パブリックビューイングの存在意義もより高まるだろう。瞬時にリアルタイムでどのような情報が可視化出来るかでその映像コンテンツの評価が左右されるのかもしれない。
陸上競技やアマチュアスポーツがプロスポーツとして確立されるのは、もしかするとこういうことがキッカケになるのであろう。フェンシング競技もITの技術で一気に裾野を広げたといっても過言ではない。
陸上競技場にドローンが飛び回り、GPS測定が張り巡り、センサーの光が飛び交う・・・
2年後のブタペストでそんな光景と日本人選手の活躍に期待するし、2025年の大阪万博の頃には更なるスポーツと健康のIT進化を目にすることに期待が掛かる。
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