Sustainable Tourism (サステナブル ツーリズム)
Sustainable Tourism(サステナブル ツーリズム)は海外では普通に使われているワードのように感じますが、国内では、国連の「SDG」が、認知度が高いように思います。
今後、個人的には「サステイナブル」が、よりキーワードとして定着し、「サステイナブル〇〇〇」として定着していくと推察しています。
業界側の方も、旅行者側の方も、双方「サステイナブル」への理解と意識が高まっていけば、自然と、ツーリズムも「サステイナブル ツーリズム」が当たり前、となるようになるのでは、と思っています。
ワールドカップのサッカー日本代表の応援で、海外で試合が開催された後のスタジアムでの掃除のニュースが象徴されるように、日本人のこの意識をサッカースタジアムだけでなく、どの旅行先でも、自然体で、取り組めるようになることを祈念しています。
こうしたマインドは、日本人の誇れる部分だと思いますので、ホスピタリティの意識とともに、海外の方が日本に来て、共感してくれて、旅先でも地元でも、時刻に戻っても、同様の行動をとっていただけるようになると良いのでは、と思っています。
UNWTO Regional Support Office for Asia and the Pacific
国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所本部
事務所の本部が奈良にあることを皆さん、ご存じでしょうか?
https://unwto-ap.org/
前職で、観光庁発足時、長官のお部屋でお世話になった本保様が、現在、駐日事務所 代表を務めておられます。インバウンドとアウトバウンド双方のバランス、シナジーを意識されているコメントが多く、感銘を受けたことを記憶しています。
持続可能な観光の定義 https://unwto-ap.org/why/tourism-definition/
持続可能な観光アーカイブについて https://aptec.or.jp/system/
アジア太平洋観光交流センター(APTEC
事例アーカイブ
https://aptec.or.jp/system/case-study/
持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(INSTO)
持続可能な観光地づくり国際ネットワーク
(The UNWTO International Network of Sustainable Tourism Observatories:INSTO)は、観光地単位で、指標に基づく観光地域経営の活動を行うネットワーク
加入地域は 2023年 6月現在 38 か所。日本での加入地域はないようです。
日本政府観光局(JNTO)
2021 年 6 月 22 日
「SDGs への貢献と持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)の推進に係る取組方針」を策定
JNTO が考える持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)
① 地域の「環境」を守る・育む
環境負荷に配慮した観光コンテンツなど環境資源を最適な形で観光に活用している事例を情報発信し、自然や生物多様性の保全等に貢献します。
② 地域の「文化」を守る・育む
日本が古来育んできた地域の有形無形の伝統・文化資産等を魅力ある形で海外に発信し、外国人旅行者による体験等を通じて、その保存・継承に貢献します。
③ 地域の「経済」を守る・育む
特定の地域や時期に偏ることなく日本全国各地への外国人旅行者の安定した誘客・滞在を目指すとともに、地域ならではの体験や特産品等の購入を促進することで、地域経済の活性化と安定的且つ長期的な雇用を創出し、住んで良し・訪れて良しの地域づくりに貢献します。
2022年「EXPLORE DEEPER -Sustainable Travel Experiences in JAPAN-」
デジタル・パンフレット
https://partners-pamph.jnto.go.jp/simg/pamph/1683.pdf
持続可能な観光の実現に向けた先進事例集https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001610480.pdf
2020 年 6 月
「日本版持続可能な観光ガイドライン(Japan Sustainable Tourism Standard for Destinations=JSTS-D)」策定
JSTS-D はグローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(Global Sustainable Tourism Council=GSTC)が UNWTO とのパートナーシップの下で開発した国際基準(Global Sustainable Tourism Criteria for Destinations=GSTC-D)をベースとして、日本の現状に即してカスタマイズされた指標です。
JSTS-D は、GSTC から「GSTC 認定基準(GSTC-Recognized Standard)」を満たしているとして、SDGs への対応も明記された国際基準として公認を受けました。
(参考)日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)について
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001350849.pdf
持続可能な観光地域づくりのための体制整備等の推進 ① 持続可能な観光への関心が高まる中で、我が国が世界の観光旅行者から選ばれるよう、持続可能なマ ネジメント・社会経済・文化・環境の4分野から構成された「日本版持続可能な観光ガイドライン」(JSTSD5)を活用し、地域・旅行者の双方がメリットを享受できる地域づくりを推進する地方公共団体や観光 地域づくり法人(DMO)等のマネジメント体制の構築を図るとともに、地域における JSTS-D に基づく取組を促進するため、関連する研修を拡充する。持続可能な観光の促進に向けた受入環境整備におい ては、観光旅行者から入域料を徴収し、地域づくりに還元するためのシステム・設備整備、公共交通へ の乗換えを促進するパークアンドライドに必要な駐車場の整備、観光旅行者のマナー啓発等に必要な備 品・施設等の整備、混雑の平準化・解消のためのシステム整備等
持続可能な観光地域づくりに向けた国の政策方向性
(観光立国推進基本計画)
2023 年(令和5年)3月に閣議決定された新たな観光立国推進基本計画
3つの戦略のうち「持続可能な観光地域づくり戦略」に沿って、観光庁として、観光地の再生・高付加価値化や観光 DX 等の施 策を推進していくこととしている。 観光立国の復活に向け、各地域において特色ある「稼ぐ力」を更に向上させ、観光を通じた持続的な地 域活性化の好循環を創出していくことが期待されています。
個人的には、旅行業界自体の「稼ぐ力」を支援したいと考えています。
持続可能な観光地域づくりの推進
全国 22 地域に対し、「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D4)」に基づく地域の分析や地域の課題解決に資する実証事業等を通じたマネジメント体制の構築を行った。また、サステナブルツーリズムに取り組む地域関係者に向けたナレッジ集を作成・公表するとともに、50 地域における観光コンテンツ等のモデル造成や、15 地域における体験に必要な施設改修及び物品の購入等を支援
持続可能な観光地域づくりに資する各種の取組
一般社団法人日本エコツーリズム協会(JES=Japan Ecotourism Society)
https://ecotourism.gr.jp/
1998年3月25日 「エコツーリズム推進協議会(JES)」設立
2002年7月 「日本エコツーリズム協会」に改名
2003年2月 特定非営利活動法人(NPO法人)として内閣府より認可
2018年10月1日 一般社団法人化
エコツーリズムの推進は1998年から関係者の皆さまは地道に活動を展開してこられたと認識しています。「〇〇ツーリズム」という名のもとに、新たに立ち上げていくものが多い中、環境庁さんが、支援されながら、20年を経て、一般社団法人化されました。
サステイナブル ツーリズムの章ではありますが、そもそものエコツーリズムの普及・推進を理解、支援し、これまでのエコツーリズムの実績を学ぶスタンスが必要に思います。
JTBの訪日外国人観光客向けパッケージ旅行「サンライズツアー」
JTBグループでインバウンド(訪日)旅行を専門に扱う株式会社 JTBグローバルマーケティング&トラベル
ツーリズムEXPOジャパンの会場で、同社のブースを訪問したのですが、
訪日客のために、頑張ってこられた60年間自体、大変素晴らしいことだと思いますが、さらにすごいのは、同ツアーの内容がサステイナブルツーリズムに取り組んできたことです。
訪日外国人観光客向け国内パッケージ旅行「サンライズツアー(SUNRISE TOURS)*」は、2024年で運行開始60周年を迎えます。60周年記念特別ツアー
サステナブル・ツーリズムへの取り組み紹介動画
Further Challenges to Sustainable Tourism
株式会社日本政策投資銀行 2022年3月 サステナブルツーリズムの現状と北海道における今後の方向性~持続可能な観光地づくりの推進に向けて~
https://www.dbj.jp/topics/investigate/2021/html/20220330_203760.html
同資料は業界関係者にはぜひご一読いただきたいと思い、ご紹介するものです。北海道について記述されているのですが、とても説得力のある、インサイトに優れた資料です。北海道にとらわれることなく、各地に置きかけてできること、考えうること、読み取っていただけると嬉しいです。PDFで34ページの資料です。
サステナブルツーリズムの現状と北海道における今後の方向性~持続可能な観光地づくりの推進に向けて~ (dbj.jp)
一般社団法人四国ツーリズム創造機構
2020年から四国地域における「持続可能な観光(サステナブルツーリズム)」への取組みを推進しており、特に観光分野における持続可能性を指標化した国際基準「Global Sustainable Tourism Criteria(GSTC)」及び、観光庁が2020年に発表した「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」に基づいた取組みを推進。
サイトの作りが、ユーザー目線でとても見やすいので、是非、ネットサーフィンしてみてください!
https://shikoku-tourism.com/sustainable-tourism
持続可能な観光の国際的な認証団体であるグリーン・デスティネーションズが実施する表彰制度
グリーン・デスティネーションズ
https://www.greendestinations.org/
グリーン・デスティネーションズは、GSTC (グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会) が認定している第三者認証機関です。観光地向けの表彰・認証制度を運営しています。
「世界の持続可能な観光地TOP100選」の中で四国は以下の自治体が選出されています。
2021年
香川県小豆島町
2022年
愛媛県大洲市
香川県小豆島町(2年連続)
2023年
https://www.greendestinations.org/home/what-we-do/solutions-for-travellers/top-100-2023-destination-stories/
日本は10地域の中で、四国から以下の3地域が選出されています。
徳島県三好市 英語のサイトへ
https://www.greendestinations.org/miyoshi-city-japan/
香川県丸亀市 英語のサイトへ https://www.greendestinations.org/marugame-city-japan/
愛媛県大洲市(2年連続)英語のサイトへ
https://www.greendestinations.org/ozu-japan/
ユニバーサルツーリズムをテーマに別途、コラムを書いています。
ユニバーバルツーリズムの考え方、ユニバーサルデザインに戻づく街づくり等、旅行者以前に地元の方々が移動しやすい街になっているか、といったことにも触れています。
サステイナブルツーリズムと関係するテーマやトピックも多いと思いますので、是非あわせてご一読いただけると有難いです。