Interop Tokyo2023 @幕張メッセ
6月14日 Interop Tokyo訪問しました。私はInterop Tokyoは10回以上は訪問しています。Interop Tokyoは、テクノロジー目線から常に半歩先を行くイベントだと思い、会場に通ってきました。
現在、主催業務を取り仕切る株式会社ナノオプト・メディアさんが、CMPテクノロジージャパン株式会社からInterop等イベント事業の営業権を引き継いだのは、2010年頃だったかと思います。
さらに、それより以前の2004年「Web 2.0 Conference」をWeb 2.0の提唱者だったティムオライリーさんとCMPメディアの頃にSF、東京、そしてベルリンでご一緒しました。
当時のweb2.0は、検索エンジン、SNS、ウィキ、ブログなどが象徴とされ、、受け手だった消費者が書き手・情報の発信源になったものを対象にWeb 2.0と定義されていました。当時はSFのADTECHに、スタートアップ間もない企業が続々と登壇していました。ただ当時はまだ通信回線のスピードは速くなく、絵空事にも聞こえたが、その後、Interopで躍動する企業が、ルーター、イーサーネット、LANといったハード機器を次々に発表していった。
Interopの歴史は、通信のハードとソフトの両面から見ていくと、これからもっと面白いステージに向かうのでは?と考えています。
Interop Tokyoとは
インターネットの黎明期と呼ばれた1994年の初開催から数えて、いよいよ30回目の開催。Interop の名前の由来通り「Interoperability (相互接続性)」をテーマに。
今年は 「To the next 30 years」をスローガンに開催。
株式会社ナノオプト・メディア | (nanooptmedia.jp) さんの縁の下の力持ち的な存在として、幕張でのInteropが持続、継続されていると確認しています。
運営事務局からのメール
3日間の開催に際し、タイムリーに運営事務局さんから、毎日メールが入りました。
明日6/14開幕
明日より3日間幕張メッセにて開催
本日より3日間幕張メッセにて開催
幕張で開催中!
明日最終日
本日最終日幕張メッセにて開催
テーマを決めて会場を回る!
スマホファースト
APPの展示があります。
そして、Interopのマイページにログインし、「入場証QR」から訪問したブースの資料をゲットすると・・・・
AiMeet(展示会場内資料ダウンロード)
入場バッジのQRコードをスキャン!
スマホから会場MAP、各社資料のダウンロードができ、大変便利でした!
Interop Tokyo 2023 会場MAP
MWC(バルセロナ)デジタル・プラネットのエリアを訪問された方は、インターロップのAppsのエリアで日本の状況と対比することをお勧めします。
MWC(バルセロナ)デジタル・プラネットは、 home of app, ad tech, ecommerce and marketing communication solutionsと銘打って、各社比較的、中規模のブース出展をされています。
私が2019年に訪問した際、旬になり始めた「MaaS Mobility as a Service(MaaS)」をテーマとし、移動情報とスマホアプリの連携が見られました。当時はトヨタさんが出展していました。
2019年は、5G元年とも言われていた年で、新たな企画として、主催者がホール8.1に「デジタル・プラネット:接続体験」を設置。2010年よりMWCの主力イベントとなっているアプリ・プラネットを進化させたものでした。
「デジタル・プラネット」には200社を超えるアプリ、広告技術、電子商取引、マーケティング通信ソリューションのプロバイダーやソリューションを開発する組織が参加し、アジア進出前、日本進出前の各企業とのアポはとても取りやすかった記憶があります。面会企業 20社強の6~7割は、その後の4,5年で日本に進出してきました。
今後、インターロップに、アプリのソフト、特に通信と結びつくテクノロジーのツールが出店社がまとまるとますます面白いと思います。
コンサルティング企業の出展:KPMGジャパン
テクノロジー企業の出店が多い中、KPMGジャパンさんが出展しているのでブースに立ち寄りました。会場で配布されていた各資料は、は、昨今トレンドを最新のトレンドをおさえる上で、大変重要な資料が配布されていました。コンサル企業さんが、テクノロジー分野のコンベンションに出展する機会が日本で今後顕著に増えていくのではないかと予想しています。
テクノロジー・メディア・通信(TMT)セクター提供
KPMG Japan Technology Insight
XaaSの未来 - 変化の兆候
タワービジネスは日本企業の商機となるか
テクノロジー企業におけるESGへの取組み:サーキュラーエコノミーへの対応
Future of telco-通信事業者の未来-
来年2024年も、出展するならば、ID、個人情報、GDPR、CCPRに強い同社のソリューションの情報発信をしてもらえると、サイバー関連の情報、テクノロジーとの相乗効果でさらに良いのではないかと思います。
https://kpmg.com/jp/ja/home/media/press-releases/2023/06/interop-tokyo2023.html
リテールメディアの成長を念頭に会場を回る!
デジタルサイネージ
改正電気通信事業法が6月16日スタートし、対象となるリテールメディアと接点を持つ企業の出展が多数ありました。
今回サイネージにブース出展されている各社はまだそういった事まで、意識していなかったのかもしれませんが、今下期から来年にかけては、リテール業界のメディアのオンラインとオフラインの動向は注目に値します。
お膝元の幕張に本社のあるイオンさんを始め、イトーヨーカドーグループさん、ヨドバシカメラさん、ビックカメラさん、ヤマダ電機さんなどリテールがメディアを持ち、自社のオンラインでの展開とショップでのリアルなネットワーク展開に期待が寄せられます。
シスコシステムズ合同会社(Ciscoパートナーパビリオン)とジュニパーネットワークス
2000年代、西海岸に出張することが多かった私にとっては、大変なじみぶかい2社です。2社のおかげで、今のインターネットのネットワークのセンターリングがなされたと言っても過言ではなかったと認識しています。
ルーター等ハード中心だった20年前に比べ、ハードからソフトへの拡大そしてソリューション転換へと突き進む各社の動向には注目です。
特に次のトピックでもあるローカル5Gに関しては、引き続きシスコシステムズさんととジュニパーネットワークスさんに牽引していってほしい分野です。両社の来年のInteropで展示が待ち遠しいです。
ローカル5G
2019年MWCを視察した際、5Gの根幹は5年から10年のメイントレンドはローカル5Gであると確信しました。
「ローカル」といっても工場単位首都圏と工場、鉄道を含む私鉄、道路エリア別といったインフラ関連。
郊外にある研究所、工場、大学などのローカル5Gは特定エリアだけの点としてスタートしましたが、首都圏内(本社)のローカル5Gとつなぐことで、結果的に線になります。
自治体の先進的な事例としてのスマートシティーや田園都市構想は、ローカル5Gがベースになると考えていれば、間違いないのではないでしょうか。
Interopの強みである海外からの目線で、Interop Tokyoは、幕張で展開されています。
カリフォルニアのスマートシティーの事例や、特定の域内でのローカル5Gがどのように進捗しているか、さらにそのローカル5Gの中でどういったソリューションや機器ハードウェアソフトウェアが使われているかが事例紹介されると良いわかりやすくなると思われます。
Interopへの期待
私のカバー領域に、2017年から続けているテーマが個人情報保護法、電気通信事業法があります。欧州のGDPR、カリフォルニアのCCPR、日本の個人情報保護法、電気通信事業法改正後、プラットフォーマーに対するルール作りとして、各国でさらに進展すると思われます。
ヨーロッパの2つの大きな法律、2022年7月5日に欧州議会で採決された「デジタル市場法(DMA:Digital Markets Act)」と「デジタルサービス法(DSA:Digital Services Act)」を俯瞰し、2024年のInterop Tokyoへの影響を注視してきました。
通信がつなぐ貿易、越境EC等で、アメリカ、ヨーロッパとのビジネスもしやすくなるように、またアジア各国との相互でのビジネスがしやすくなるため、今年の秋は大変重要なタイミングになっていると思います。
2023年 9月 9日 G20ニューデリー・サミット
2023年10月28日 G7大阪・堺貿易大臣会合
2023年11月 APEC首脳会議 米サンフランシスコ
2023年12月 日本ASEAN友好協力50周年
9月から12月に集中しています。
アジアから始まったCBPR(Cross Border Privacy Rules)はグローバルCBPRへと広がり、お互いの個人情報のやりとりが整備され、信頼されていなければ越境ECのビジネスは成立しない状況になります。
インド太平洋経済枠組み(Indo-Pacific Economic Framework、IPEF(アイペフ)の会合も同時進行しています。
Interopは、技術的な側面が強いですが、エンジニアの方たちにも、ぜひ今後は個人情報保護に関する情報にもアンテナを張っていただけると良いのではないかと思います
プライバシー バイ デザイン
考え方としてプライバシー バイ デザインと言うコンセプトをご紹介しておきます。インターネットはユニバーサルデザインつまりはどういった形でもアクセスできることをベースに設計思想が作られています
今の時代は個人情報についても設計の段階から様々なケースを想定してデザインしていくことがとても肝要だと思います。
SDGやESGといった観点での取り組みもメインストリームとしてあります。
こうした流れには、あらためてモラルが必要であると感じています。
デジタルの世界でも省エネ化や効率化による同じベクトルでの話は増えてきていますが、プライバシー バイ デザインとモラル、この2つを意識しながら、新しいアイディア、新しい商品設計、新しいソフトウェアの構築に、そして新しいクライアントとの関係新規開拓を行っていけると良いのではないかと思います。
2024年はこうしたプライバシー バイ デザインとスマホファーストの意識に、より注目されていくのではないかと思います。
個人的にはリテールメディアのオンとオフがさらに有機的につながり、ユーザーにとっては、リテール業界への注目がさらに高まっていると推察しています。
自分たちの身の回りに近い世界からこうしたネットワークやインタロップへの流れを想定してみると面白いのではないでしょうか想像してみると面白いのではないでしょうか
サイネージやディスプレイ、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、駅、電車の中の学校の中、企業の中、を気にしてみると、インターロップとの接点での「気づき」に遭遇するかもしれません。
Interop Tokyo 2023 概要
(以下、主催者HPより引用)
2023年6月14日(水)~16日(金)
展示会/展示会場内セミナー(国際展示場 展示ホール4~7)
基調講演(国際会議場2F)
会場:幕張メッセ(国際展示場 展示ホール4~7 / 国際会議場)
主催:Interop Tokyo 実行委員会
運営:一般財団法人インターネット協会、株式会社ナノオプト・メディア
基調講演・展示会来場者数( )内は昨年2022年実績
6/14(水) 曇り 35,886人(27,913人)
6/15(木) 曇りのち雨 38,232人(29,403人)
6/16(金) 晴れ 44,990人(33,319人)
3日間トータル 119,108人(90,635人)
Interop Tokyo 2023 会場MAP
会場に到着したら、入場する前に、MAPを眺めてから、無駄のない歩行経路で会場を回りたいです。
アポイントがあれば、ブースに行くまでに、どのルートで歩くか、確認します。
私の場合、最初の15分前後はカフェか、着席可能な椅子を探して、MAPを眺めます。
できれば、黄色のラインマーカーで、訪問先をマーキングします。
終日の場合は午前と午後、または半日で回れそうな場合は前半戦と後半戦と分けて、会場を半々に分けて回るようにします。
上記の2023年のMAPを2024年の予習用として、眺めておくこともお勧めします。出展ブースは基本的に実績重視で場所が確定していきますので、お目当ての企業の出展ブースは翌年も同じ場所の場合が多いです。
学習効果によるところ大で、翌年、同じ展示会を訪問する際、とても時間の節約ができ、効率的なアポイントの取り方ができるようになります。
これはCESやMWCでも同様です。
初年度は大変かと思いますが、2年目以降、徐々に効率的かつ効果的な訪問が定着します。
新規開拓をする際も、新たな企業側の出展に気づきやすい環境となります。
逆に前年までレギュラーで出展していた企業が不参加の場合は、その理由は、お近くの出店企業に聞くと事情は大方わかるものです。
MWC Las Vegas 2023
2023年9月26-28日に開催されるラスベガスでのMWC
Las Vegas Convention Center, West Hall
そして
MWC Barcelona 2024
2024年2月26 - 29日にバルセロナで開催
Fira Gran Via, Barcelona
高速通信、大容量通信、5Gの通信環境に起因する、メタバース、生体認証(顔認証、指紋認証、虹彩認証、音声認証等)等、InteropとMWCは、毎年刺激的なコンベンションです。
以下は MWC Barcelona 2023 のハイライト動画です。
2つのコンベンションを踏まえて、来年のInterop Tokyo 2024の予習しましょう。
MWC Las Vegas 2023 と MWC Barcelona 2024 は、今後開催前に個別に取り上げる予定です。
Interop Tokyo 2024
2024年6月12日(水)~6月14日(金)|幕張メッセ
2024年は開催前、1か月前をめどに、予習編を開始したいと思います。