秋田十城〜秋田県を代表するお城一覧リスト【暫定版】

秋田県の城めぐりをより楽しめるように、秋田県内にある代表的なお城を「秋田十城」として選定し、それぞれの城の特徴や歴史的背景をわかりやすくまとめました。
まずは、AIを活用して選定し、基準や理由も全体・個別双方で記載しています。




1. 秋田城(あきたじょう)

• 場所:秋田市寺内(城跡は「高清水公園」や「秋田城跡歴史資料館」周辺)
• 築城時期:奈良時代(8世紀前半ごろ)
• 続日本100名城 No.106

解説
奈良時代、当時の中央政府(律令国家)が東北地方の蝦夷(えみし)対策の拠点として設置した城柵(じょうさく)の一つです。「出羽国府」と呼ばれる行政・軍事の拠点としての機能も担い、現在は国の特別史跡に指定されています。平安時代初期まで存続したとされ、他県の多賀城や胆沢城などと並ぶ貴重な古代城柵の遺構です。復元整備された東門など、奈良~平安時代の城柵の姿を体感できる場所としても人気があります。

選定理由
• 続日本100名城に選ばれた城であることと、東北地方の古代史を語るうえで欠かせない遺跡であるため、「秋田十城」の一つとしました。古代城柵としての特徴を知ることができる貴重な史跡です。

2. 久保田城(くぼたじょう)

• 場所:秋田市千秋公園(旧・城址公園として整備)
• 築城時期:慶長8年(1603年)、佐竹義宣が築城
• 続日本100名城 No.109

解説
関ヶ原の戦い後、茨城の常陸国から移封された佐竹氏が拠点とした城。天守を設けない「平山城」として特徴的で、広大な城下町を治める政治・行政の中心でした。「千秋(せんしゅう)公園」として整備された現在でも、お堀の跡や御物頭御番所(おものがしらごばんしょ)の一部を復元しており、当時の雰囲気を感じることができます。
内部に天守を持たない代わりに「御出書院」「二の丸御殿」などを主要施設とする構造で、江戸期の北国の城郭としては典型的なスタイルです。佐竹氏ゆかりの品を展示する「久保田城御隅櫓(おすみやぐら)」は、当時の城下町の歴史を知るのにうってつけです。

選定理由
• 続日本100名城に指定されるほどの歴史的価値・整備状況を持つうえ、秋田藩20万石の本拠地として秋田の近世史を象徴する城だからです。城跡公園としての整備が進んでおり、観光地として訪ねやすい点も大きいです。

3. 横手城(よこてじょう)

• 場所:横手市城山公園
• 築城時期:戦国時代(16世紀)、小野寺氏の拠点として築いたと伝わる

解説
横手盆地を一望する小高い丘の上に位置し、かつては戦国大名・小野寺氏が支配していました。江戸期には佐竹南家が入り、横手藩の陣屋として機能しています。現在「模擬天守」が建てられ、展望台として横手市街地を見下ろす絶景ポイントとなっています。
毎年冬に開催される「横手のかまくら」は全国的にも有名で、城山公園周辺から城下町へかけて幻想的な雪祭りの風景が広がります。戦国から江戸にかけての変遷を知るうえでも重要な城跡です。

選定理由
• 内陸南部の中心拠点として戦国期~江戸期まで重要な役割を果たした城であり、かつ現在も観光地として整備されているため。秋田県を代表する“城下町の面影”を感じやすい場所としても貴重です。

4. 本荘城(ほんじょうじょう)

• 場所:由利本荘市(本荘公園周辺)
• 築城時期:慶長7年(1602年)頃、六郷(ろくごう)氏が築城

解説
由利本荘市の中心に位置し、江戸時代には六郷氏や伊達家の支流などが藩主を務めた時期があります。本荘城は平城でありながら自然の地形をうまく利用し、堀や土塁を張り巡らせて防御を固めていました。現在は本荘公園として市民に親しまれ、桜の名所としても知られています。
城下には歴史を物語る寺社や古い町並みが残り、周辺の海岸地域とも相まって風光明媚な地域です。江戸期の城下町としての名残が色濃く、ぶらり散歩にも最適です。

選定理由
• 沿岸部と内陸部をつなぐ交通の要衝として機能した歴史的役割と、比較的まとまった遺構・地形を現地で感じられるため選定。観光や史跡巡りのアクセスのしやすさもポイントです。

5. 亀田城(かめだじょう)

• 場所:由利本荘市(旧・亀田町地区)
• 築城時期:江戸初期、岩城(いわき)氏が入部した頃に本格整備

解説
もともとは戦国末期の城郭があった場所に、関ヶ原後に常陸国から移封された岩城氏が入り大規模な整備を行ったのが亀田城です。周辺の穀倉地帯を一望でき、海にも近いことから藩の財政基盤となる農産物や海産物の流通を握る好立地でした。
現在は城跡としての遺構は部分的に残るのみですが、亀田城址公園として土塁や堀の一部が整備されています。江戸期の藩政拠点としてはあまり大きくないものの、海陸の利を活かした城下町づくりの実態がうかがえる点が興味深いです。

選定理由
• 由利地域の中でも海に近い立地を活かした城郭として特徴があり、秋田の地形的バリエーションを示す上でも貴重。近世の小藩城としての姿を見ることができるため選定しました。

6. 檜山城(ひやまじょう)

• 場所:能代市檜山
• 築城時期:戦国時代、安東(あんどう)氏が拠点とした

解説
戦国期、秋田北部を治めた安東氏が拠点とした城郭。檜山城を拠点に、日本海の北前船交易やアイヌ文化圏との交流で財を成した安東氏(のちに秋田氏と改称)は、秋田沿岸地域の歴史を語るうえで重要な存在です。
城跡は比高差のある丘陵上に構えられ、防御に優れた構造でした。現在は遺構が公園化され、案内板なども整備されています。近くには能代の町並みや米代川下流域が広がり、かつての海運・河川交通の要所であったことを実感できます。

選定理由
• 安東氏(秋田氏)のルーツを探る上で欠かせない城であり、秋田北部の歴史と交易の繁栄を物語る重要拠点。戦国大名安東氏の遺跡として価値が高く、秋田の多様性を示すためにも選びました。

7. 大森城(おおもりじょう)

• 場所:横手市大森町
• 築城時期:戦国時代、横手盆地を治めた小野寺氏が築城

解説
横手城と同じく小野寺氏の拠点の一つですが、こちらは横手盆地の西側に位置します。大森城は標高200メートルほどの山上に郭を配する典型的な山城のスタイル。周囲の急斜面が天然の要害となり、戦国期の防御拠点として機能しました。
現在は遊歩道や案内板が整備され、一部に土塁や堀切(ほりきり)など中世山城の特徴的な構造が残っています。山頂からは横手盆地を一望でき、戦国時代の領主が眺めたであろう景色に想いを馳せることができます。

選定理由
• 中世山城の遺構が比較的よく残り、小野寺氏の城として横手城との対比も面白い。内陸山間部の戦国城郭の姿を知る貴重な場として選定しました。

8. 稲庭城(いなにわじょう)

• 場所:湯沢市稲庭町
• 築城時期:室町~戦国期、小野寺氏が築いたとされる

解説
「稲庭うどん」で知られる稲庭町にあった山城で、やはり小野寺氏の支配下にありました。稲庭川を見下ろす丘陵地に築かれ、城山の地形を利用した堀切や土塁が残されています。横手方面へ抜ける街道筋を押さえる重要地点だったと考えられています。
観光地としてはまだ大規模には整備されていませんが、稲庭うどんの里と合わせて訪れると、歴史と食の両面で地域の文化を味わえます。

選定理由
• 稲庭町と小野寺氏の関係を示す中世山城として貴重であり、横手・大森城など同族の拠点と併せて見ることで、戦国期の横手盆地周辺勢力図を理解する手がかりとなるため選びました。

9. 新屋城(あらやじょう)

• 場所:秋田市新屋地区(現在は住宅地の一部)
• 築城時期:戦国末期~安土桃山期?

解説
新屋城は、同じく安東氏一族や土崎湊方面との係わりの中で機能したとされる城郭です。詳細な築城経緯には不明点も多いですが、秋田城下に近く、日本海にも面する好立地から重要な「湊の守り」の一端を担った可能性があります。
現在は市街地化が進み、遺構はあまり残っていませんが、一部に土塁跡やわずかな高低差が認められています。往時を偲ぶうえでは、地名や資料館での学習が主になりますが、「街の中に埋もれた城跡」として、ロマンを感じる史跡です。

選定理由
• 海側から秋田城下を守る拠点として推定される城であり、古代の秋田城や久保田城とはまた違う“中世~近世への移行期”の防衛拠点として興味深い存在のため選びました。

10. 土崎湊城(つちざきみなとじょう)

• 場所:秋田市土崎地区
• 築城時期:戦国末期(16世紀頃)、港の管理を目的に安東氏が築いたとも

解説
土崎湊は日本海交易の拠点として古くから栄え、安東氏が檜山城とともに掌握した要衝でした。土崎湊城は港の護りと商取引の管理を担うための城郭として機能したと考えられています。江戸時代になると久保田藩が直接管理する湊町となり、秋田藩の財源を支える大事な海運拠点へと発展しました。
現在は市街地化が進み、城郭として目立った遺構は少ないですが、周辺の神社や寺院、地名などに往時の面影が感じられます。夏に行われる「土崎港曳山まつり」は、かつての湊町の活気を今に伝える貴重なお祭りです。

選定理由
• 日本海との繋がりを物語る港町の城として価値が高く、内陸の山城や平城だけでなく、“海運の要”を押さえた秋田の歴史を補完する存在であるため、最後の一城に選定しました。

選定の全体基準

1. 日本100名城・続日本100名城への選定状況

秋田県では「秋田城」「久保田城」の2城が続日本100名城に選ばれています。これらは必ず含めることとしました。

2. 歴史的意義・時代的特徴

平安時代の古代城柵から戦国期、江戸期を通して重要な役割を果たした城を選定し、秋田の城郭史を通観できるように考慮しました。

3. 地理的・文化的多様性

秋田県内でも沿岸部から内陸部、山間部など地形・文化が多彩です。地域の特色を表す城を幅広く取り上げるよう配慮しました。

4. 現地での見学のしやすさ・史跡としての整備状況

遺構や石垣、公園化の状況などから、実際に訪れたときの見どころがあるかどうかもポイントにしています。

おわりに

この「秋田十城」は、古代から戦国、江戸に至るまでの秋田県内の城郭史を総合的に眺められるよう、そして地域的なバランスや観光のしやすさも踏まえて選んだものです。続日本100名城に指定されている秋田城と久保田城はもちろん、それ以外にも戦国大名の拠点となった山城や港湾防備の城まで、秋田の多彩な歴史を感じられます。ぜひ現地を歩き、当時の人々の生活や戦略に思いを馳せてみてください。

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