北海道十城〜北海道を代表するお城一覧リスト【暫定版】

北海道の城めぐりをより楽しめるように、北海道内にある代表的なお城を「北海道十城」として選定し、それぞれの城の特徴や歴史的背景をわかりやすくまとめました。
まずは、AIを活用して選定し、基準や理由も全体・個別双方で記載しています。

北海道内に存在する代表的な城郭・砦・館(たて)・チャシ跡の中から、歴史的価値や知名度、そして「日本100名城」「続日本100名城」に選定されているものを中心に10か所を選び、「北海道十城」としてリストアップしました。

併せて、それぞれのお城を選定した理由や見どころ、背景などを解説します。
(※本来、「城」と呼ばれる日本式の天守や郭をもつものは北海道ではごく限られていますが、ここでは「館(たて)」「砦」「チャシ」なども含め、総称的に「お城」として扱っています。)


1. 松前城(まつまえじょう)

• 所在地:北海道松前町
• 指定:日本100名城
• 概要と魅力
松前藩の拠点として江戸時代後期(1854年)に築城された、北海道で唯一の本格的な和式城郭です。藩主松前氏によるアイヌとの交易や、和人定住の歴史の中心でもありました。明治維新後に大半が取り壊されましたが、昭和期に天守風の外観が復元されています。桜の名所としても知られ、春になると城跡一帯が彩り豊かな景観を見せてくれます。
• 選定理由
「日本100名城」にも選ばれるほど希少で、北海道唯一の和式城郭として貴重な歴史的価値をもつため選定しました。また、城下町として栄えた松前の文化を理解する上で欠かせない存在です。

2. 五稜郭(ごりょうかく)

• 所在地:北海道函館市
• 指定:日本100名城
• 概要と魅力
幕末に江戸幕府の武田斐三郎らによって設計・築造された星形要塞。ヨーロッパ式の城郭構造を取り入れた国内初の本格的洋式城郭として有名です。箱館戦争(1868-1869)の主戦場にもなりました。現在は五稜郭公園として整備され、堀の形が星型になっている様子は五稜郭タワーから眺めることができます。四季折々の美しさを楽しめる観光名所です。
• 選定理由
「日本100名城」に指定されており、幕末・維新史の大舞台となった象徴的な場所であること、洋式築城技術を取り入れた先進的な設計など、歴史的・観光的価値が非常に高いため選定しました。

3. 四稜郭(しりょうかく)

• 所在地:北海道函館市
• 概要と魅力
五稜郭からほど近い場所にある、同じく星型をした洋式の砦跡。五稜郭よりも一回り小さい規模ですが、箱館戦争の際には新政府軍と旧幕府軍の攻防が繰り広げられました。星形要塞がもう一つ存在した、という点で幕末の激動を肌で感じられる貴重な史跡です。現在は史跡公園として整備され、静かな環境で散策を楽しむことができます。
• 選定理由
規模は小さいながらも、五稜郭と同じ星形であり、箱館戦争の歴史を補完する重要な遺構です。幕末の軍事遺跡としての特色を感じられるため、洋式城郭としてのバリエーションを示す意味でも選定しました。

4. 上ノ国勝山館(かみのくに かつやまだて)

• 所在地:北海道檜山郡上ノ国町
• 指定:続日本100名城
• 概要と魅力
15世紀後半〜16世紀にかけて、和人(本州から渡ってきた人々)の安東氏や蠣崎(松前)氏が道南地域で築き上げた中世の山城・館の一つです。高さ10mを超える大土塁や空堀の跡など、大規模な城郭構造が確認されています。道南地域における中世の権力争いや、和人とアイヌの接触史を知る上で欠かせない史跡です。
• 選定理由
「続日本100名城」に選ばれた、道南中世史を語る上で非常に重要な遺構。大規模な堀や土塁跡などから当時の築城技術や戦乱の様子を学べること、そして和人定住の歴史的背景を象徴する史跡であるため選定しました。

5. 志苔館(しのりたて)

• 所在地:北海道函館市
• 指定:続日本100名城
• 概要と魅力
15世紀頃に築かれたとされ、上ノ国勝山館などと並び「道南十二館」の一つに数えられます。蠣崎(松前)氏の支城とも言われ、アイヌとの関係も深かったと推測されます。台地上に土塁や空堀を巡らした構造が特徴で、中世の和人とアイヌの交流と対立の歴史を知る上でも重要な遺構です。
• 選定理由
「続日本100名城」指定の中世城館であり、道南地域の歴史を包括的に理解するうえで外せない存在。道南特有の「館」スタイルを学べる好例としても選定しました。

6. 根室半島チャシ跡群(ねむろはんとう チャシあとぐん)

• 所在地:北海道根室市ほか
• 指定:続日本100名城
• 概要と魅力
「チャシ(チャシコ)」とは、アイヌ文化における祭祀・集会・防御拠点を兼ね備えた施設を指します。根室半島には大小合わせ多数のチャシ跡が点在し、それらを総称して「根室半島チャシ跡群」と呼びます。周壁や掘りなどを伴うチャシは、アイヌが敵対する勢力や野生動物から身を守るための要害にもなりました。現在は史跡として整備が進み、アイヌの世界観や生活文化を知る上で非常に貴重な遺産です。
• 選定理由
「続日本100名城」の中でも、アイヌの築造物として特に重要な文化的景観を示す遺跡群。北海道の「城」という概念を和人側だけでなく、先住民族アイヌの視点から捉えるうえでも欠かせないため選定しました。

7. 弁天台場(べんてんだいば)

• 所在地:北海道函館市(函館港内・旧弁天島付近)
• 概要と魅力
幕末、箱館港を防衛する目的で築かれた砲台・台場の一つ。かつては弁天島と呼ばれる小島に位置し、城郭と同じく土塁や石垣を巡らせ、大砲を備えていました。箱館戦争では旧幕府軍が使用し、新政府軍との激戦地となりました。現在は埋め立てにより陸続きとなっており、一部の石垣などが当時の面影を留めています。
• 選定理由
幕末の軍事拠点として五稜郭や四稜郭と並び重要な位置づけを持ち、箱館戦争の舞台となった史跡の一つ。洋式の築城技術を活用した砲台としての価値も高いため、北海道の近代的な「城」のバリエーションを示す例として選定しました。

8. 花沢館(はなざわたて)

• 所在地:北海道松前町
• 概要と魅力
松前城(福山城)の近隣にある中世の和人館跡。15世紀〜16世紀にかけて、蠣崎(松前)氏やその前身にあたる武士勢力がアイヌとの交渉や交易、防衛のために築いたと考えられています。現在は土塁や空堀の一部が残り、比較的コンパクトながらも戦国期道南の状況をうかがい知ることができます。
• 選定理由
道南の中世「館」文化を知る代表例の一つであり、同じ松前地域にある松前城との対比からも興味深い史跡です。規模は小さいながらも当時の城郭構造をよく伝えるため、補完的な意味合いで選定しました。

9. 大野城(おおのじょう)

• 所在地:北海道北斗市
• 概要と魅力
かつては「大野要害」「大野館」などとも呼ばれた中世城館の遺構。15世紀半ば以降、道南を拠点とした和人の蠣崎(松前)氏や、その周辺勢力によって築かれたとされます。台地状の地形を利用した堀や土塁が確認され、大野平野を見渡せる立地から当時の交通・防衛の要衝だったことがうかがえます。
• 選定理由
上ノ国や松前と同様、道南の和人勢力が築いた中世の館の一例として、地域の歴史連関を理解する上で重要。道南地域での権力分布と築城技術を示す遺跡として選定しました。

10. 床丹チャシ(とこたんチャシ)

• 所在地:北海道釧路管内(主に白糠町付近)
• 概要と魅力
北海道東部に位置するアイヌのチャシ跡の一つ。断崖や急峻な地形を巧みに利用し、外敵や野生動物から身を守るとともに、祭祀や集会の場としても機能したと考えられます。釧路・根室地方のチャシは数も多く、床丹チャシは比較的規模の大きいものとして知られています。
• 選定理由
根室半島チャシ跡群と同じくアイヌの築造物を代表する遺跡であり、北海道の「城」文化の多様性を示すうえで欠かせません。道南の和人系城郭だけでなく、東部地域のアイヌチャシも選ぶことで、北海道全域の歴史を俯瞰する意図で選定しました。

この10のお城を選んだ基準・理由

1. 日本100名城・続日本100名城を優先的に含める
北海道で「日本100名城」に指定されている松前城・五稜郭、そして「続日本100名城」に指定されている上ノ国勝山館・志苔館・根室半島チャシ跡群は、学術的・観光的に高い評価を受けているため、まず優先的に選定しました。

2. 北海道の歴史的多様性を示すため
北海道には和式城郭(松前城)や洋式の星形要塞(五稜郭・四稜郭・弁天台場)、中世の和人館(上ノ国勝山館・志苔館・花沢館・大野城など)、アイヌのチャシ(根室半島チャシ跡群・床丹チャシ)といった多彩な「お城」文化が存在します。これらをバランスよく挙げることで、北海道の歴史の広がりを俯瞰できるようにしました。

3. 地域的なバランス
函館・道南地域に集中しがちな城郭史跡だけでなく、道東のチャシ跡も選ぶことで、全道的視野での「北海道のお城」観を示すようにしています。

4. 学術的価値・保存状況・観光的魅力
史跡公園やガイダンス施設などとして整備され、一般に見学しやすい場所かどうか、あるいは当時の姿を伝える遺構がどれだけ残っているかも考慮に入れました。また、幕末史・中世史・アイヌ文化など、多様な切り口で学習できる点も重視しています。

5. 幕末の箱館戦争・中世の和人とアイヌの交流史など、わかりやすいテーマ性
北海道の城郭が最も大きな歴史舞台となったのは、箱館戦争と中世〜近世初頭における和人とアイヌの交渉史です。これらの視点を強く感じ取れる史跡を中心にピックアップしました。

以上が、「北海道十城」として選んだ10か所の概要と、その選定理由になります。
北海道ならではの多様な築城史・文化史を感じられる場所ばかりですので、現地を訪れた際には、それぞれの歴史背景や遺構の特徴をじっくりと味わってみてください。


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