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石垣山城(神奈川県小田原市)の登城の前に知っておきたい歴史・地理・文化ガイド #DJ091

石垣山城(神奈川県小田原市)を起点とした観光体験を満足したものにするために、事前に知っておきたい歴史、地理、文化の情報をまとめました。

  • 石垣山城の歴史

  • 地理と見どころ

  • 文化・伝統

  • 旅を彩る豆知識など

    石垣山城を訪れる際にご活用ください。


1. 石垣山城の歴史背景

豊臣秀吉の築城と小田原合戦

石垣山城(石垣山一夜城)は、豊臣秀吉が天正18年(1590年)の小田原合戦で本陣とするために築いた山城です​。もともと笠懸山(かさがけやま)と呼ばれた標高約240mの山頂に、秀吉は約15万の大軍を率いて小田原北条氏を包囲し、関東で初めてとなる総石垣造りの城郭を短期間で築き上げました​。

天下統一を目前にした秀吉がこの城を築いた目的は、小田原城を見下ろす高地に堅固な拠点を設けることで籠城する北条氏の士気を挫き、早期開城を促すことにありました​。実際、小田原城は難攻不落と謳われた総構え(城下を取り囲む全長9kmにも及ぶ外郭)を持っていましたが、この包囲戦開始からわずか3か月で開城し、北条氏政・氏直父子は降伏しています​。石垣山城の完成による心理的圧力や長期包囲の戦略が、小田原城開城・北条氏滅亡(秀吉の天下統一達成)に大きく寄与しました。

この城が「一夜城」と呼ばれるゆえんは、築城の際に秀吉がとった奇策にあります。山頂で城の建築を進める間、周囲を樹木で覆い隠し、完成間近に一夜で木を伐採しました。さらに塀や櫓の骨組みに白紙を貼り白壁のように見せかけたことで、麓の小田原城側からはまるで一夜にして忽然と現れた立派な城郭に見えたと言われます。これを目にした小田原城の守備兵たちは大いに驚き士気が低下したと伝えられています​。実際には延べ4万人もの人夫を動員し、4月から6月まで約80日間かけて築いたとされるので、一夜で完成したわけではありませんが​、「太閤一夜城」としてその伝承が語り継がれています。

城の構造と特徴

石垣山城は関東地方で最初に築かれた総石垣造りの近世城郭であり、「石垣山」の名もこの壮観な石垣に由来しています​。山全体に郭(曲輪)を巡らせた本格的な山城で、東西約270m・南北約550mの規模を持ちました​。築城に際して近江国(滋賀県)の穴太衆と呼ばれる石工集団が野面積みの技術で石垣を積み上げ、本丸・二の丸・天守台などの各郭を備えた本格的な陣城となりました​。

城そのものは小田原開城後、目的を終えて同年中に廃城となりましたが​、関東では珍しく石垣が良好な状態で残存しており、度重なる大地震にも耐えて当時の面影を今に伝えています​。城跡は昭和34年(1959年)に国の史跡に指定され、整備された石垣山一夜城歴史公園として公開されています​。

また2017年には日本続百名城にも選定され、歴史ファンに注目されるスポットとなっています​。築城当時、秀吉はこの城に側室の淀殿や茶人の千利休、能楽師らを招いて茶会や能を催し、さらには後陽成天皇の勅使を迎えるなど、本陣として文化的な行事も行われました​。こうした逸話からも、石垣山城が単なる軍事拠点にとどまらず豊臣政権の威光を示す象徴的な舞台でもあったことがうかがえます。

2. 地理と周辺環境

立地と眺望: 石垣山城は箱根連山の麓に位置する標高約240mの丘陵上に築かれており、山頂の本丸跡は小田原市街や相模湾を一望できる絶好の展望地です​。当時この高台からは、攻略目標であった小田原城下を見下ろすことができ、戦略上も極めて有利な立地でした​。

現在でも本丸跡の物見台(展望台)からは、眼下に小田原城址公園や市街地、遠く相模湾の水平線まで見渡せます​。天気が良ければ南方に初島・大島といった伊豆諸島や房総半島、西方には箱根の山並みや丹沢山地まで望める広大なパノラマが広がり、思わず息を呑む景色です​。

夜間には小田原市街の夜景スポットにもなっており、石垣山の名の通りライトアップされた石垣と共に幻想的な雰囲気を楽しめます(※公園内に照明は少ないため、安全に注意してください)。石垣山城跡一帯は富士箱根伊豆国立公園の区域内にあり、美しい自然環境と歴史遺構が調和した風光明媚な場所です​。春は山桜が咲き、初夏から夏にかけて新緑が茂り、秋には周囲の木々が色づくなど、四季折々の景観も魅力です。

アクセス: 石垣山城へのアクセス手段としては、公共交通機関ではJR東海道本線の早川駅が最寄り駅です。早川駅から城跡入口までは徒歩で約50分ほどかかります​。登り坂が続くため徒歩ではやや体力を要しますが、途中で相模湾を望む景色なども楽しめるハイキングコースとなっています。

箱根登山鉄道の入生田駅からも徒歩約60分で到達できます​。タクシーを利用すれば早川駅から10分程度で山頂近くまで行けるため、時間を節約したい場合やグループ旅行ではタクシー移動がおすすめです​。

自家用車の場合、小田原厚木道路の小田原西ICから約10分、西湘バイパスの小田原ICからは約15分で現地に到着します​。山頂付近に石垣山一夜城歴史公園の無料駐車場が完備されており(約50台駐車可)、車でもアクセスしやすくなっています​。

なお道中は狭い山道や急坂もあるため、運転には注意が必要です。公共交通で訪れる場合、小田原駅や早川駅からレンタサイクルやレンタカーを活用する手もあります。石垣山の麓には神奈川県立生命の星・地球博物館(自然史博物館)もあり、入生田駅からの登城ルートの途中に立ち寄ることもできます。家族連れで訪れる際には、城跡散策と合わせてこうした周辺施設を組み込むことで、一日を有意義に過ごせるでしょう。

3. 文化・観光スポット

石垣山城跡およびその周辺には、歴史や文化に触れられる観光スポットが数多く存在します。小田原城(小田原城址公園)は石垣山城から北東に約4km、市街地中心に位置し、小田原北条氏五代の本拠として知られる名城です。中世最大級・周囲9kmの広大な惣構えを誇った難攻不落の城ですが、現在は天守閣や門が復元され市民の憩いの場となっています​。

天守閣は博物館になっており、北条氏や小田原合戦に関する資料が展示されているほか、最上階の展望から相模湾と小田原市街を一望できます​。石垣山からの眺めとは逆に、天守から石垣山方面を探すのも一興でしょう​。小田原城址公園内には子ども向けの忍者館や甲冑着付け体験、動物園もあり、家族で楽しめる工夫が凝らされています。

石垣山城ゆかりの歴史スポットとしては、他にも北条早雲像(小田原駅西口前)や北条氏政・氏照の墓所(市内栄町・宗祇庵付近)などがあります​。早雲像は北条氏初代・早雲(伊勢宗瑞)が小田原城を奪取した場面を再現した騎馬像で、戦国のロマンを感じさせます​。氏政・氏照の墓所には兄弟が自刃したと伝わる「生害石」と五輪塔が残り、北条氏の最期を偲ぶことができます​。時間があれば、こうした史跡を巡ることで小田原の歴史をより深く味わえるでしょう。

伝統文化に触れる機会として見逃せないのが、毎年5月3日に開催される小田原北條五代祭りです。小田原市最大の観光イベントで、総勢1700名にも及ぶ武者行列が城下を練り歩きます​。甲冑に身を包んだ武者隊や鉄砲隊に加え、吹奏楽隊や神輿、踊り手など多彩なパレードが市内中心部を練り進み、戦国絵巻さながらの迫力です​。

沿道の各所では地元の風魔忍者によるアクロバティックな忍術披露や火縄銃隊の砲術演武なども行われ、大きな歓声が上がります​。北条五代(早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直)の偉業を称えるこの祭りは1964年に始まり、市民にも愛される伝統行事です。ゴールデンウィーク中の開催とあって多くの観光客で賑わいますので、訪問時期を合わせれば旅の思い出深いハイライトになるでしょう。

このほか、城下町・小田原の文化としては小田原提灯(行灯型の携行提灯)や寄木細工漆器といった伝統工芸品も有名です。なかでも小田原提灯は江戸時代から旅人に親しまれた土産物で、市内の体験施設「なりわい交流館」では提灯の絵付け体験などもできます​。歴史と文化が色濃い小田原では、このように祭りや工芸を通じて地域の伝統に触れられる機会が豊富に用意されています。

4. 地元の食文化

小田原は海と山の幸に恵まれ、特色ある食文化が発展してきました。旅の醍醐味であるご当地グルメも事前に知っておくと一層楽しめます。

  • かまぼこ(魚の練り製品): 小田原と言えばまず挙げられる名物が「蒲鉾」です。相模湾で水揚げされる良質な白身魚と箱根山系の清冽な水に恵まれ、魚のすり身を蒸し上げたかまぼこ作りは室町時代の1500年頃には既に盛んでした​。新鮮な魚を長持ちさせる保存食として重宝されたのが始まりで、江戸時代には小田原宿を訪れる旅人たちが名物として賞味した記録も残っています​。

    現在でも市内に10軒以上の蒲鉾店があり​、各店が伝統の技で個性豊かな味を守り続けています。小田原駅からほど近いかまぼこ通り(本町通り)には老舗蒲鉾店や干物店が軒を連ね、出来立ての板わさ(蒲鉾を板ごと切ったもの)やさつま揚げを食べ歩きで楽しむことができます​。板についた弾力のある食感と上品な魚の旨味は、旅の口福となるでしょう。

    中でも鈴廣(すずひろ)は1865年創業の老舗で、風祭駅直結の観光施設「鈴廣かまぼこの里」を運営しています​。ここでは蒲鉾の手作り体験や工場見学ができるほか、蒲鉾を使った料理を提供する和食処やビュッフェ、地ビール醸造所まであり、蒲鉾のテーマパークのように満喫できます。お土産コーナー「鈴なり市場」には蒲鉾はもちろん、地酒や地元菓子、干物まで揃い、見て回るだけでも楽しめます​。時間に余裕があれば訪れてみる価値大です。

  • 海鮮料理・干物: 小田原は海に面し、古くから漁業が盛んな港町でもあります。相模湾で獲れたアジ(鯵)やサバ、イカなどは新鮮なまま市内の魚市場に並び、食卓に上ってきました。港町ならではのグルメとしてぜひ味わいたいのが海鮮丼地魚寿司です。小田原漁港(早川港)周辺には漁師直営や老舗魚商が営む食堂が点在し、朝獲れの魚介を豪快に盛り付けた海鮮丼やぷりぷりのアジフライ定食などを提供しています。

    例えば早川漁村エリアの「さじるし食堂」は創業430年という魚屋が営む海鮮食堂で、その日仕入れた新鮮魚介で作る海鮮丼は絶品です​。他にも「とと丸食堂」や「小田原漁港 食堂」など、予算に応じて気軽に海の幸を堪能できる店が揃っています​。朝の漁港で営業する食堂では早朝から海鮮飯をいただけるところもあり、旅程に組み込めば活きのいい朝ごはんを楽しめるでしょう。

    また、小田原は干物の名産地としても知られています。江戸時代、東海道の宿場町だった小田原では魚を干物にして江戸へ出荷しており、その技術と味が洗練されました。かまぼこ通りにも干物専門店があり​、アジの開きやエボダイの干物などを購入できます。塩風と天日で旨味を凝縮させた干物は、旅のお土産にも喜ばれるでしょう。

  • 菓子・スイーツ: 小田原には魚介類以外にも魅力的な食があります。その一つがスイーツで、近年とくに話題なのが「一夜城ヨロイヅカ・ファーム」です​。石垣山一夜城歴史公園に隣接してオープンした人気のスイーツショップ&レストランで、有名パティシエの鎧塚俊彦氏が地元産の新鮮な野菜や果物を使ったスイーツを提供しています​。眺望抜群のロケーションで季節のタルトやケーキを味わえるとあって、週末には行列ができるほどです。城跡見学の際はぜひ立ち寄りたいスポットでしょう。

    和菓子では、小田原名物のを使ったお菓子が伝統的です。小田原は梅の産地でもあり、市内曽我地区の梅林で採れる梅を使った梅干や梅ようかん、梅ゼリーなどが土産物として人気です​。特に老舗「ちん里う」の梅干しは厳選した大粒の梅を用いた逸品で、観光客にも評判です​。

    さらに、小田原はかつて甘露梅というシロップ漬けの青梅を考案した地でもあり、梅を使った甘酸っぱい風味のお菓子が多彩に揃います。スイーツ以外では、小田原発祥の喫茶店文化として「ういろうカフェ」で提供される薬菓「外郎(ういろう)」もユニークな存在です。

    外郎家は室町時代に明から渡来した一族で、薬と菓子の外郎を伝え、小田原に本店を構えています。外郎カフェでは抹茶とセットで和菓子を楽しめ、歴史の香りと甘味を同時に味わえるでしょう。このように小田原の食文化は海鮮からスイーツまで幅広く、老舗と新鋭が織りなす「食のまち」と言えます。旅の際にはぜひ様々な味に挑戦してみてください。

5. 旅行の楽しみ方とおすすめプラン

石垣山城を起点に小田原の魅力を満喫するためのモデルプランを、日帰りと宿泊それぞれで紹介します。また、旅行の目的別(歴史・家族・グルメ)に楽しむコツや、季節ごとのおすすめも解説します。

日帰りモデルプラン

午前:石垣山城散策 – 朝早めに小田原駅または早川駅から石垣山城へ向かいましょう。9時頃までに石垣山一夜城歴史公園に到着できればベストです。城跡公園内をゆっくり散策し、本丸や二の丸の石垣、天守台跡などを見学します。展望台から小田原の街と海を眺め、秀吉の陣城に思いを馳せてみてください。解説板も設置されているので歴史背景を確認しながら1~2時間ほど散策を楽しみます。

昼食:小田原港またはかまぼこ通り – 下山後は小田原市街に移動して昼食をとります。海鮮がお好みなら早川漁港近くの食堂で新鮮な海鮮丼や寿司ランチはいかがでしょうか​。名物のアジフライ定食などボリューム満点の漁師飯も楽しめます。魚以外が良ければ小田原駅東口から徒歩圏内の「かまぼこ通り」で食べ歩きをするのもおすすめです​。

老舗蒲鉾店の揚げたてのさつま揚げや練り物を頬張りつつ、江戸情緒あふれる通りを散策できます。かまぼこ板に乗せた蒲鉾「板わさ」と地酒の組み合わせを提供する立ち飲み処もあり、昼からちょっと一杯…なんて楽しみ方もできるでしょう。

午後:小田原城と市街観光 – 昼食後は小田原城址公園へ向かいましょう。復元天守閣に登って歴史博物館の展示を見学し​、天守最上階から午前中に訪れた石垣山城の方角を探してみるのも一興です​。城下町だった街並みが見渡せ、小田原の地形を把握できます。

天守閣を降りたら、銅門や馬出門といった復元城門もぜひご覧ください。時間に余裕があれば、駅前の北条早雲像や報徳二宮神社(幕末の偉人・二宮尊徳を祀る神社)など市内の見所を散策してみてください。最後に小田原駅周辺でお土産探しを。蒲鉾や干物、梅干しなどの特産品を購入できます。日帰りの場合、17~18時頃には小田原を出発し、東京方面なら19~20時には帰路につけるでしょう。

1泊2日モデルプラン

1日目: 上記の日帰りプランと同様に午前中は石垣山城を散策し、午後に小田原城や市街地観光を楽しみます。夕方になったら小田原市内または箱根湯本方面へ移動して宿泊します。小田原市街にはビジネスホテルや旅館が点在していますが、せっかくなら近くの箱根湯本温泉に宿をとるのもおすすめです。箱根湯本までは小田原駅から電車で約15分とアクセスも良好です。

2日目: 朝食後、チェックアウトまで少し時間があれば箱根湯本の早朝散策や土産物巡りをしても良いでしょう。その後、小田原方面に戻り鈴廣かまぼこの里(風祭駅隣接)に立ち寄ってみてください。午前中に蒲鉾の手作り体験教室に参加したり、できたての蒲鉾を試食したりできます​。昼食も敷地内のレストランで地ビールと出来立て蒲鉾のバイキングを堪能できます​。

食後は、小田原駅周辺でもう行けていないスポットがあれば訪問しましょう。時間があれば小田原駅西口から箱根登山鉄道で終点の強羅まで上り、箱根の美術館巡りや芦ノ湖観光を追加しても面白いです。あるいは小田原から東海道線で二宮方面へ2駅、江之浦測候所(現代アートの野外施設)を訪れるなど、1泊だからこそ足を延ばせる場所もあります。

最後に再び小田原駅に戻り、お土産を購入して帰路につきます。1泊2日プランでは、小田原と箱根を組み合わせることで歴史・温泉・グルメをバランスよく味わえるでしょう。

テーマ別の楽しみ方

  • 歴史好き向け: 石垣山城と小田原城の徹底攻略がメイン。城跡では史料に目を通したり縄張図を確認したりしながらじっくり遺構を巡ります。小田原城では天守閣だけでなく常設展示を念入りに鑑賞し、北条氏の歴史について学びましょう。時間があれば小田原合戦関連の史跡(北条氏政・氏照の墓所や石垣山城築城の石丁場跡など)も訪ねると満足度が高まります。ガイドを依頼して解説してもらうのも◎。歴史ガイドツアーは小田原観光協会などで予約できます。

  • 家族向け: お子様連れなら、体力と興味に合わせた計画を。石垣山城へは車でアクセスし、短時間で眺望だけ楽しむのも手です。城跡散策は自然の中の探検気分で子どもも楽しめますが、足場に気を付けましょう。下山後は地球博物館で恐竜骨格や隕石を見学したり、小田原城址公園の忍者館でからくりアスレチックに挑戦したりと、遊び要素を交えて飽きさせない工夫をします。

    昼食は駅ビル内のフードコートなど手軽なところで済ませ、午後は小田原こどもの森公園(わんぱくらんど)や辻村植物公園などでリフレッシュしても良いでしょう。宿泊する場合は和室のある旅館や温泉宿に泊まり、みんなで温泉に浸かれば旅の思い出になるはずです。

  • グルメ向け: 食を第一に楽しみたい方は、小田原の名物を食べ尽くすプランを立てましょう。朝は早起きして早川漁港の食堂で海鮮定食や干物定食を味わい​、石垣山に登った後の昼にはかまぼこ通りで練り物や地魚のランチを食べ歩きます​。午後は駅前のカフェでひと休みした後、鈴廣かまぼこの里で蒲鉾作り体験&試食​、夕方には一夜城ヨロイヅカファームで絶品スイーツを堪能​という美味尽くしの一日も可能です。

    宿泊なら夜は小田原港直送の魚が自慢の居酒屋で地酒と刺身を楽しみ、翌朝は早川の市場食堂で朝食…という具合に、胃袋から小田原を満喫できます。ただし食べ過ぎにはご注意を!

季節ごとの楽しみ方

  • 春: 花と歴史の両方が楽しめる季節です。3月下旬~4月上旬には小田原城址公園が桜の名所となり、ソメイヨシノの大木が天守閣を彩ります。石垣山城でも山桜やヤマブキが咲き、新緑とのコントラストが美しいです。

    2月中旬~下旬には市郊外の曽我梅林で梅まつりが開催され、富士山を背景に3万5千本の梅が咲き誇る景色は見事です。史跡巡りと合わせて梅の香りに包まれるひとときもおすすめです。5月3日の北條五代祭り​はゴールデンウィークの風物詩で、春の旅行シーズンを盛り上げます。

  • 夏: 小田原の夏は比較的温暖で、海風が心地よい気候です。7月下旬には小田原ちょうちん祭り(提灯を掲げて踊る祭り)が開催される年もあり、幻想的な提灯の灯りが夜の街を彩ります。8月上旬には酒匂川花火大会が行われ、約1万発の花火が夜空と川面を染め上げます​。海辺で見る花火は迫力満点で、浴衣を着て夏祭り気分を味わえます。

    日中は暑いので、石垣山城への登城は朝夕の涼しい時間帯にするか、箱根の森の中へ足を延ばすのも良いでしょう。夏限定のグルメとしては、小田原漁港で水揚げされるシイラを使ったフライや、梅シロップのかき氷などがあります。瑞々しいスイカや湘南ゴールド(柑橘)も出回り、食でも夏を感じられます。

  • 秋: 行楽シーズンの秋は、石垣山城ハイキングに最適です。真夏ほど気温が高くなく、澄んだ空気の下で遠望がきくため、石垣山からの展望には富士山が姿を現すこともあります。10月中旬〜11月には周辺の木々が色づき始め、二の丸跡の草地も金色に輝いて秋の風情が漂います。

    小田原城址公園では菊花展や菊祭りが開催され、丹精込めて育てられた大輪の菊が天守前に飾られます。食欲の秋でもあり、サンマや戻りガツオなど秋の海の幸が美味しくなる季節です。地元ではサツマイモやカボチャを使った和菓子・洋菓子も登場し、一夜城ヨロイヅカファームでも秋限定スイーツが提供されます​。過ごしやすい気候の中、歴史散策と味覚狩りの両方を楽しめるでしょう。

  • 冬: 冬の小田原は雪こそ少ないものの、空気が澄み渡り景色がクリアに見える季節です。石垣山城からの眺望も一年で最も遠くまで見渡せ、相模湾越しに房総半島や伊豆大島、振り返れば富士山の冠雪まで望めることがあります。12月下旬には小田原城址公園のイルミネーションが点灯し、城と光のコラボレーションが楽しめます。

    お正月には小田原城で初日の出を拝む人々や、箱根駅伝の往路ゴール(鶴巻温泉~小田原間)を応援する人々で賑わいます。寒い時期だからこそ、箱根湯本や市内の温泉施設で温まるのも旅の楽しみです。小田原駅近くの万葉の湯は日帰り温泉施設として人気があります。

    グルメでは寒晒し甘酒や鍋料理、干物を炭火であぶった温かい朝食などが身体に沁みる美味しさです。2月になると梅の花が咲き始め、一足早い春の訪れを告げます。冬から早春にかけては観光客も比較的少なめで、石垣山城や小田原城をゆったり見て回るチャンスとも言えます。

戦国史に思いを馳せるも良し、絶景に心洗われるも良し、名物グルメに舌鼓を打つも良し。それぞれの興味に応じて計画を練り、充実した旅になることを願っています。

小田原の豊かな歴史遺産と温かな地元文化に触れれば、きっと旅の満足度も一段と高まることでしょう。安全に気を付けて、素敵な旅行をお楽しみください。

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