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郡上八幡城(岐阜県郡上市)登城の前に知っておきたい歴史・地理・文化ガイド #DJ019

郡上八幡城を起点にした旅行体験をより充実させるために、事前に知っておくべき歴史、地理、文化について詳しくまとめました。

具体的には、以下のような内容を含みます:

  • 歴史:郡上八幡城の築城の経緯、戦国時代や江戸時代の出来事、城の特徴や構造。

  • 地理:郡上市の地形、気候、アクセス情報。

  • 文化:郡上おどり、地元の食文化、伝統工芸や文化施設。

  • 観光情報:郡上八幡城周辺の見どころ、体験できるアクティビティ、おすすめの観光ルート。

郡上八幡城を起点に楽しむ旅行ガイド

歴史

築城の経緯と主要な出来事

郡上八幡城の始まりは戦国時代末期の永禄2年(1559年)にさかのぼります。郡上領主・遠藤盛数(えんどうもりかず)が八幡山に砦を築き、東常慶との争い(赤谷山城の戦い)に備えたのが創建とされています (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。その後、盛数の子の遠藤慶隆(えんどうよしたか/けいりゅう)が郡上一帯を統一し、本格的に城と城下町の建設を進めました (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。天正16年(1588年)には織田信長の家臣だった稲葉貞通(いなばさだみち)が新たな領主となり、高石垣の築造や天守台の設置など大改修を行い、山城としての防備を強化しました (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。

関ヶ原の戦い直前には郡上八幡城を巡る攻防も起きています。慶長5年(1600年)9月、旧城主の遠藤慶隆(東軍)と稲葉貞通(西軍)との間で八幡城の戦いが勃発し、これが関ヶ原合戦の前哨戦の一つとなりました (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。遠藤氏は当初西軍に誘われていましたが、改易された豊臣秀吉への恨みから東軍に与したとされます (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。本戦で徳川家康率いる東軍が勝利したことで慶隆は城主に復帰し、修復後の八幡城に再入城を果たしました (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。

城の構造や特徴

郡上八幡城は標高約353~354mの八幡山頂に築かれた山城で、麓を流れる吉田川のほとりにそびえ立っています (郡上八幡城 - Wikipedia)。城郭自体は小規模ですが、城下町から仰ぎ見る白亜の天守、また天守から見下ろす城下の眺望は素晴らしく、作家の司馬遼太郎にも「日本で最も美しい山城」と称えられました (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。現在の天守は1933年(昭和8年)に再建された木造天守で、四重五階建て・高さ約17mの層塔型構造です (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団) (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。この天守は日本最古の木造再建城郭とされ、郡上市指定の有形文化財にもなっています (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団) (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。城跡には往時の石垣なども遺構として残り、郡上八幡城跡は岐阜県の史跡に指定されています (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。

戦国時代から江戸時代にかけての歴史

戦国時代には東氏(とうし)を滅ぼした遠藤氏が八幡城を築城して以降、この城を中心に郡上一帯が治められました (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。関ヶ原合戦後、徳川幕府下では遠藤慶隆が改めて初代藩主と認められ、郡上八幡城を本拠とする郡上藩が成立します (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。郡上藩は以後約310年間にわたり存続し、藩主は遠藤氏(5代)から稲葉氏・井上氏・金森氏へと交代しつつ、最終的に青山氏が7代(100年以上)にわたり治めました (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City) (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。寛文7年(1667年)には第6代藩主遠藤常友(えんどうつねとも)が大改修を行い、消失した町を復興させるため城下に用水路を巡らせ、「水の城下町」としての基盤を築きます (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城) (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。江戸中期の宝暦年間(1750年代)には年貢を巡る百姓一揆「郡上一揆(宝暦騒動)」が勃発しました。5年に及ぶこの大一揆は最終的に農民側の勝利に終わり、領主であった金森氏が改易されるという、日本史上でも異例の結末を迎えています (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。以降は青山氏に交替し、明治4年(1871年)の廃藩置県まで郡上藩政が続けられました (郡上八幡の歴史 - 郡上八幡城)。

明治維新後、郡上八幡城は他の多くの城と同様に廃城となり、1871年に建物が解体されています (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。現在見られる天守は昭和初期に地元有志の尽力で再建されたもので、往時の天守台や石垣とともに当時の山城の雰囲気を今に伝えています。

地理

郡上市の地形・気候・位置

郡上市(ぐじょうし)は岐阜県のほぼ中央に位置する山間地域で、面積は約1,030.75km²におよびます (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。市域の約90%を森林が占め、長良川の源流域を中心に和良川・吉田川など24本もの清流が流れる、水と緑に恵まれた土地です (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。南北に長い地形のため標高差が大きく、南部(八幡町付近、標高100~200m)の平均気温は年12~15℃程度なのに対し、北部(白鳥・高鷲地域、標高1000m超)は年平均6~11℃と冷涼です (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。降水量も北部では年間3000~4000mmと非常に多く雪深いのに比べ、八幡町を含む南部は2000mm台で比較的温暖です (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。このように地域差はあるものの、市内全域で山間部特有の豊富な降雨に支えられた美しい水環境が育まれています。

アクセス情報

郡上八幡(八幡町)へのアクセス手段は主に自動車・バス・鉄道があります。自動車の場合、東海北陸自動車道の郡上八幡ICが玄関口で、名古屋方面からは一宮JCT経由で約1時間、岐阜各務原ICからは約40分の所要です (アクセスガイド | 郡上市 Gujo City)。公共交通では、名古屋名鉄バスセンターから高速バス(郡上八幡・高山行き)が1日数便運行され、郡上八幡IC停留所まで約1時間26分で到着します (アクセスガイド | 郡上市 Gujo City)。岐阜市内からも岐阜バスターミナル発の高速八幡線バス(郡上八幡行き)があり、こちらは郡上八幡の城下町プラザ停留所まで約1時間15分です (アクセスガイド | 郡上市 Gujo City)。

鉄道利用の場合は、JR高山本線で美濃太田駅まで行き、そこから第三セクターの長良川鉄道 越美南線に乗り換えて終点の郡上八幡駅まで向かいます。美濃太田から郡上八幡駅までは各駅停車で約1時間30分を要し、名古屋から通しの場合はJR特急ワイドビューひだ利用+長良川鉄道乗換で合計2時間半ほどです (アクセスガイド | 郡上市 Gujo City) (アクセスガイド | 郡上市 Gujo City)。郡上八幡駅から城下町中心部までは徒歩約20分ですが、駅前やIC停留所から市内巡回バス・タクシーの利用も可能です。

郡上八幡城の立地と歴史的背景

郡上八幡城は郡上市の中心部、八幡町市街地に位置します。城の建つ八幡山は吉田川と小駄良川の合流点近くにそびえる独立丘陵で、古くから飛騨・美濃を結ぶ街道と長良川水運を見下ろす戦略的要衝でした (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。戦国時代、この地を巡って東氏・遠藤氏らの攻防が繰り広げられた末に遠藤氏が八幡城を築き、以後は江戸時代まで郡上藩の政治・軍事の中心として機能しました (郡上市の地域特性 | 郡上市 Gujo City)。城の立地する山麓の郡上八幡は「水の町」としても知られ、城下町の中に湧く宗祇水(そうぎすい)は環境省の名水百選にも選ばれた湧水です (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。藩主・遠藤常友が整備した用水路網によって城下町には豊かな水路が張り巡らされ (展示案内 | 郡上八幡博覧館)、現在でも町の各所でせせらぎの音や清らかな水をたたえる井戸・洗い場を見ることができます。こうした地理的・歴史的背景を踏まえ、郡上八幡城は山城ならではの防御機能と、美しい水辺の城下町という文化的景観の両面から価値の高い史跡となっています。

文化

郡上おどり(歴史・特徴・開催情報)

郡上おどりは郡上八幡町で毎年夏に開催される盆踊りで、日本三大盆踊りの一つにも数えられます。起源は定かではありませんが、通説では江戸時代初期に初代藩主の遠藤慶隆が領民融和のため奨励したか、あるいは江戸中期の藩主(青山氏)の時代に宝暦騒動後の士農工商融和策として奨励されたとも伝えられています (郡上おどり - Wikipedia)。いずれにせよ江戸時代から約400年にわたり受け継がれてきた郡上おどりは、藩政期には城下で最大の娯楽かつ交流の場として機能し、明治以降も地域の人々によって守られてきました。

郡上おどりの大きな特徴は「見る踊りではなく、参加する踊り」であることです。7月中旬から9月上旬にかけて延べ30夜以上開催されるロングランの盆踊りであり (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))、期間中はほぼ毎週末どこかの町内で夜通し踊り明かします。「郡上の夏はおどりに始まり、おどりに終わる」と言われるように、祭りのある夜には町中で櫓太鼓と三味線が鳴り響き、地元の人も観光客も老若男女誰もが輪に入って踊ります (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。見よう見まねで手足を動かしているうちに自然と踊り方を覚えられる親しみやすさもあり、小さな子供から高齢者まで数千人規模の踊り手が一体となって踊る光景は圧巻です (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。特にお盆の4日間に催される徹夜おどりでは、夜通し朝まで踊り続ける熱気と、幾重にも連なる踊りの輪が郡上おどり最大のハイライトとなります (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上)) (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。なお踊り期間中は毎晩会場が変わり、八幡町内の神社境内や町広場など各所を巡回する形で行われます (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。2019年には延べ34夜開催され、累計来場者数は約30万人にのぼりました。郡上おどりはその文化的価値から2017年に国の重要無形民俗文化財に指定され、さらに2022年11月には他地域の風流踊とともにユネスコ無形文化遺産にも登録されています (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。スケジュールは毎年郡上市などの公式サイトで発表され、観光客も下駄と浴衣で気軽に飛び入り参加できる開放的な祭りです。

郡上の食文化(名物料理・グルメ)

山と川に囲まれた郡上八幡には、多彩で個性的な郷土料理が伝わっています。代表的な名物が鶏ちゃん(けいちゃん)と呼ばれる鶏肉料理です。醤油や味噌、ニンニクなどで下味を付けた鶏肉をキャベツ・もやし等の野菜と一緒に炒めるシンプルな料理ですが、ご飯によく合うスタミナ食で、地域の家庭料理として親しまれてきました (郡上八幡のグルメ 郷土料理編|〖TABITABI郡上〗)。お店ごとに味付けや使用する鶏肉の部位が少しずつ異なり、食べ比べて楽しむファンもいます (郡上八幡のグルメ 郷土料理編|〖TABITABI郡上〗)。

もう一つユニークな郡上の名物料理に漬物ステーキがあります。刻んだ白菜やカブの古漬け(塩漬け)を鉄板で焼き、醤油などで味付けして溶き卵でとじた料理で、漬物の酸味と半熟卵のまろやかさが絶妙にマッチします (郡上八幡のグルメ 郷土料理編|〖TABITABI郡上〗)。長く漬け込んだ酸っぱい漬物を使うのがコツとされ、郡上八幡の居酒屋や食堂で提供されています (郡上八幡のグルメ 郷土料理編|〖TABITABI郡上〗)。素朴ながらお酒の肴にも人気の一品です。

清流に育まれた鮎(あゆ)も郡上の食文化に欠かせません。長良川の鮎は全国に誇るブランドで、中でも郡上地域で獲れる天然鮎は「日本一」と称されるほど評価が高いです (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。夏から初秋にかけては塩焼きにした香り高い鮎や、背越し・甘露煮など鮎料理を提供する食事処が賑わい、川魚ならではの風味を求めて多くの観光客が訪れます。また郡上は明宝ハム・明方ハム(地元産のプレスハム)や、イノシシ・シカなどのジビエ料理、飛騨地域に近いため飛騨牛料理なども楽しめます。近年はスパイシーな奥美濃カレーを名物に推す動きもあり、カフェやレストランでご当地カレーを提供する店もあります (郡上八幡の名物を堪能するなら!おすすめのお店11選 [食べログまとめ])。このように郡上八幡では漬物ステーキや鮎料理、奥美濃カレーまでジャンル多様な名物グルメが揃っており (郡上八幡の名物を堪能するなら!おすすめのお店11選 [食べログまとめ])、城下町散策の合間に郷土の味を堪能すれば旅の満足度もいっそう高まるでしょう。

伝統工芸や文化施設(博物館・資料館など)

郡上八幡は古くから職人の匠の技が受け継がれる土地でもあります。代表的な伝統工芸品に、紺碧の藍で染め上げる郡上本染や、上質な絹織物である郡上紬(ぐじょうつむぎ)などがあります (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。郡上紬は郡上八幡出身の染織家・宗廣力三氏が人間国宝に認定されたことで有名で、その手掛けた紬織物は奥ゆかしい風合いを持ちます (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。また、郡上本染は藍染めの技法で鯉のぼりや手拭いなどを染色するもので、郡上八幡の染匠・渡辺庄吉氏の技が岐阜県重要無形文化財に指定されています (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。

川文化に根差した工芸も発達しました。例えば、鮎漁に用いられる竹編みの魚篭(びく)である郡上びくや、漁師が川に入る際の腰網「郡上ダモ」などは、機能美に優れた伝統的な釣具です (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。清流で育つ鮎を活かすための道具作りにも職人技が活かされており、それらは民芸品としても鑑賞に値します (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。

さらに郡上八幡は、食品サンプル発祥の地として全国的に知られています。大正~昭和初期に郡上八幡で生まれた蝋細工の食品模型作りはその後産業化し、今や全国シェアの大半を占めるまでになりました (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。レストランの店頭を彩るリアルな食品サンプルの多くが郡上で製造されているといっても過言ではありません。印刷分野では、手刷り木版画の技術をルーツとするシルクスクリーン印刷産業も根付いており、昭和後期には郡上八幡が「印刷の町」と称された時期もありました (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。

こうした郡上八幡の歴史や文化に触れることのできる施設も町中に点在しています。中でも郡上八幡博覧館は外せません。大正9年(1920年)築の旧税務署ビルを活用した博物館で、郡上おどり、城下町の暮らし、水の都・郡上八幡の環境、そして伝統工芸など多彩なテーマを凝縮して展示紹介しています (郡上八幡博覧館 | 岐阜 郡上 おすすめの人気観光・お出かけスポット - Yahoo!トラベル)。特に1日4回行われる郡上おどりの実演は必見で、本物の踊りを間近で鑑賞できるほか、一部レクチャーで一緒に踊る体験もできます。町歩きを始める前に立ち寄れば予備知識が深まり、その後の観光がより楽しめるでしょう (郡上八幡博覧館 | 岐阜 郡上 おすすめの人気観光・お出かけスポット - Yahoo!トラベル)。入館料は大人540円、小人320円で、9:30~17:00まで開館しています(冬期休館日あり)。

もう一つの注目スポットが郡上八幡旧庁舎記念館です。こちらは昭和11年(1936年)築の木造洋館で、平成6年まで旧八幡町役場として使われていた建物を整備したものです。国の登録有形文化財にも指定されたレトロな外観を持ち、中には郡上八幡観光協会の案内所や無料休憩所、郡上の特産品展示販売コーナーなどがあります (郡上八幡旧庁舎記念館 | 〖TABITABI郡上〗)。併設の旧庁舎食堂では、地元のお母さん達手作りの鶏ちゃん定食や奥美濃カレーといった郷土食からコーヒーまで味わえるとあって、観光客の憩いの場となっています (郡上八幡旧庁舎記念館 | 〖TABITABI郡上〗)。さらに2階の「かわさきホール」は郡上おどりの稽古場になっており、踊りシーズン中の週末夜には観光客向けの踊り教室(実演指導)が開催されることもあります (郡上八幡旧庁舎記念館 | 〖TABITABI郡上〗)。このように旧庁舎記念館は観光情報収集から食事、体験まで揃った便利な文化施設です。

そのほか、郡上八幡城の天守内部も郡上藩や城の歴史に関する資料館として公開されており、甲冑や古文書、模型などの展示を通じて城の歴史を学ぶことができます。また、町内には郡上八幡美術館(現代アート展示)や民俗資料館、水力発電資料館など、小規模ながら興味深い施設も点在します。時間に余裕があればこうした施設にも立ち寄り、郡上の文化にじっくり触れてみるのも良いでしょう。

観光情報

郡上八幡城周辺の観光スポット

郡上八幡城は言うまでもなく町のシンボルであり、外せない観光スポットです。四季折々に美しい景観を楽しめ、春は桜、秋は紅葉の名所としても知られます。特に10月下旬~11月に開催されるもみじまつり期間中は、天守と色づいた紅葉がライトアップされ、山上の城が幻想的に浮かび上がります (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。昼間とは違った幽玄な雰囲気を味わおうと、多くの観光客が夕刻に城を訪れます。

城を見学した後は、ぜひ山麓の城下町エリアを散策してみましょう。八幡町の古い町並みは「郡上八幡町並み保存地区」に指定されており、江戸~明治期の伝統的建築が軒を連ねています。なかでも湧水スポットの宗祇水(そうぎすい)は必見です。室町時代に連歌師の飯尾宗祇が滞在した故事にちなむ井戸で、現在もこんこんと清水が湧き出しています。環境省選定の名水百選にも選ばれ、地元住民の生活用水として大切に守られてきた由緒ある湧水です (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。宗祇水の周辺にはやなか水のこみちと呼ばれる小路があり、せせらぎ沿いの石畳に錦鯉が泳ぐ光景は「水の町」郡上八幡ならではの風情があります。夏でもひんやりと涼しく、散策におすすめのスポットです。

町中を流れる吉田川も郡上八幡の風景に欠かせません。吉田川に架かる新橋や宮ヶ瀬橋付近からは、清流と城下町、背後のお城が一度に写真に収められる絶景ポイントとして知られます。暑い夏の日には川辺で水遊びをする子供たちの姿も見られ、郡上八幡の生活と自然の調和を感じられるでしょう。また吉田川には鮎を獲る伝統的な漁法ヤナ場が設けられており、町外れの杉ヶ瀬ヤナではシーズン中に獲れたての天然鮎料理を味わうことができます (郡上八幡の名物を堪能するなら!おすすめのお店11選 [食べログまとめ]) (郡上八幡の名物を堪能するなら!おすすめのお店11選 [食べログまとめ])。手づかみ取り体験ができるイベントも行われることがあり、運が良ければ自分で捕まえた鮎をその場で塩焼きにしてもらう、という体験も可能です。

歴史好きであれば、城下町の寺社巡りも一興です。城下町には郡上八幡城の鬼門を護る安国寺をはじめ、藩主の菩提寺である願念寺や教恩寺など古刹が点在します。安国寺の境内には樹齢450年以上とも言われる大イチョウの木があり、秋には黄金色のじゅうたんを敷き詰めたような美しさです。また町の高台に建つ慈恩禅寺からは城下町を一望でき、隠れたビュースポットとなっています。

城下町散策に疲れたら、先述の旧庁舎記念館(観光案内所)や城下町プラザ(八幡町市街地の道の駅的施設)で一息入れることができます。ここでは郡上八幡ならではのお土産も手に入れましょう。食品系では明宝ハム・明方ハム、郡上味噌、地酒、奥美濃カレーのレトルト、銘菓では肉桂玉(ニッキ玉)というシナモン風味のお菓子や栃の実煎餅などが人気です (郡上八幡旧庁舎記念館 | 〖TABITABI郡上〗)。工芸品では郡上本染の手拭いや藍染めハンカチ、郡上彫りの木製はし、食品サンプルのマグネットなどユニークな品も揃っています。旅の記念にぜひどうぞ。

時間に余裕があれば、郡上市街地周辺の自然景勝地にも足を延ばしてみてください。夏場であれば郡上八幡から車で30分ほどの阿弥陀ヶ滝(あみだがたき)がおすすめです。落差60mを誇る名瀑で、日本の滝百選にも選ばれています。滝壺から舞い上がる水しぶきは真夏でもひんやり涼しく、マイナスイオンたっぷりの癒しスポットです。近くには名水を使った流しそうめんの茶屋もあり、避暑に最適でしょう。さらに車で40分ほど行くと、鍾乳洞としては東海地方最大級規模の大滝鍾乳洞があります。全長2km超におよぶ洞内には巨大な鍾乳石や地底湖が点在し、ライトアップされた神秘的な空間を探検できます。真夏でも洞内気温は約15℃と冷涼で、自然のクーラーとも言われています。郡上八幡城を起点に、こうした郊外のスポットまで行程に組み込めば、郡上の多彩な魅力を一日で満喫できるでしょう。

体験型のアクティビティやイベント情報

郡上八幡では観光客向けの体験プログラムや季節イベントも豊富に用意されています。中でも夏の郡上おどりへの参加は最高の体験型アクティビティです。地元の保存会によると「郡上おどりは見て楽しむのではなく参加して楽しむもの」とされ (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))、観光で訪れた人も飛び入りで輪に加わり、踊りの楽しさを共有できます。踊りの振り付けは比較的シンプルで、地元の人たちが優しく教えてくれるので、浴衣や下駄が無くてもその場で見様見真似で十分踊れます (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。各会場には飛び入りの観光客歓迎の雰囲気があり、最初は恥ずかしくても手拍子から始めてみれば自然と輪に溶け込めるでしょう。特にお盆の徹夜おどりでは、夜通し踊り続ける独特の高揚感を体験できます (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。郡上おどり期間中には、日中に旧庁舎記念館などで踊り方講習会(有料・要予約)が開かれる日もありますので、初心者の方や浴衣の着付けが不安な方は活用すると安心です。

通年を通して人気が高いのが食品サンプル作り体験です。食品サンプルの生産が盛んな郡上八幡ならではの体験で、城下町には数件の体験施設があります。代表的な施設「サンプルビレッジ・いわさき」や「さんぷる工房」では、天ぷらやレタスの模型作りを実際に職人指導のもと体験できます。熱したワックスを水に垂らして天ぷらの衣を作ったり、彩色して本物そっくりの食品模型に仕上げたりと、大人から子供まで夢中になれる内容です。自分で作ったレタスの断面模型やエビ天ぷらのマグネットは旅のお土産にも最適でしょう (展示案内 | 郡上八幡博覧館)(要予約・有料、所要1時間程度)。

そのほかにも、郡上八幡博覧館では郡上おどりの実演見学(1日4回)や郡上本染の実演コーナーがあり、伝統文化を 見る 体験ができます。陶芸や和紙染めなどのものづくり体験教室を開催する工房も市内に点在し、旅の思い出にオリジナル作品を作ることもできます(季節・予約状況による)。夏季には長良川での鮎釣り体験(遊漁券要購入)や、和良川での渓流釣り、吉田川で子ども向けの川遊びイベントなど自然を満喫するアクティビティも人気です。冬季には市街地から車で30~40分圏内に大小合わせて10以上のスキー場(高鷲・ひるがの高原エリア)がオープンし、多くのスキー客で賑わいます ([岐阜県郡上市]アウトドア専門の観光WEBサイト - GUJO Outdoor ...)。郡上八幡に宿泊して日中はウィンタースポーツ、夕方に戻って城下町の湯ったり散策、という冬ならではの旅程も可能です。

季節ごとのイベント情報もチェックしましょう。夏の郡上おどりは前述の通りですが、郡上八幡盆踊り競技大会(毎年8月下旬)や郡上八幡音楽花火大会(8月中旬)など夏祭りも開催されます。秋のもみじ祭り期間中(10月~11月)は郡上八幡城の夜間ライトアップのほか、城下町一帯で紅葉ライトアップ散策やライトアップに合わせた延長開館が行われます (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)。冬には旧庁舎記念館前に大型の門松が立ち、新春の郡上八幡城登城(元旦には早朝登城者に記念品配布)といったイベントも。最新のイベント予定は郡上市観光協会の公式サイトや「TABITABI郡上」のイベント情報ページ (【郡上八幡旧庁舎記念館】アクセス・営業時間・料金情報)で確認できます。季節イベントに合わせて訪れると、より一層郡上八幡の旅を楽しめるでしょう。

おすすめの観光ルート(半日・1日モデルコース)

最後に、郡上八幡城を起点にしたモデルコースをご紹介します。所要時間に合わせて「半日プラン」と「1日満喫プラン」の例をまとめました。

半日モデルコース(3~4時間)

  1. 郡上八幡城 見学(約1時間)
    朝一番に山頂の郡上八幡城へ。車の場合は城の直下の駐車場まで上がれますが、徒歩なら城下町から15~20分の登り道です。天守に登り、眼下に広がる城下町と山々の大パノラマを堪能します。館内の資料展示で郡上藩の歴史に触れ、写真撮影も忘れずに。 (郡上八幡城の見所と写真・2500人城主の評価(岐阜県郡上市) - 攻城団)

  2. 城下町を散策(約1.5時間)
    城を下りたら八幡町の古い町並みを歩いてみましょう。宗祇水の湧き清水に立ち寄り、名水を一口味見 (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。やなか水のこみちのせせらぎ沿いに涼みながら、趣ある石畳の小路を散策します。途中、郡上八幡博覧館に入って郡上おどりの実演(タイミングが合えば)を見学し (郡上八幡博覧館 | 岐阜 郡上 おすすめの人気観光・お出かけスポット - Yahoo!トラベル)、伝統工芸の展示にも立ち寄ります。町家カフェでひと休みしたり、土産物店で郡上本染の手拭いやサンプルグッズを物色したりと、自由に城下町の雰囲気を楽しみます。

  3. 郷土料理ランチ(約1時間)
    散策途中か終了後に、城下町の食事処で昼食をいただきます。おすすめは鶏ちゃん定食や鮎の塩焼き定食など郡上の味覚が楽しめるメニューです (郡上八幡のグルメ 郷土料理編|〖TABITABI郡上〗) (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。漬物ステーキや明宝ハム入り料理を提供する店もあり、郷土料理に舌鼓を打ちながら旅のエネルギーをチャージしましょう。

※半日コースは午前発・午後終了を想定していますが、午後スタートで夜に郡上おどり参加(夏季)というプランに応用することもできます。

1日モデルコース(6~8時間以上)

  1. 午前:城と町並み観光
    朝~午前中にかけて郡上八幡城を見学(上記同様に展望・資料館見学)した後、城下町をゆっくり散策します。寺社巡りが好きな方は安国寺の大イチョウや教恩寺の宝物館に立ち寄っても良いでしょう。博覧館で郡上おどりの実演(10:30~など)を鑑賞し (郡上八幡博覧館 | 岐阜 郡上 おすすめの人気観光・お出かけスポット - Yahoo!トラベル)、郡上八幡の歴史文化に触れてから町歩きをスタートすると理解が深まります。

  2. 昼食:郷土料理を堪能
    お昼は城下町の老舗食堂や料理旅館で郷土飯をいただきます。定番の鶏ちゃん焼き定食や川魚料理のほか、夏場なら冷たい奥美濃名水の蕎麦もおすすめです。食後のデザートに、老舗和菓子店の水まんじゅうや飛騨牛乳を使ったソフトクリームはいかがでしょうか。

  3. 午後:体験プログラム & 周辺観光
    昼食後は旅の思い出作りに食品サンプル作り体験に挑戦してみます。予約しておいた体験工房で、本物そっくりの天ぷら模型やレタスの食品サンプル作りを楽しみます (展示案内 | 郡上八幡博覧館)。世界に一つだけの作品が完成したら、町中で行われている別のワークショップやお店を冷やかしに行ってもOKです。時間と交通手段に余裕があれば、郊外のスポットにプチ遠出するのも良いでしょう。例として、車で30分の大滝鍾乳洞探検ツアーに参加したり、和良川での渓流釣り体験(要予約)に移動すると、郡上の自然も味わえます。

  4. 夕方~夜:旅の締めくくり
    日帰りの場合は城下町プラザや旧庁舎記念館で最後にお土産を買い揃えます (郡上八幡旧庁舎記念館 | 〖TABITABI郡上〗)。明宝ハムや地味噌など重たい物も宅配手配できるので安心です。夕暮れ時、車の方は郡上八幡ICから帰路へ。もし宿泊する場合や日程に余裕がある場合は、ぜひ夜の郡上おどりに参加してみましょう (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。浴衣に着替えて提灯の灯る会場へ向かい、地元の輪に加わって踊れば、旅の感動もひとしおです (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。真夏の徹夜おどりでは朝まで踊り明かすのもまた格別で、郡上八幡の旅のハイライトになるに違いありません (ユネスコ無形文化遺産「郡上おどり(郡上踊り)」|TABITABI郡上(たびたび郡上))。踊り終えた後は、冷たい宗祇水でほてった体を冷やしつつ、城下町の夜風を感じて宿へと戻りましょう。

以上のモデルコースは一例ですが、郡上八幡城を中心に歴史・文化・自然・食をバランス良く組み込むことで、短時間でも濃密な旅行体験が得られるでしょう。事前に本ガイドで触れた郡上八幡の歴史(城と城下町の成り立ち)や地理(水と山に育まれた風土)、文化(郡上おどりや食・工芸)を知っておけば、現地での感動も一段と深まります。ぜひ予習を活かして、「日本で最も美しい山城」郡上八幡城と城下町の旅を心ゆくまでお楽しみください。

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