Simple is best
今回は、DIGITALIOで社長を務める古谷和幸さんに貴重なお話を伺ってきました。
なかなか聞けない社長のお話、必見です！
自己紹介
ー社長、本日はよろしくお願いします。
古谷：社長って言うのはやめて笑。
みんなからは、古谷さんって呼ばれているから古谷でいいよ笑。
ーそんなラフな呼び方でいいんですか？笑。では、古谷さんお願いします！
では、自己紹介からお願いします。
古谷：はい、1970年生まれで、年は51歳。東京の国立市出身で今もそこに住んでます。入社は2002年の5月で、この会社が3社目です。中途で入りました。大学を卒業してからは金融系の会社を2社ほど経験して31歳でこの業界に入った感じです。ちょうど20年経ちました。
ーこの会社に入社した経緯を教えてください。
古谷：30代に差し掛かかる手前で、もっと色々とチャレンジしたいなぁと。で、当時ネットバブル崩壊など業界的にはあまりいいニュースはなかったんだけど、今後インターネットの時代が来るだろうって感と、ネットベンチャーに関心があり、門を叩いたのが背景です。当時、社名がアクシブドットコムだった頃に入社してまさにベンチャー企業という感じでしたね。ヘッドホンしながら仕事してたり、夕方になるとお菓子食べ始めたり、比較的固い会社で働いていたのでびっくりしたのは覚えてます。ECナビからVOYAGE GROUP、そして今のCARTA HOLDINGSって感じです。
ー何度か社名変更しているのですね。
次に、愛読書などあれば伺いたいです。
古谷：自分の中で影響を受けた本はいくつかあるんですが、今日は2つ紹介したい本を持って来ました。
一つ目は以前、朝会か何かでも紹介しましたが※1「行動を変えるデザイン」という本です。これは、サービスを作っていく上で、必要なフレームや進め方を詳細に解説している本です。行動経済学や心理学などの活用など、個人的には面白く読めたので、みなさんにも読んでもらいたい本です。
もう一つは、10年以上前に読んでいた本で※2「ポジショニング戦略」というマーケティングの本なんだけど、マーケティング以外にも活用できると思っていて、今でもたまに見返したりしています。ポジショニングってその業界におけるポジションじゃなく、人の頭の中の話なんだなって、今でも印象に残っています。
こういった本以外にも漫画とか小説もよく読みます。
ー漫画は最近、どういったものを読むのですか？
古谷：最近は、アニメ化された「スパイファミリー」も9巻まで大人買いしました笑。ドラマ化されたもので言ったら、「ミステリと言う勿れ」も読んでるし、「GIANT KILLING」とかスポーツ系も好きかな。
ー漫画も読まれるんですね！では、学生時代はどんなことをされていたのですか？
古谷：スキーサークルに入っていたので、スキー三昧でした。競技の方もやっていて、大会にも出たりしていました。小学、中学ではサッカーをしていました。スキーは今でもやってますね。
ー学生時代はたくさんスポーツをなさっていたんですね。
古谷：ただ、投げる方の球技は苦手なんだよ笑。
これまでの”挑戦”
ーこれまで、多くのことに取り組まれてきたと思いますが古谷さんの会社での実績や成果等をお聞きしたいです。
古谷：そうだね、自分の実績でいうといくつもの失敗をしてきたので、今日はその話をしてもいい？笑。
ーありがとうございます！
古谷：一つ目は、ECナビ時代、タイアップ広告の企画チーム作って拡販しようってなったんだけど、あまり売れずに一年経たないうちに解散。
次は、buzzmo（バズモ）っていうブロガー集めたインフルエンサーマーケティングの商材を作ったけど売れずに他社へ譲渡したのと、adingo（今のfluct）時代に、ディレクトリ型の検索サービス（SiteList）を作ったり、インドネシアでも検索サービスやろうって海外進出したけど、当時の環境や体制的な問題もあり2年で撤退しました。
あと時代的に早すぎたので言うと、cosmi（コスミ）というDMPも作って、今でいうところのCDPかな、これも自社で運営していくにはコストに対して売りが見合わなくなってきたので撤退の判断をして、サービス自体は他社へ譲渡したり、あと最後は広告主の1stPartyDataを活用したDSPを作ったんだけど、これもうまくいかずクローズしたり。こんな感じで今までいろいろと失敗してますよ。だから、たくさんチャレンジしても大丈夫ってことを伝えたい。
ー失敗にめげずに、たくさんの挑戦をされてきたのですね。では、古谷さんがたくさん挑戦できる理由を教えてください。
古谷：逆に、なんで挑戦しないの？って思う。失敗しても死ぬことはないし笑。
企業の中で新規事業ができることは恵まれていると思っていて、例えば、スタートアップとか自己資本でやるとなると大変です。色々なチャンスの中で会社のアセットが使えるので、そうなると0ベースで挑戦するよりも成功確率は高くなる。そうやって上手く環境を使いながらやれるというのは恵まれていると思っていて、そういうことを、社内だけでなく社外も含めて協力しながらできるのはすごく楽しい。あとは、自分自身でそこに向き合ってやるかやらないか、だね。
ーDIGITALIOで70人もの社員をまとめるのは大変だと思います。なにか、工夫などはされていますか？
古谷：自分一人でまとめようとはあまり思っていなくて、基本的には事業部化して権限移譲する事で、それぞれの事業部でマネジメントできる体制にしてます。DIGITALIO自体は70人いますが、僕は各事業部の責任者と対話する感じで、そこから責任者が自分の事業部でコミュニケーションを取るという形です。縦に組織を大きくするよりも横に広げていくイメージですかね。あまりピラミッド構造にはせずにフラットな組織づくりを意識しています。
ーフラットな組織とは、具体的にどんなことでしょうか？
古谷：自分がイメージしているフラットな組織とは、言い換えると「有機的な組織」で、その逆は「機械的組織」です。有機的な組織では、それぞれがやるべきことを考えて仕事をしていきます。なのであまり、管理とかマネジメントをしない。ルールもあまりなく自由度は高いけど、その分個人や組織に主体性を求めるので難易度は高いと思います。それぞれがちゃんと最善な答えを見つけながら仕事をしていけるような組織を目指しています。
ー最近は、そういった会社が多いのでしょうか？
古谷：階層ではなく、ネットワーク型の組織を目指している会社は、増えているんじゃないですかね。ティール組織もその一つだと思います。
Simple is best
ーなにか、大切にされている言葉はありますか？
古谷：そうですね、Simple is bestかな。
ー素敵な言葉ですね。この言葉を大切にされるようになったきっかけを教えてください。
古谷：普段から影響される言葉は多くありますが、この言葉は昔から心に残ってる言葉で、あくまでも僕自身の解釈としは、単純なものがいいというダヴィンチ的な使われ方もそうなんだけど、自分としてはApple的なシンプルさを求めて、このSimple is bestを意識してます。
Appleの中では「シンプル」というのが一つの価値観として根付いているらしく、iPhoneみたいなプロダクトが生み出されるのも、そういう価値観があるからこそなのかなと思ってます。
ー古谷さん自身も、「シンプル」を大切にされているのですね。
古谷：元々、性格的に複雑なものを構造化したり単純にするのが好きで、人から説明を受ける時も要は何？って結論ファーストを求めちゃうとこともありますね。ここ最近の世の中も、情報とか物事がカオスになっていて何が正しいのか分からないし、情報が多すぎて本質を見失ってしまう可能性があると思ってて、本質を見失って状況を正しく理解できない状態になるということは、その状態で出したアウトプットは、間違いだったり質が悪くなったりする可能性があると思ってるんですよね。
物事をシンプルにして本質を正しく理解すれば、より良いアウトプットができると思ってます。
ー本質をしっかりと理解していないと、業務にも支障が出てしまいますもんね。
古谷：トヨタで、「なぜを5回繰り返す」というのがあって問題の本質を究極に追い求めるからこそ、次の正しい答えが出るんです。
サービスデザインを掲げる以上、シンプルさは大切だと思っています。
社名変更をした思いと心構え
ー社名を変更して変わった心構えについて教えてください。
古谷：社名を変更したのは、VOYAGE GROUPからCARTA HOLDINGSに社名変更したのがきっかけで、そのタイミングでVOYAGE MARKETINGも社名変更しようという事になり、改めて僕らの存在意義や目指したい事などを話し合って”DIGITALIO”という社名にしました。デジタルに強い会社にしたいし、デジタルの力で世の中をよくしていく会社にしたいと思ってます。その為にもブランド力を上げていかないと、とは思っています。
ー社名を変更してから変わったことはありますか？
古谷：さっきも話したようにデジタルに強い会社にしていきたいので、エンジニアの採用をより積極的に取り組んでいます。
ーDIGITALIOとして、これから注力していきたいことはありますか？
古谷：セールスプロモーション（販促領域）により注力したいと考えています。
理由は3つあって、市場環境みると、そもそも規模も大きいし今後さらに伸びていくだろうと感じているのと、内部環境を見てもECナビやデジコなどの販促領域に近しいアセットがあるのでそれが生かせそうなのと、電通グループとも連携が取れ始めてるので、チャンスあるなと思ってます。
ー販促領域に関して、これからどうなっていくと思いますか？
古谷：今よりも、もっとデジタル化が進んでいくと思います。海外からみると日本はまだ遅れてるところもあって、例えばキャッシュレス化もそうですし、コマース領域でいうとEC化率も諸外国と比べて低いので、まだビジネスチャンスはあると思います。
ー業界の中でも差が出てくるのですね。
ーでは、最近なにか関心を持たれているものはありますか？
古谷：小売業者が提供してるアプリは積極的に使うようにしてます。よりよい物を提供したいので良いところ、改善した方がいいことを考えながら普段からできるだけ触るようにしています。
ーその際に気をつけていることはありますか？
古谷：いかに迷わずに目的に達することができるかどうかかな。
社員に対する思いとは？
ー大勢の社員を抱えながら、普段はどのようなことを考えながらお仕事をされていますか？
古谷：働きやすい環境づくりや、チャレンジしやすい環境で働きがいに繋がっているのかなどを日頃から考えています。特にコロナ化において、リモートで働く人や出社する人など、働き方もさまざまになっているので、難しいですよね。
ー働きやすい環境づくりに関して、具体的に「自由」とはどのようなものですか？
古谷：みんな働きやすい環境ってそれぞれ違うと思ってるんですが、意識して欲しい事は、個人もそうでが、チームとしてもパフォーマンスが発揮しやすい働き方や環境ってどうなんだろうって、自分自身で考えてもらって実行してもらいたいなって思ってます。だから全員に、「みんな会社に来なさい！」なんて言うつもりはないです。
ー社長から見て、どんな社員が多いですか？
古谷：自分で何かしらの意思を持ってる人が多いかな。成果を出したい、人の役に立ちたい、貢献したいなど、主体的に動きたいと思っている人。指示待ちの人は少ないと思う。誰もがリーダーシップを発揮できるような組織にしたいですね。
ーこれからの目標を教えてください。
古谷：我々が提供するサービスが広く身近で使われるようになること。その上でデジタル×サービスデザインというコンセプトをもっと社内にも浸透させていきたいです。
ーこれから入社を考えている方に、どんな気持ちを大切にしてほしいですか？
古谷：何かしらのチャレンジをしたい、主体性を持って仕事をしたい、成長したいといったマインドを大切にしてほしいです。
ー社名にも含まれているインプット・アウトプットについて、具体的にどのような社会問題を解決していきたいですか？
古谷：直接的な社会問題の解決には繋がらないかもしれませんが、クライアントの課題を解決することが社会問題の解決に繋がってくると考えています。なので、プロダクトを解決する時にマーケットインとプロダクトアウトというアプローチがありますが、当社では、マーケットイン的な思考で進めたいと考えています。
ー最後に、この記事を読んでくださった方に一言お願いします。
古谷：DIGITALIOだけではなく、CARTAグループ全体で見ても頼もしい人材が多くいるので一緒に働くだけでも刺激になります。そして、事業やサービスを作っていく文化を作っていきたいと考えています。なので、そこに興味があったり共感してくれたりする人がいれば一度話を聞いてもらいたいと思います。