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MeditAppsで作成する咬合のズレない3Dプリント審美デンチャー(ベニアデンチャーの2種類の作成方法)2023/12/30更新済

今回は3Dプリントでのフルデンチャーを製作します。
特に製作過程で咬合関係がズレないように工夫した方法である
ベニアデンチャー」、義歯に審美性向上のための
ベニアを貼る方法についてお話しします。

よろしくお願いします。

今回の内容はモノリシックのフルデンチャーはすでに作成できるものとしてお話しします。
作成方法はすでに公開しているこちらのnoteをご参照いただくか、

DenTruなどの無料・低価格ソフトなどをご利用ください。
また、旧義歯がある場合はそのままスキャンしてモノリシックデンチャーのデータとしてご利用いただけます。

作成するデータ2種類について

今回は、製作工程で咬合がずれないことを主眼に置いて製作します。
作成したいデータは以下の2種類です。

  1. 咬合接触点は全て歯肉色でプリント+審美部位の歯面のみ歯冠色で接着

  2. 歯冠色モノリシックデンチャー+審美部位の歯肉のみ歯肉色で接着

それぞれ写真で見てみると・・・


1の、歯肉色レジンデンチャーに歯冠色ベニアを貼った状態。
2の、歯冠色レジンデンチャーに歯肉色ベニアを貼った状態。

このようになります。

テンポラリー用途なら1.の歯冠ベニアが気軽で、多くの場合コストも
歯肉色レジンが低コストになります。
ただしレジンに長期使用中の咬合力に耐えうる強度がないため
咬耗は覚悟する必要があります。

長期使用・最終補綴としては2.の歯肉ベニアがおすすめです。
思っているよりも審美的で、義歯を外すと真っ白ですが
「お口の中が明るくなった」「清潔感がある」と患者さんから好評です。
歯冠レジンで全体を製作するため強度も十分であり、
何よりも咬合・粘膜の関係がズレることはありません。

2色以上のレジンでプリントし、人工歯と床部分を分けてから接着すると
どうしても接着の浮きがでて咬合がズレることがあります。
今回の内容はそれを回避するための内容になります。


1.歯肉色デンチャー+歯冠色ベニア

作成はMedit Designのみで行います。

作業工程は動画で見ていきましょう。

まずは歯牙充填(穴埋め)を行います。
データに穴があれば処理しておくことでエラーを防止できます。

今回のサンプルデータは上顎フルデンチャーを、Medit i700でスキャンしたものです。

スキャン時間は
スキャンにはパウダー(ポリグリップパウダー)を全面薄く振りかけています。
精度的には十分です。

この同じ義歯を複数種類のスキャナーでスキャンし、偏位を見ました。
スキャンエラーのでた部位は1mm近くのズレがあります(赤)
スキャンエラーさえなければ、0.1mm以下の精度であることがわかり、
3D歯科 個人としては義歯としての精度は十分と考えます。


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無料公開はこちらまでとなります。
完成写真だけで理解される先生も多いかもしれませんが、
実際のCAD操作も確認したい先生は
上のような解説動画付きの有料noteを公開しておりますので、
購読いただけると嬉しいです。
2023年12月31日まで無料公開しています!
2024年1月末まで2500円にて公開させていただきます。

今回は7700文字程度の長文ではありますが、
CAD操作自体はシンプルで、何よりも技工も楽々な義歯製作方法です。
ぜひ臨床にご活用いただけますと嬉しいです。

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