宇宙ベンチャー社長に聞いた!ビジネスを生み出すアイデアとは?
「宇宙に価値を」をビジョンに掲げる株式会社DigitalBlast。
成長産業として宇宙ビジネスに注目が集まるいま、事業を通じてどのような価値創造を目指しているのか、代表取締役CEO 堀口真吾が語ります。
こんにちは、日本唯一の宇宙ビジネス×デジタルコンサルベンチャーDigitalBlastのnote編集部です。
今回は弊社CEOである堀口が、会社のビジョンである「宇宙に価値を」に込めた思いや、さまざまなイノベーションを生み出してきたビジネスのアイデアについて取材してきました。
かけ合わせで宇宙の価値をつくる
― DigitalBlastが掲げるビジョン、『宇宙に価値を』に込めた思いを教えてください。
宇宙業界の一番の課題は、官主体の事業が中心だったり、大手から下請けへ仕事が流れるスタイルが固定していたりというピラミッド構造がなかなか変わらないことです。
ITの世界ではさまざまなコト・モノとITをかけ合わせて多様なビジネスが生まれていますが、コンテンツとしての魅力がある宇宙も同じようにかけ合わせで価値を生むことができる領域です。そのためには宇宙業界に関わる人を増やすことが必要で、誰が参画してもビジネスを成立させられるマーケットづくりからやっていくという思いを込めています。
ちょっとしたアイデアがビジネスになる
― インターネットの普及以来、いろいろなサービスが生まれましたが、同じことが宇宙でもできるということですね。
宇宙はアイデア次第で何でもビジネスになる可能性がある領域です。
実は、ライフサイエンス実験装置として開発した『AMAZ(アマツ)』は、私が好きなガンダムに出てくるコロニーのミニチュアができないか? と発想したのがきっかけです。思いついてすぐ研究者の方々に意見を聞き、1ヶ月でプロトタイプを作成しました。装置内で3つの重力環境を発生させて微生物やコケなどの植物を育てることができるもので、実験装置としては非常にシンプルなつくりなのですが、宇宙向けのこうした機器が存在しなかったこともあり、特許を取得しています。「宇宙」と何かをかけ合わせる、それだけでこれまでにない価値を作り出すことができるのです。
さらに、こうしたものづくりでは材料の準備や試作、設備などの投資が必要ですが、映画や漫画などのエンタメコンテンツはある一人の作者やプロデューサーのアイデア・着想が大きなビジネスに育っています。製造業より元手が少なく挑戦できるわけですから、こういったエンタメ領域にも大きな可能性があると考えています。
― AMAZがガンダムからインスピレーションを受けていたとは意外です! 宇宙はSFと相性がよさそうなジャンルですが、オススメはありますか。
漫画だと『MOONLIGHT MILE』(ムーンライトマイル)ですね。映画は『インターステラー』や『パッセンジャー』、『オデッセイ』、もちろん『スターウォーズ』も好きです。それから、Netflixの韓国ドラマ『静かなる海』もオススメです。
「一番乗り」になることの重要性
― 漫画や映画も事業開発の糸口になっているんですね。堀口社長が仕事をするうえで大切にしていることとは何でしょうか。
宇宙ビジネスでは、「誰でもできることだけれど、一番乗りでやる」ことが重要です。競合が多いレッドオーシャンの市場では、ミスをせず、完成度の高い仕事をすることが求められますが、まだまだ発展途上の市場ではまだ誰もやっていないことに素早く着手する方がいい。社員の皆さんには、思いついたらどんどんやってみる行動力を大事にしてほしいと思っています。
一番乗りになって先手が取れれば、自分のペースで物事を進められます。主体的に働くことができるというのもいい点です。先手を取るための『行動力』は、会社のCREDO(行動指針)にも反映されています。
一方で、お客さまと一緒に価値を創造するコンサルティング事業も私たちの主力事業の一つです。コンサルティングではすべてにおいて先手を取ることは難しいかもしれませんが、その中でも自分がリードできるところはどこか、お客さまの立場に立ちつつ、全体を俯瞰して考えることが大切です。
「新たな結合」でイノベーションを起こす
― コンサルティングやものづくり、メディアまで幅広い事業を行う当社ですが、私たちを一言で表すとどんな言葉になるでしょうか。
あえて言えば、“宇宙を使ってイノベーションをつくろうとしている会社”です。イノベーションとは、異質なもの同士の結合によって新たな価値が生まれることです。異なるものを結びつけるとき、その片方が未開拓市場の「宇宙」であれば、新しい価値が生まれる可能性は高いといえます。
― コト・モノだけでなく、人と人のつながりも、新しいことを生み出しそうです。
DigitalBlastには、多様な専門性をもったメンバーが在籍しています。こうした社内の人材が結合することでも、できることは増えるはずです。先進的なことに楽しんで取り組み、宇宙というマーケットを広げていく会社でありたいと思っています。