広告掲載面の品質と記事品質・クリエイティブの品質
広告の掲載面での品質について、様々なところで議論が多くなされるようになった。
それはそれでとても良い議論なのだが、メディアレップの初期段階から活動している人間から見ると、我々はアドネットワークができ始めた時から「一部のアドネットワークは、一般ユーザーのブログや個人のサイトに出ているので、どんな掲載面に出ているのかわからないんですよ」というアドバイスをし続けてきた。
でも多くのクライアント(や一部の広告会社)からの返事は、
・「(どこに出ているのかわからないというのは理解するが)それでも、こっちの方が安い」
・「効率がいい」
・「値引き率がいい」
だったんですよ。
それで何度も競合プレゼンで「値段」で負けたことか。
それでも時折「御社の提案は割高だけど、何処に出ているのかが担保されているので御社の方を選びます」っていわれた事はあるんだが、多くの場合「もうちょっと値引きしてくれない?」という条件がついた。でも「ああ、わかってくれる人もいるんだ」ととても嬉しく思った。
でも、あの時に「どこに掲載しているのかわからない広告商品に大切なブランドを任せることはできない」と、どうして多くの人が言わなかったのかと思うんですよ。
あの時に、何処に掲載されるかわからない広告商品に対して、広告会社、広告主の両方でNoと言っていたら、今はどういう状態になっていたんだろうか?って。
そして今、メディア記事の自動生成や広告クリエイティブの自動生成で同じことが繰りかえされるような気がしている。
広告の効率偏重の思考が広告掲載面のさらなる品質低下を引き起こし、それがメディアの収益を直撃し続けて記事制作のコスト削減から記事の自動生成が進み、それがまた広告掲載面の品質低下に拍車をかける。そしてそんな掲載面への掲載コストを下げるために広告クリエイティブの自動生成が進み、広告クリエイティブの品質低下を起こすんじゃないかと思えて仕方が無い。
やっぱり”ROAS(Return of Ad Spend)の呪文を唱えながら、自分の身を削る沼に落ちていく”しかないのだろうか。