採用時に経験者にこだわっていないわけ
中途採用の場合、業務の経験者として仕事の前提を共有するだけで即戦力として活躍していただけるというのはとても理想的です。受け入れをした部署でも、細かいOJTをする必要がなく、そのまま仕事をお渡しできそうな感じ(実は全くそんなことはないのですが)のする経験者採用って魅力に感じるのが普通かと思います。
でも、実は私の行っている採用では「経験者」にはまったくこだわっていません。
なぜなのか?
ぶっちゃけていうと、「新しいことをやっていこうとするときに、過去の同様の経験はまぁ役に立つけど無きゃいけないものでもない」って言うことにつきます。
もちろん、新しいビジネスやマーケティングプランの提案を進めていくためには今までどのようなことが行われてきたのか?と言うことを知っておくことは大切です。 基本的なマーケティングや広告の事を理解することはもちろん、マーケティング論の変化を俯瞰的に理解しておくことだって大切です。新しいビジネスやマーケティングプランというのは常に過去の実績の上に成り立つものです。(Googleスカラーのページには「巨人の肩の上に立つ」と書かれているくらいですし)
でも、新しいビジネスやマーケティングプランを考えていくためにかならず過去の業務経験が必要かと言われると(これ業務経験というところが味噌ですね)、過去の業務経験や知見は過去の社会環境からみて過去のその時点において最良のものであったかも知れませんが、それが将来も最良でありつづけるのかと言えばそうとは限りません。
つまり、過去どのようなプランニング事例があったのか?それを知っていくことは大切なのですが、社会環境も、競合状況も、消費者マインドや世論やブームは常に変化していますので、過去のプランニング事例がそのまま使えるかと言えば、それだけでは現在のプランとしてフィットしないことの方が多いでしょう。
逆に、過去の成功事例にとらわれてしまって常に最良のものを求めていく事が億劫になってしまっては元も子もありません。もちろん経験者の方がすべて過去の成功体験にとらわれていると言うつもりは全くないのですが、わりとバリバリといままで成果を出してきた方ほど自分のやり方や方法論を変えたくないと思ってしまう傾向はいろいろなところで見てきました。
であれば、過去の経験にこだわり「未経験者」と言うことだけでその扉を閉じてしまうのではなく、「やったことないけど、新しいことしてみたい」「やったことないけど面白そう!」と言う人の中からこれから苦楽をともにしていく人を探した方がいいんじゃないか、と考えているのです。
個人的には「好奇心が旺盛である」というのはマーケティングの仕事をしていく上ではとても大切な要素だと考えています。 また、好奇心があるからこそ新しいことでも積極的に本や資料を探して学んでいく事ができますし、そして学ぶだけではなく実際に計画を立ててやってみる(チャレンジ)していくことが出来るのだと考えています。
ただし、「やったことがないけど面白そう」と言うことを実際にやるのは、かなりつらいことも多いのは確かです。だって、やったこと無いことですから、どうしても失敗することも多くなります。面白そうと思ったものの、学び始めたら全然理解できないということもあるでしょう。実際、生半可な心構えでは、途中で挫折してしまうこともあるかもしれません。
でも、好奇心を満足させようとすることって(結果として失敗しても)とても楽しいですよね。
これが、私が採用の時に「経験者」にこだわっていない理由です。
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