「ディグディガ」元ネタ紹介:5.5話
これは、漫画「ディグインザディガー」5.5話公開に際して、原作の栄免建設と漫画担当の駒澤が淡々と元ネタ紹介をしていくコーナーです。
前半:栄免建設(原作)
◆James Brown - In the Jungle Groove
ファンキー・プレジデント、James Brownの1969~1971年リリースの中から、選りすぐりの曲を集めた編集盤。選曲はCliff Whiteが担当。
ファンクの生みの親として有名なJames Brownだが、ヒップホップのサンプリングネタとしても知られる。英国のサンプリング元ネタ検索サイト「WhoSampled」にも、世界で最もサンプリングされたアーティストと認定されている。彼についてはKindle Unlimitedにある「ファンクの歴史(上): ファンク誕生編」に詳しい解説が載っているので、Unlimitedに入ってる方は是非読んでみてほしい。僕もすごく勉強になりました。
日本でも「Get Up (I Feel Like Being a) Sex Machine」の歌詞を変えたCMが
放送されていたので知っている人が多いと思う。あと、細野晴臣がテクノバンド・FRIENDS OF EARTHで本人を招いたエレクトロカヴァーをしている。
今回は「溝からドラムブレイクを見つける」という内容だったので、ドラムブレイクならこのアルバム!と思い選盤。Sex Machineでも演奏しているClyde Stubblefieldのドラム、超ド定番のブレイクビーツ元ネタ「Funky Drummer」および、ボーナストラックにそのブレイクがループされた楽曲が収録されています。是非チェックしてみてください!
ジャズドラマー、Billy Hartの1985年録音作品。リーダーアルバムの制作前にはWes Montgomery(1.5話登場)のサイドマンを務めたり、Herbie Hancock(5話登場)のレコーディングに参加、McCoy Tyner、Stan Getzとの共演などジャズ・シーンの最前線で活動していた。
現在はMark Turner、Ethan Iverson、Ben Streetと共にBilly Hart Quartetとして活動している。最新作はECM Recordsよりリリース『One is the Other』。
「四季乃がジャケ買いする」という設定なので、大手レコ屋でジャズやソウルの棚を全部見て、一番インパクトが大きかった作品を選びました。
ビートのサンプリングは1曲目「Duchess」の冒頭から。並びかえてJames Brown - Funky Drummer のブレイクを刻まずに乗せてみました。
後半:駒澤零(漫画)
今回マジで入れようがなかった。こんな時もあります。
◆Perfume - 未来のミュージアム
ポーズ参考にしてます。格闘したけど丸々サンプリングはできなかった。
ちょっと改変してるけどエアマックスです。この靴といい、CRAIG GREENコラボのアディダスといい、柔らかなトゲのついたスニーカー好きかも。
インポートブランドコラボのスニーカー、メンズだと普通に26~29cmとかだったりして最初からサイズがないので泣いている。ちなみに当方25cmのため、レディース(大体24.5まで)もサイズないです。もー!!
◆やくしまるえつことd.v.d - Blu-Day
栄免さんと「目のジャケないかな~」という話をしていた時に提案してくださった1枚。(自分はセカオワとか出してた)ただ、やくしまるさんは私のが詳しいそうなので解説は駒澤が書くことになりました。お手柔らかに。
やくしまるえつこと言えばおそらく、カルト的人気を誇るロックバンド「相対性理論」ボーカルとしての活動か、『輪るピングドラム』『荒川アンダーザブリッジ』など数多くのアニメ主題歌のどちらかが思い浮かぶと思う。
美術の人間だと金沢21世紀美術館コレクションの音楽/インスタレーション作品『わたしは人類』が浮かぶかもしれない。”人類滅亡後の音楽”をテーマに、音源と遺伝子組換え微生物で構成されたこの作品は世界最大の国際科学芸術賞「アルス・エレクトロニカ」の2017年度グランプリを受賞した。
科学者の父を持つやくしまるは、2006年より真部脩一が率いるバンド「相対性理論」として活動を始め、ティカ・α名義で作詞・作曲にも携わるようになっていく。2009年にはソロ名義を始め、現在まで坂本龍一、鈴木慶一、近田春夫、高橋幸宏、栗コーダーカルテット、大友良英、ジム・オルーク、菅野よう子……と数々のアーティストと共作・共演を果たしている。
参加ユニットや編成が多数あることも特徴で『輪るピングドラム』主題歌「ノルニル」「少年よ我に帰れ」をリリースしたときの<<やくしまるえつこメトロオーケストラ>>、『四畳半神話大系』ED「神様のいうとおり」リリース時の<<いしわたり淳治&砂原良徳+やくしまるえつこ>>編成など。プロデュースや制作陣などを入れると書ききれない量になってしまうのでこのあたりで割愛するが、タイアップのたびに大物アーティストとコラボしてはモンスター級のポップソングをドロップし続けている。
<<やくしまるえつことd.v.d>>もその一つ。itoken&jimanicaのドラム・デュオ+映像作家の山口崇司のトリオ「d.v.d」にやくしまるを加えた編成だ。
初作にして現在唯一の作品である『Blu-Day』は8曲入りのCDと、山口制作の3曲の映像DVDという2枚組。やくしまるの歌声が孕むポップ性と複雑なリズム構成、コラージュの多用によって独自の世界観を構築している。
本作はほかのやくしまる作品と比較して「語り」「声」の比重が大きい。「ARPS」「時計ちっく」など声を素材的に捉えた実験的トラックが並ぶなか、ゲーム音楽ライクな「いただきMr.Blanc」があったり、「勝手にアイザック」のようにP-MODELを彷彿とさせるニューウェーブサウンドだったりと、後半に向かうにつれて振れ幅が微妙にあるのも特徴だ。
楽曲によって方向性が結構変わるため文章で説明しづらいのだが、気になった方はぜひ一度通して聴いてみることをお勧めする。
映像でもたびたび登場する光を発する"9次元"楽器「dimtakt」や、動きで音や映像・照明をコントロールする装置「YXMR Ghost“Objet”」など、オリジナル楽器で行うインタラクティブなパフォーマンスも一度は調べてみてほしい。「dimtakt」の製作はPerfumeの演出やOK Go「Obsession」のMVで知られる真鍋大度(ライゾマティクス)。Perfume「Spending All My Time」のMVガジェットなどを制作してる人です。つまり最高って話なんですが。
ボーダーレスな活動とあまりメディア露出をしないことから知名度のわりに知られていないことも沢山あると思いざっくりとまとめてみたが、どうだっただろうか。気になった人は公式サイトや、みらいレコーズのYouTubeを見ると結構わかりやすいと思う。栄免さん、解説こんな感じでいいですか?
今回のプレイリストはこちら。
以上、ディグディガ5.5話の元ネタ紹介でした。ありがとうございました!