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「ディグディガ」元ネタ紹介:第12話
これは、漫画「ディグインザディガー」第12話公開に際して、原作の栄免建設と漫画の駒澤零(と、たまにゲスト)が淡々と元ネタ紹介をしていくコーナーです。
原作担当:栄免建設
西池袋に位置する中古レコード店。レコードのみではなく、CDや本、VHSも取り扱っている。置いているジャンルが幅広いのが特徴で、他では見かけないようなレコードがたくさん見つかるため、掘るのが非常に楽しい。
ちなみに今回オチに使った「面白プロ野球 ファン応援合戦」は、300円棚から掘り出しました。結構充実してるので、格安レコードを求める方も是非。
各種SNSで逐一入荷したレコードを紹介しているため、アカウントをフォローすればお目当ての入荷をいち早くチェックできるかも!
ザ・ビートルズ / ザ・ビートルズ LP入荷🎉
— ココナッツディスク池袋店 (@C_C_N_D_IKB) March 7, 2022
ホワイトアルバム。赤盤丸帯付!
ピンナップ+ポスター付属完品です。 pic.twitter.com/gq7fVVvmur
もちろんWebサイトからも購入可能。ココナッツディスクは他にも、江古田、吉祥寺に店舗があります。機会があればそちらも伺いたいです!
Twitter / Instagram / 公式オンラインショップ
◆Dry & Heavy - Mr.Blue Flame
日本を代表するDub・Reggaeリズムコンビ「Dry & Heavy」のEP。
Dry & Heavyは、ドラムの七尾"DRY"茂大とベース秋本"HEAVY"武士による日本のDub・Reggaeを代表するリズムコンビ。この二人を中心に90年代から2000年代にかけてLIKKLE MAIや井上青など現在でもソロで活躍するアーティストをメンバーに入れバンド活動を行い、日本はもちろん海外での評価が高い。
今回取り上げたレコードは2ndアルバム『One Punch』(名盤!)に収録されなかった楽曲とバージョンが収録されており、特に「Bass of Ace」はかなり過激にエフェクトをかけた非常に攻撃的なアレンジとなっている。
Dry & Heavyのレコードをレコ屋で見たことはあったが、この手のシングルEPを見たのは初めて。そのため、かなり興奮しながら購入した。作中で言及した通りサブスクでは聞けない楽曲が入っているので、興味のある人は是非探してみてほしい。
Dry & Heavyは本作リリース後、2001年のフジロックで秋本武士が脱退。まもなく編成を変えてアルバムをリリースし、脱退した秋本は若手と結成したTHE HEAVYMANNERSや、のちに世界的DubstepアーティストとなるGoth-Tradとのユニット「REBEL FAMILIA」として活動。
個人的に僕はこのREBEL FAMILIAから多大な影響を受けてて、もしかしたら一番好きなAmenBreakが使われた楽曲は彼らの曲かもしれない。
それぞれの道を歩んだかに見えるDry & Heavyだが、2010年に再び七尾茂大と秋本武士のオリジナルチームで再活動。
このライブ映像ではドラム、ベース、ダブワイズのみ、という現在のストイックなセットが見れる。自分も昨年末にライブを見に行きました。
◆Red Hot Chili Peppers - One Hot Minute
世界的人気バンド、Red Hot Chili Peppersの6枚目のアルバム。
今回レッチリのBootleg盤が登場し、かつ、来月に新作リリースということで、ミクスチャーロックとしての側面から本アルバムをチョイス。
Red Hot Chili Peppersは80年代に結成、現在も第一線で活躍するロックバンドで日本での通称は「レッチリ」。Funk や Hiphop を取り入れた音楽性で高い人気を誇り、ウォール・ストリート・ジャーナルの「史上最も人気のある100のロックバンド」にて13位をマーク。
僕がはじめて自分のお金(といってもお小遣いですが…)で購入したCDは、2006年に発表された9thアルバム「Stadium Arcadium」だったりします。きっかけは収録曲の「Dani California」がデスノートの主題歌だったこと。
来月に6年ぶり、ギターのジョン・フルシアンテ参加では16年ぶりのアルバム「Unlimited Love」をリリースする。本作はジョン・フルシアンテが脱退しデイヴ・ナヴァロが加入して制作された唯一のアルバムで、作風も他の作品よりハードロック寄りの内容になっている。
◆Red Hot Chili Poppers - By the Way (House Mix)
所謂ホワイト版で情報が一切記載されていないため確信がないのだが、どうも ≪Dirty Trix≫ というロックバンドのBootlegをリリースするレーベルから出たものらしい。
本作はジョン・フルシアンテが復帰し、大ヒットアルバム『Californication』を出した直後にドロップされた楽曲「By the Way」が元となっている。
今回取り上げた 「Red Hot Chili "Poppers"」では、先ほど紹介した「Dani California」の Bootleg House もリリースしているようだ。かなり気になるのでまた探してみようと思う。
◆みのもんた - 面白プロ野球 ファン応援合戦
阪神タイガースの応援団と他の球団の応援合戦を収録したLP。
球場で野球観戦をすると、応援団同士が煽りあってるのがよく観られる。このレコードはその様子を収録したもの。ナレーターとして、「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」のナレーターを担当していたみのもんたが参加。
野球はやったこともあるし、好きなスポーツだけど、まさか応援合戦を収録されたレコードがあるとは思わず。取り上げるというよりかは、個人的に気になって購入したレコードだったりします。購入後に電気グルーヴ「密林の猛虎打線」でサンプリングされていることを知りびっくりした。
調べたら他にもありそうな気はしますが、非常に面白いレコードなので、見かけたらぜひ一度聞いてみてほしい。いつかイベントでかけてみようかな…
◆Various - Jugo De Pina
70年代にメキシコでリリースされたコンピレーション。
1950年代から活動するペルーのコンフント、Los Pacharacos の楽曲などを収録したジャケからわかるように、南米の陽気な楽曲が楽しめる。実は元々12.5話で四季乃にサンプリングしてもらう用として購入したものだったのだけど、別作品を取り上げることになったので、12話での掲載となりました。
こちらもサブスクにはなし。
漫画担当:駒澤零
今回は1話ぶりに地元・池袋が舞台で嬉しかったです!
一時期ココナッツディスク江古田店の近所に住んでいたこともあって、結構思い入れのあるレコ屋さんだったので、取材に行けて楽しかったです。
◆細野晴臣 - アンビエント・ドライヴァー
はっぴいえんど、YMO、ティン・パン・アレーと、時代を象徴する音楽を作り続けてきたベーシスト・細野晴臣のエッセイ集。2006年刊行され、2016年には文庫化もされている。
実際に店頭に置いてあって印象的だったので描きました。解説がTOWA TEI、帯文が小山田圭吾というお馴染みの布陣も嬉しい。
◆Amaro Freitas - Sankofa
Amaro Freitas は1991年生まれのピアニスト。ブラジル郊外で教会のバンドリーダーをしていた父の指導下で、12歳から演奏を始める。幼少期から才能の片鱗を見せつつも、経済的事情で音楽学校を中退。しかし15歳の頃にチック・コリアのDVDを観て衝撃を受け、ピアノの道を歩む決心をしたそう。
たしか白紙の2021年ベストから「Ayeye」を知って、漫画執筆中もあまりに大好きでひたすらリピートしていたので、今回取り上げてみました。
Sankofa(サンコファ)とは、ガーナのトウィ語で「回収する」を意味する言葉、およびガーナの記号 "アディンクラ" で後ろ向きの鳥を描いたシンボルのこと。通常お決まりのハート形で表される。AmaroはNYのアフリカン・フェア出演時にローブに描かれたこの記号を偶然発見し、アルバムのコンセプトとしたそう。リリース時のインタビューでは「奴隷制度以前の黒人の歴史には、古代の哲学が豊富にあり、私たち民族の歴史と強さを理解することで、私たちの願望や夢、希望がどこから来るのかを理解することができるようになる」と語っている。
黒人奴隷としてブラジルに連れて来られるものちにニューヨークへ逃れ、そこで読み書きを学んだという Mahommah Gardo Baquaqua をテーマにした楽曲「Baquaqua」、"ブラジルの声"の異名を持つソングライター・Milton Nascimentoへと捧げられた 「Nascimento」と、黒人文化とジャズのエッセンスが融合した楽曲群はどれも必聴。トリオとしても活動する ベースのJean Elton、ドラムのHugo Medeiros と作り出すアンサンブルは緻密ながらグルーヴに満ちていて、本当に素晴らしい。
◆Money Mark - Push the Button
これはココナッツディスク江古田店に実際にあったレコード。
Money Markは 日系アメリカ人の父とメキシコ系アメリカ人の母の間に生まれる。14歳の時にピアノ演奏と作曲を独学で始める。大学卒業後、ハリウッドの舞台装置を制作する会社に就職し、のちに大工として独立。Beastie Boys から自宅改修の大工として仕事を依頼されたことをきっかけに、彼らのアルバム『Check Your Head』にキーボーディストとして参加。その後、自らが全楽器を演奏した1stアルバム『Mark's Keyboard Repair』を1995年にリリースし、全英チャート入りもする。
本作『Push The Button』は、1998年に発表した2ndアルバム。全英17位のヒットを記録し、シングルカットされた「Hand In Your Head」はチャート40位を記録した。収録曲「Push The Button」は、AppleのiMacのCMに起用。
私が彼を知ったきっかけは、新しい学校のリーダーズが88risingからリリースした激ヤバシングル「Pineapple Kryptonite」がきっかけ。この曲の作詞/作曲に "Mark Ramos Nishita" 名義で参加しているのが、このMoney Markだったのです。
88rising はアジア系のアーティストを多く取り扱うアメリカのレーベルで、韓国の新鋭ラッパーKeith Ape、中国人ラッパー集団Higer Brothersなど個性豊かなアーティストが所属してます。
tofubeatsが紹介してる記事を見つけたので貼っておきますね。
◆King Crimson - 太陽と戦慄
栄免さんの取材日に行けなかったので詳細は知らないのですが、店内にあったクリムゾン表紙の「ストレンジ・デイズ」をぜひ描いてほしい、とのことで今回わかりやすい位置にあえて配置して描きました。
というのも、実は年賀絵でこっそりと"太陽と戦慄"しているのです。
あけましておめでとうございます! pic.twitter.com/9qIv4DlDf6
— ディグインザディガー【公式】 (@diginthedigger) December 31, 2021
『太陽と戦慄』は、1973年に発表されたKing Crimsonのアルバム。原題 “Larks' Tongues in Aspic” の直訳は「雲雀の舌のゼリー寄せ」。これは中国の古い宮廷料理の名前で、パーカッショニストの Jamie Muir が同題の曲のイメージとして語った物を、バンドのリーダー・Robert Fripp が音の並びがよいと曲名として採用した。
『太陽と戦慄』は日本盤独自の邦題で、2002年に日本の音楽雑誌「クロスビート」の編集者インタビューの際、"太陽と戦慄” を英語に直訳したタイトルを言って本人に通じなかったというエピソードがある。2012年、40周年記念としてライヴ音源などを追加した限定盤ボックス・セットが発売された。
収録曲「Easy Money」は、2007年トヨタのCMソングに使われたことも。
今回のプレイリストはこちら。
以上、ディグディガ12話の元ネタ紹介でした。ありがとうございました!