海外出張(旅行?)完全準備マニュアル - クレジットカードを超えるFinTechを活用しよう!
実に1年9ヶ月ぶりに海外に来ています。
その期間に世の中は色々なことがアップデートされているのですが、その最たる例が「決済」かもしれません。
もうすでに今回の出張で10日ほど過ごしていますが、現金は高速道路のサービスエリアのトイレの利用料以外で使っていません。これは今に始まったことではなく、ここ数年は現金を使う機会は限りなく少なくなりました。
しかし、今回はさらなるアップデートというかブレイクスルーがありました。それは決済分野のFinTechサービスの利用です。
WiseとRevolutを利用してみた!
2021年11月現在、日本で利用できる決済分野のFinTechサービスの代表的なのは、WiseとRevolutの2社です。2社ともデビットカード(事前に日本円で入金した残高をカード決済で使えるサービス)を提供していて、今回はこれを利用してみました。
同じ期待値のサービスかつ国内事業者提供のものであればUPSIDERが候補になりますが、「上場のための法人カード」とうたわれていて、中小企業には敷居が高いのかな。。。と
為替レートが格段に有利なWiseとRevolut
決済にFinTechを利用する1番のメリットは、その圧倒的な実質決済為替レートの良さです。
一般的なクレジットカードでは、決済の為替レートは「基準レート+外貨取扱手数料」で決まります。
この基準レートはVISAやMastercard、American Expressなどの国際ブランドで決まり、さらに外貨取扱手数料はカード会社(三井住友VISAカード、エポスカード、セゾンカード等)によって異なります。
クレジットカードの話で言えば、基準レートはMastercardが微妙に良さそう。外貨取扱手数料は1.60〜2.20%のレンジでカード会社次第ということみたいです。
一方でWiseとRevolutは、ごくごく僅かな両替手数料(もしくは基準レートの差)が生じるだけで、外貨取扱手数料が無い分かなり有利なレートで決済されます。
とある日の実質決済レートの比較です。
Wise:129.417 JPY / EUR
Revolut:130.024 JPY / EUR(比較日が週末の為+1%の週末手数料が発生)
三井住友VISAカード:132.858 JPY / EUR
為替レートに関して言えば、もうWiseとRevolut以外使う理由はないレベルですね。
海外では大活躍!コンタクトレス決済に対応
これもここ4−5年の話だったと記憶しているのですが、ヨーロッパではVISAやMastercardのコンタクトレス決済がかなり普及しています。
日本ではオリンピックを機にコンタクトレス決済が普及したはず…だったのですが、先行する交通系ICやiD、QUICPayなどの弊害か、コンタクトレス決済が使えるはずなのにお店の人が知らないっていうこともあり、まだまだマイナーです。
クレジットカードの対応も徐々にはじまっていて、カードの更新のタイミングでコンタクトレス決済に対応しているものもありますが、手持ちのカードすべてがコンタクトレス決済に対応するのはもう少し時間がかかりそうな雰囲気です。
WiseとRevolutが発行するデビットカードは、もちろんこのコンタクトレス決済に対応しており、めちゃくちゃ便利です。
滞在中のフランスだと、コンタクトレス決済が使える上限が50€までという制限がありますが、スーパーや高速道路のサービスエリア、飲食店での昼食、高速道路通行料などコンタクトレス決済で支払えます。
不特定多数が触れるカード決済端末の暗証番号入力をスキップできるのもいいですよね。
アプリ連携でセキュリティも万全
WiseもRevolutもデビットカード(要事前入金)ということで、不正利用に関する手厚い保険があるクレジットカードよりも心配という意見もあると思います。
不正利用時には問題を報告してチャージバックなどの手続きをとってもらうなども一応可能なのですが、それよりもはるかに強力なのは、手元のアプリでカードを即座に凍結できることです。
そもそも使用履歴もほぼリアルタイムでアプリで確認できる(通知もされる)ため、不正利用されたとしても早い段階で気づくことができます。
Wiseデビットカードは、アプリの設定でATM出金・オンライン支払・暗証番号決済・コンタクトレス決済・磁気ストライプ決済のどの支払方法を許可するかの選択ができるため、スキミングなどが心配な場合は磁気ストライプ決済を使用不可にするなど細やかな設定ができます。
Revolutの良さは、オンライン用にワンタイムカード(1回しか使えないカード)やヴァーチャルカードの発行ができる点や物理カードの場合はアプリの位置情報と違う場所で決済された場合にブロックする機能などです。
デビットカードなので使えない支払先もある
強力なメリットばかりのWiseとRevolutですが、デメリットもあります。これは日本国内のデビットカードでも同様なのですが、与信枠を事前に確保する方式の支払先には使用できない場合があります。
具体的にはレンタカー料金やガソリン代などですね。こうした場合に備えていくつかクレジットカードを持参しておく必要はあります。
お得なクレジットカードの世界は奥深い
どのクレジットカードがお得なのか…という話題は実は相当なコンテンツがweb上にも存在するくらい奥深いテーマです。旅行好きならマイルが貯まりやすいカード♪のようにライフスタイルとかも関係します。
一方で法人で使うビジネスカードとなると選択肢は限られます。先にあげたUPSIDERは気になる存在ですが、中小企業でも比較的発行しやすく、年会費も手頃で、ポイント還元率もそこそこ良いという意味でオススメがオリコカードの「EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)」です。
早い段階からコンタクトレス決済に対応したカードを発行してくれているのも好印象。
ヨーロッパでは使いづらいですが、国内等で決済額が多い場合は、セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスカードもJALマイルが貯まりやすいということで人気ですね。
宿泊費・ガソリン代など経費区分ごとにカードを分ける
これは直接的にWiseやRevolutなどのFinTechと関係ないのですが、海外出張で困ることといえば経費精算です。
印刷の薄いレシートとカードの利用明細を見比べながら、何の支払だったかな…と思いを巡らす時間は、何の付加価値も生みません。
これを最短で済ませる方法は、経費区分(勘定科目)ごとにカードを分けてしまうというやり方です。
あとは、レシートを経費区分(勘定科目)ごとにまとめておけば経費精算があっという間に終わります。
次回はRevolut Businessを使ってみよう
今回、Wiseデビットカードは、法人アカウントで発行したカードなので経費精算対象の支出のみに使用しています。一方で、Revolutは個人アカウントで申し込んだカードを使っており、これは私的な支払にのみ使用しています。
このnoteを書くために確認したところRevolutでも法人アカウントが申し込めそうなので、次回はRevolut Businessを使ってみようと思います。
Wiseデビットカードは1ユーザーにつき1枚しかデビットカードを発行できないのですが、Revolut Businessだと2枚まで発行できるようなので、経費区分(勘定科目)ごとにカードを分けるのに便利そうです。