デジタル田園タウン研究会_第2回(20221013)
デジタル田園タウン研究会(第2回)を開催(Zoom)しました。
当日の研究会の概要をご紹介いたします。
概要
日時:2022年10月13日(木)13時~@Zoom
参加者(敬称略):狛江市(東京)、矢吹町(福島県)、三菱商事、読売新聞、コミクリ、フューチャリズム
第2回アジェンダ
次のアジェンダで進行を行いました。
・各自治体が抱えるのDX推進上の課題
(フリーディスカッション)
・講演:黒田育義氏(PwCコンサルティング)
「スマートシティにおけるデータ連携基盤の役割」
・質疑応答・ディスカッション
・今後予定
各自治体が抱えるDX推進上の課題感について共有
矢吹町の課題
住民の合意形成について。会津若松市の取り組みでは住民説明会の参加率もよくなかったとの事。
裾野市では、住民の合意を得られなかった為にスマートシティ取り組みを中止した。住民と企業の意識齟齬に実証実験で気付いた。
兵庫県加古川市では住民参加型のワークショップを開催し、理解を深めたとの事。(狛江市)
学校活用として自治体で学生向けプログラミングコンテストを開催し、成果を町に生かす事で住民の関心を集める方法も考えられる。(黒田)
住民ニーズを聞いて、それに沿うような取り組みを行うのが良い。
高校生向けのワークショップを実施し、若い世代との接点を持つ。
ネットワークについて。自治体は特殊なネットワーク構成になっている為、正しくデータ連携できない事もあるのではないか。
個人情報について。マイナンバーを個人情報の基盤として利用できるのか。
狛江市の課題
職員がDX取り組みについて、自分事と自分事に落とし込めていない。直近の作業が増える事にマイナス意識をもっており、新しい取り組みにチャレンジできていない。
矢吹町では頻繁に本部会議を開いて、全体を巻き込むような組織づくりを進めている。(矢吹町)
各地のユースケースを研究会を通して学んでいきたい。(狛江市)
三菱商事からの民間視点での各自治体のDX推進上課題
データの利活用、ユースケースづくりについてまだ前例が少なく、説明も難しい。
黒田氏(PwCコンサルティング)ご講演
黒田育義様(PwCコンサルティング)に「スマートシティにおけるデータ連携基盤の役割」について講演をお願いいたしました。
以下講演の概要です。
スマートシティとはsociety5.0の先行的な実現の場。society5.0は人間中心の社会とその実現に向けた一連の取り組み。
スマートシティ実現の為の3要素
サイバー/フィジカル空間をまたいだデータの取得。センサー技術により実現
ビッグデータをAI活用による高度な分析。
パーソナライズされたサービスを提供。
都市OSとは
スマートシティ実現の為に地域が共通して活用する機能の集約。
・相互運用
・データ流通
・拡張容易性
スマートシティの発展に合わせて拡張。データ連携基盤とは
都市OSの内、データ連携層、API管理・公開といった機能層の一部を切り分けたもの。サービスとデータを連携し、住民の利益を創出する為にデータ連携基盤が必要。引っ越しサービスについてAPI仕様がデジタル庁から公開されている。
データ連携基盤の実現方法
・蓄積方式・・・データは基盤に保管し、必要に応じて利用。
・分散方式・・・分散データ連携。サービス間の連携
・実現方式の選択
制約、リアルタイム性、連携システムへの影響データ連携基盤の導入数は年々増えており、令和3年度においては全国で46地域に導入されている。
デジタル庁で引っ越しワンストップサービスを検討中。
データ連携基盤の実現方式
データ連携基盤内にデータを蓄積する方式と、外部データベースや各サービス内にデータを保持し、データ連携基盤を仲介して連携される2方式がある。前者はパーソナルデータ等外部に流したくないデータを扱う場合に優れる。どちらの方式を利用するかはデータの種別、データ提供にあたっての制約、求めたれるリアルタイム性、連携元システムへの影響等を考えた上での判断が必要。
データ提供者→データ連携基盤(都市OS)→データ利用者→サービス利用者
全てが一連の流れの中にある。データ連携基盤のみ意識せず、全体をみて最適な実現方法を模索する事を心掛ける。地域課題は地域ごとに夫々の為、時にはリファレンスや公開されている指針に沿わなくとも、その地域ごとの最適解を探っていく事が重要。
QA
海外でスマートシティ関連で進んている事例は?
・エストニアのx-roadツールを利用した取り組み、欧州発のFiware 等。パーソナルデータ等の機微情報を海外ではどのようにあるかっているのか?
・宿題事項とする。追而ご共有。インターネットと行政ネットワークの相互接続について
・ PwC内に専門的に取り組んでいる者がいる為、確認して追而ご共有。
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