見出し画像

デジタル田園タウン研究会_第16回(20240328)

デジタル田園タウン研究会(第16 回)を開催しました。
当日の研究会の概要をご紹介いたします。

概要

・日時:2024/3/28(木)15:00〜16:30 @オンライン
・参加者:デジタル田園タウン研究会メンバー
・テーマ:ジオロニアの位置情報・GISの取り組み事例
・講師:Geolonia COO 西川伸一氏

ディスカッション(位置情報・GISの活用について)

  • 矢吹町:統合型GISを準備済み。住民向けGIS(矢吹タウンマップ)も準備済みだが、今後データ連携を進めていく予定。特に、防災分野や交通領域、農業DX分野の情報と連携したい。令和4年度に統合型GISを整備・更新済み。都市整備課や農業振興課が主に利用。更新のしやすさ含めて使いやすさ観点で、職員から意見を頂くことがある。

  • 狛江市:公開型と統合型の両方のデジタル地図を整備する事が決定しており、LOD2レベルでのPlateau活用へ注力したいと思料。また、3Dモデルでの延焼シミュレーションや太陽光の発電シミュレーションも取り進める予定。各課にてデータの洗い出しを実施しており、各種データを組み合わせた形で地図データを活用したい。特に、副市長より各部で地図情報の使い方を5つ考えるように指示を頂いており、試行錯誤しながら進める予定。

  • 塩尻市:統合型GISを15年前に導入。職員のニーズと、市民のニーズを満たす使い方を理解するまで5年ほど時間を要した。現在では、地図更新が手間であり課題と認識。消防や病院等の情報と連携できると良い。

  • 行政コストと見合うシステムの構築が重要と思料

講演内容

  • Geolonia社では、政府・自治体、民間企業、大学・研究機関をお客様としてデジタル地図サービスを展開しており、データ活用と地図情報で社会課題の解決を掲げている。社会課題としては、自然災害の頻発化、人口減による労働力の減少が挙げられる。

  • 自治体保有地図は種類が多い点が特徴であり、デジタル地図をスマートシティのハブとして活用したいと考えている。

  • 現状、各自治体では位置情報をエクセルで管理している例が見受けられるが、地図に落とし込めていない点が課題と認識。基盤に位置情報を格納し、地図上に表示し、アプリケーションを構築できる点が強み。

  • 高松市の事例(高松市スマートマップ)では、IoTから取得するデータをリアルタイム連携しており、クリックすると情報が表示される。セイフティーマップにおいては、色分けするのではなく、クリックした地点のリスク内容を表示しており視認性に優れている。市民向けの防災情報サービスではリアルタイムで災害時の情報を地図で届けている。避難所地図に関しては、避難所の開設状況を表示すると同時に、職員間でのチャット機能を搭載しており、時間短縮に貢献。防災関係の課題の解決には地図情報と相性が良いと理解。交通系サービスにおいては、いつくるナビが挙げられる。地元のタクシー企業が出しているAPIを読み込んでおり、オンデマンドバスの移動状況を表示。

  • 本サービスは、オンデマンドバスがどこを移動しているのか分からないとご意見頂き、作成に至る。

  • 予約や観光事業者に地図を提供している点も特徴。試験的に作成した高松市消防アプリでは、自治体や自治体と連携している企業のデータを地図に統合的に表示。建物の避難経路図を手動で登録し、建物内の情報を閲覧可能。

  • また、申請情報を地図で登録すること試みも実施。データ連携基盤とこれら地図サービスの関係として、デジタル地図はデスクトップとして機能する認識。

  • 自治体の方々が自主的に地図データ編集や、データ重ね合わせ地図表示、地図のURL共有等が出来る機能を既に具備しているが、今後は、民間連携を進めていきたい。

質疑応答

  • 質問:地図を使った電子申請は大変興味深い。キントーン等を利用した形で検討しており、システム間の連携も考えている。職員の方はどの様に使う想定か。

  • 回答:複雑な計算等を行うにあたり予算が不足していたことから、実現へ至っていない。特に、Geolonia社はデジタル地図製作に強みがあるが、アプリ開発はまだ得意領域になっていない。

  • 質問:申請は超えるべきハードルが高いことを理解した。

  • 回答:Geolonia社はアプリ製作に強みが無い為、パスコ社にアプリを作って頂きたかったが断れた背景がある。また、アプリ製作は、Geolonia社が取り組まず、その他事業者がアプリを作成して問題ない。キントーンはフォーム作成及び、プラグイン機能を具備しているので申請や台帳をデジタル地図と連記できる為、おすすめしており、キントーン案件もぜひ取り組んで参りたい。

  • 感想:内部業務の地図情報活用は取り進めているが、住民向けのアプリ開発は進んでおらず興味がある。住民が地図情報や位置情報を用いて申請を行う例として、道路の損傷等の道路通報の情報を申請する例が挙げられる。現状はラインで対応しているが、キントーン経由で地図上に掲載することも検討できると考える。

  • 感想:狛江市では、紙・デジタルを含めて地図情報が約208件存在。公開できる情報を公開し、窓口業務を減らすことを目指している。地図情報の活用方法として、文化財の位置情報の地図表示を検討中。文化財が前設されている箇所は工事等の際に対応が異なるため、地図表示することで周知を図りたい。

  • 質問:地図サービス利用における費用感はどの様になっているのか。

  • 回答:自治体様には月間100万APIアクセスがあるまで、安価に定額利用で提供。高松市様の場合では40万円/月で利用頂いている。大企業でご利用頂く場合は数十万円~100万円程度を想定。

以上

いいなと思ったら応援しよう!