デジタル田園タウン研究会発足会_20220908
2022年9月8日にデジタル田園タウン研究会発足会を開催(Zoom)しました。当日の研究会の概要をご紹介いたします。
発足会概要
日時:2022年9月8日(木)12時~@Zoom
参加者:狛江市(東京)、矢吹町(福島県)、金子春雄氏(元塩尻市CTO)、三菱商事、フューチャリズム、読売新聞
当日のアジェンダ
発足会は、次のアジェンダで進行を行いました。
・基調講演:御友重希氏
・質疑応答
・ショートスピーチ:金子春雄氏(元塩尻市CTO)
・今後の活動方針説明(事務局)
御友様基調講演
御友重希氏(前 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 内閣参事官)に「デジ田実現に向けた「地域DX」ソーシャル・イノベーションの最前線」について基調講演をお願いいたしました。
以下講演の概要です
デジタル田園都市構想は自民党の研究会内の提言から発信された。
若宮大臣の考えから、点的な個別の施策を線、面に繋げる事を重視し、3つの不(不便、不利、不安)を解消する事を目指す。個々の施策(パーツ)よりもまち、総体としての価値こそ重要であると考える。まちの暮らし・都市・大学・産業にプラスの変革を及ぼす事を目指す。
基盤などハード面の整備も必要だが、デジタル人材の育成が非常に重要。デジ田甲子園での優勝施策についても人材育成に重きを置いている。KADOの取り組みについてもパブリックにどのような価値を与えるか、またそれが行政だけでなく市民や市外の方によって実現される事が加わるとさらに良い。
自助、公助に加え、共助を育んでいく。大金を稼ぐための単体サービスではなく、成長スピードは緩やかであっても、町の変化に伴って安定的に成長していくようなサービスを作っていきたい。それがZ世代へのマーケティング的な要素を持つ。
デジ田交付金はあくまで最初のキックオフ資金に過ぎない。その後の町とサービスの成長に合わせて全体をマネジメントするグランドデザイン力を持った人材が求められる。
デジ田応援団開催の「頑張る自治体へのイノベーション提案&交流会」は産業・貿易、教育・子育て・福祉、まちづくり・観光、環境・エネルギーといった特定分野(縦糸)、イノベーションを起こす若者(横の糸)をクロスさせ、デジタルイノベーションを早発する為のプロジェクトとなっている。WEB解析士の国際コンペも実施し、これまでとは異なる視点からのオープンデータ解析を進める取り組みも実施。その他、自治体オープンイノベーションイベントやコンペ、パブリックハッカソンを実施している。
若者が作ったメタバース空間を地域メタバースとして一定期間公認する取り組みを進めている。それを表現の場として万博のようなイベントで発表したり、政治的なメッセージに生かしたりと、製作者によって自由に発展させることが可能。
地域メタバースやweb解析などの取り組みを、一連のジャーニーとして起こそうとデジ田応援団では進めている。フィンランドの取り組みを参考に、90day Japaneseを進めたい。
地域DXをプロデュースするようなビジネスプロデューサー、サイバーPRマーケターが必要。後者はSNSに明るいZ世代やyoutuberが適任であり、地域にとってZ世代人材が非常に重要。
メタバース技術は、住民票がなくとも、その地に関係人口を作るカギになる。
デジタルバッジを利用してスキルや認定や評価を行う。裏側でデータ連携基盤を走らせる想定。
質疑応答
Q:
➀子どもに特化したデジ田取り組みを構想中。ブロックチェーン、分散IDを用いて、18歳未満の子どもが街づくりに関して投票できる仕組みづくりを考えている。参考として関連した取り組み事例があればご教示頂きたい。
②デジ田構想について、国としては中核都市以上に目を向けているのではないか。小規模自治体のデジ田構想の進め方、ウェルビーング実現について国の方針はあるか。
A:
➀子どもの選挙に関連して、どのような公園が良いか案を募り、そこからリアルで実現したいアイディアがあれば都市公園局などが実現に取り組むこともできるようなコンペを検討している。Z世代にも馴染みのあるマイクラやメタバースを用いる事が可能。公園という身近なものから市民の考え方がそのまま街づくりに生きるような、新しい民主主義の形になる。18歳になる前の子どもが自分の意見を町に反映させる事ができる貴重な機会であり、教育的な観点からも効果が期待される。
②ローカルハブをテーマに佐賀で官民事業交歓会を実施。人口の多さが重要視される考え方とは異なる切り口の地域創生になっている。その中でスポーツ、コスメ、温泉など多様なテーマでDXが進められ、またそれらにメタバースを関係させる検討が進んでいる。全体を佐賀メタバースとして、Z世代が主体となりPRを行う。¬¬人口が多い事が良いという考え方が蔓延しているが、佐賀の例のように小規模自治体でも、その地域独自のコンテンツを軸にメタバースなどデジタル技術を絡める事でオリジナルのデジ田構想を推進することができる。小規模自治体を束ねて施策を推進していく事はビジネスとしても非常に効果的であり、ぜひ今後も取り組んで欲しい。
Q:
子ども向けコンテンツを考えているが、実際に子どもに参加してもらう為の工夫をご教示頂きたい。
A:
教育は唯一の強制力であり、自治体の教育機関を活かすのが良い。総合の時間等に組み込む事も可能。そこに先程の公園プロジェクトを絡ませる事も考えられる。
金子様スピーチ
基調講演後、塩尻市元CTOの金子春雄氏に、小規模自治体がデジタル田園都市に取組む意義、デジタル田園都市国家構想のあるべき姿について、語って頂きました。
以下、スピーチの概要です。
今のデジ田交付金のスキームは大規模自治体向けになっているが、2/3が10万人未満の小規模自治体である事を念頭に置くべき。
小規模自治体には大規模自治体にない事業推進力がある。首長が良いと思ったアイディアがしっかり実現される。
基盤などのハードだけでなく、インターネット回線などソフトの面でも整備を進めなければならない。
投資効果が早く出るところから順次進めていくべき。教育であれば、子どもは10年もすれば社会人になり、投資効果を発揮してくれるはずなので取り組んでいきたい。
都市OS実現の上で、OSSの Fiware オリオンは簡単に使えて、早く、軽い。何か取り組みたい事があった時に簡単に実現できる。小規模自治体のパイは大きいので、欲しい人はたくさん出てくる。うまく稼働していることを見せながらPRし、地域毎のIDと抱き合わせて提供する。これら取り組みがうまく国の中央に着目され、小規模自治体の取り組みが優遇されるようになる工夫をする。
中央集権的ではなく、小規模自治体のそれぞれが自分達の町を運営できるようにしなければならない。
今後の運営方針説明
デジタル田園タウン研究会の今後の運営方針について、事務局から説明を行いました。主なポイントは次の通りです。
頻度:月1でディスカッション
研究会事務局を設置(三菱商事、フューチャリズム)
noteで情報発信
初期はコアメンバーでの実施、口コミで広げていく
今後取り上げるテーマ(案)
スマートシティリファレンスアーキテクチャー
NGSIv2 REST API 〜Orion Context Broker〜
政府相互運用性フレームワーク(GIF)
小規模自治体にフィットするスマートシティ事例研究
パーソナルデータとデータ取引市場、セキュリティ
自治体Web3.0
ウェルビーイング指標の導入運用 など
以上
今後もデジタル田園タウン研究会に関する情報を発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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