【DIGIDAY Salon #2】動画コミュニケーションの可能性ー全文書き起こし:ネスレ日本 出牛誠 ✕ ONE MEDIA 明石ガクト ✕ AbemaTV 山田陸
動画ビジネスは、現代のゴールドラッシュと呼べるのか?
第2回となる「DIGIDAY Salon」が7月19日、渋谷区のインフォバーン本社で開催された。DIGIDAY[日本版]の有料会員サービス「DIGIDAY+」、本イベントはその特典のひとつとなっている。今回のテーマは、「動画コミュニケーションの可能性」だった。
パネルディスカッションに登壇したのは、ネスレ日本の出牛誠氏、ONE MEDIA(ワンメディア)の明石ガクト氏、そして、AbemaTV(アベマティーヴィー)の山田陸氏。ファシリテーターは、DIGIDAY[日本版]編集長の長田真が務めた。企業は多様化する動画コミュニケーションやクリエイティブと、どのように向き合うべきか? ブランドとメディア、それぞれの立場から意見が交わされた。
本記事では、今回のセッション内容を全文書き起こしでご紹介。読みやすさのため、多少編集してある。
◆ ◆ ◆
動画コミュニケーションの役割
――動画コミュニケーションにはいま、多くの企業が期待を寄せています。しかしその反面、多くのプレイヤーが参入し、生き残るのが難しくなってきているという状況もあります。そんななか、みなさんは動画コミュニケーションにどのような役割を期待しているのか、出牛さんからお伺いできますか?
出牛:はい。まず、全体のコミュニケーションプランが前提としてあるのですが、コンテンツの接触時間がテレビからインターネットにシフトしていくなか、Webを通じて配信される動画の重要度は高まっていますね。やはり我々のようなブランド企業にとっては、ブランド認知に大いに役立っていると思います。
加えて、ネット上の動画コンテンツは、テレビCMよりもできることが多い。たとえば、動画を視聴した人にキャンペーンクイズを出題するというように、認知だけでなく、ユーザーに何らかのアクションを起こさせることもできる。動画を中心とした新しいコミュニケーションが、今後より増えていくのでは間違いないでしょう。
「動画中心のコミュニケーションが今後増えていく」と出牛氏
――新しいコミュニケーションツールとして期待をかけているということですね。明石さんはどうでしょう?
明石:いま出牛さんがおっしゃられたのは、ブランド側から消費者へのコミュニケーションについてですよね。僕や山田さんの場合は、おそらく実感していることは少し違っていて、世間ではよく「テレビは終わった」といわれますが、テレビCMはこの10年でどのくらいシェアが落ちているかというと、実は3%くらいなんですね。一方、広告市場全体はこの10年で3%以上成長しているので、実質的にはほとんど落ちていない。
インターネット広告は伸びているものの、テレビのシェアはそこまで減っていない。裏を返せば、インターネットはまだ、テレビの持つ映像コミュニケーションの力を勝ち取れていないということです。ただ、その構造が崩れるタイミングがもうすぐ来るなとは思っていて、なんでいまかというと、視聴率の取り方がもうすぐ変わるからです。AbemaTVさんはそこを狙ってるのかと。個人視聴率が取れるようになるところに山を張ってるんですよね?
山田:そうですね、それこまでいわれてしまうと話すことがなくなります(笑)。おっしゃるとおりで、テレビがネットにつながれば、視聴率の取り方も、従来のような世帯単位ではなく、個人単位で実施できるようになります。AmebaTVは、「世帯から個人へ」のシフトを使命として掲げていますが、テレビ以外のデバイス、もしくはテレビがコネクテッドすれば、専門の調査会社でなくてもリアルタイムにデータが取得されるようになります。
明石:そういう時代があと数年で来るわけで、インターネットメディアの最後のブルーオーシャンが動画なんです。だからみんなテキストなんかやっている場合じゃない(笑)。
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