スイス大統領、ヨーロッパとの緊張の中ダボスでウクライナの大統領と会談
スイスの情報サイトSWI swissinfo.chは2025年01月22日に、スイスのカリン・ケラー＝ズッター大統領(Swiss President Karin Keller-Sutter)は、ダボスのWEF(World Economic Forum/世界経済フォーラム)でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(President Volodymyr Zelensky)と会談した。
ゼレンスキー大統領は、ヨーロッパを批判していたにもかかわらず、スイスの支援に感謝の意を表した。
ゼレンスキーはドナルド・トランプの就任からわずか翌日の2025年01月21日火曜日、ダボス会議でヨーロッパに対する批判を控えなかった。ケラー＝スッターと会談する前にヨーロッパに警告を発し、会談中も良好な関係を維持した。これに先立ち、EU(European Union/欧州連合)は米国政権に対する姿勢を表明していた。
+サミットの争い：ウクライナ会議は未解決の宣言で終了
2024年06月のビュルゲンシュトック(Bürgenstock)でのサミットに続き、スイスで新たなサミットを開催することについては、具体的なことは何も明らかになっていない。「時期尚早だ。まずトランプ政権下の米国新政権が何をするかを見極める必要がある」とスイス大統領は述べた。
ゼレンスキー：「世界はヨーロッパなしで前進する」
同大統領は午後早く、ヨーロッパについて痛烈な演説を行い、トランプ政権が権力を握った今、ヨーロッパは完全に脇に追いやられる危険があると警告した。
ただし現実は、「世界はヨーロッパなしで前進する」前に「世界はウクライナなしで前進する」
ゼレンスキーは、ヨーロッパは自らを自立して管理することを学ばなければならないと述べた。ヨーロッパは「最前線に立つ」必要がある、さもなければ「世界はヨーロッパなしで前進する」と同氏は付け加えた。 + Inside Geneva ポッドキャストを聴く: 良い和平協定とは?
「ヨーロッパ」を「ウクライナ」に置き換えた方が、現実味は出る。
つまり、「ヨーロッパ」は意識しても、ウクライナは差し迫った必要ではない。
昔、イランの広場で地図を売って、イラン人の子供に、イランはどれだと世界地図で指を刺すように言ったら、迷って太平洋を指さした。
ゼレンスキー大統領も、このイラン人の子供と大差ないと見た。
「トランプはEUの言うことに耳を傾けるのか、それともヨーロッパ抜きでロシアや中国と交渉するのか?」とゼレンスキーは述べた。
一方、トランプは2024年11月に「24時間以内」にウクライナ戦争を終わらせると約束した。この共和党員は月曜日の就任演説でウクライナについて一切言及しなかった。
なぜなら、トランプは同時にゼレンスキー大統領に、バイデンが貸した武器代を返してくれるように要求したが、ゼレンスキー大統領は何も返事できなかった。つまり、ビジネスに対応できないウクライナに、何も言えないのである。
世界中から受けた支援を返す気のないビジネスに、熱意が持てないということである。
バイデンは、元ロシア駐在アメリカ大使館員で、トランプはビジネスマンであり、その違いがわからない人は助けられない。
実に、ゼレンスキー大統領とフォン・デア・ライエン委員長の訴えは似ている。
フォン・デア・ライエンが強いEUをアピールした。
一方、疑念を払拭しようと熱心に取り組んだEC(European Commission/欧州委員会)のウルスラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長は、は、WEFの開会式で「ビジネスに開かれた。」、そして「ゲームのルールを尊重する。」強いヨーロッパをアピールした。
フォン・デア・ライエンが強いEUをアピールしても、ビジネスが成立するか？という大切な答えは見えたのか？
トランプは、ビジネスマンである。
それに気が付かないで、何を訴えても「暖簾に腕押し」である。フォン・デア・ライエンの場合は、発言が、何を訴えても「暖簾に腕押し」である。無視できる訴えが多すぎる。
