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頭脳派の方へ。脳のないボックスクラゲを訓練する方法。をご存知ですか?

Nature Briefingは2023年09月22日に、クラゲを訓練する方法: 脳のないボックスクラゲは経験から学ぶ。
研究者らは、この生物が脳を持たないにもかかわらず、視覚的および機械的な手がかりを使って障害物を避ける方法を学習できることを示したと報告した。

小さなクラゲが、強力な認知能力、つまり連想によって学習する能力を初めて実証した。
中枢の脳はないが、指先サイズのカリブハコクラゲ(Tripedalia cystophora)は、何かにぶつかったときの感覚を視覚的な手がかりと関連付け、その情報を将来の衝突を避けるために使用するように訓練することができるという。

この実験は、19世紀後半に神経学者イワン・パブロフが犬を使った実験(Ivan Pavlov’s experiments with dogs in the late-nineteenth century)で有名になった連想学習(associative learning)と呼ばれる学習の一種を示しており、動物は訓練を通じてある刺激を別の刺激と関連付けることを学ぶ。 オーストラリアのシドニーにあるマッコーリー大学の動物行動研究者ケン・チェン(Ken Cheng, an animal behaviour researcher at Macquarie University in Sydney, Australia)は、「連想学習は現在、認知能力の確かな証拠と考えられています」と語る。
人間から鳥、タコ、さらには昆虫に至るまで、他の多くの動物は連想によって学習する能力を持っている。

「ハコクラゲの発見は、連合学習に中枢神経系、つまり脳が必要ないことを示しているので、非常に重要です。」とオーストラリアのアデレード大学の認知生物学者パメラ・ライオン(Pamela Lyon, a cognitive biologist at the University of Adelaide, Australia)は言う。

スイスのフリブール大学の神経生物学者ガエル・ボットン・アミオ(Gaëlle Botton-Amiot, a neurobiologist at the University of Fribourg in Switzerland)は、「これはすごいことだ」と語る。

ガエル・ボットン・アミオは2023年03月01日に、イソギンチャクのNematostella vectensisにも連想学習能力があることを示す研究を発表した。

イソギンチャクとクラゲは両方とも刺胞動物として知られる生物のグループに属しており、ボットン-アミオットは「連想学習を行うこの能力は、おそらく刺胞動物のツリー全体に存在する。」と考えている。

https://www.nature.com/articles/d41586-023-02975-x
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2220685120
doi: https://doi.org/10.1038/d41586-023-02975-x

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