資源大手リオ・ティント、米国のリチウム生産大手アルカディウム買収

2024年10月8日 17:20

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年10月08日に、イギリスとオーストラリア資本の資源大手リオ・ティント(Rio-Tinto)は2024年10月07日、米国のリチウム生産大手アルカディウム・リチウム(Arcadium Lithium PLC)と買収交渉を進めていると発表した。

これが実現すれば、業界としては少なくとも過去10年で最大の取引となり、リオが原材料生産者として世界最大手となる可能性があると報告した。

リオは提案に法的拘束力はないとしつつ、声明で「更新されるまでこれ以上コメントはしない」と述べた。

イギリスの経済新聞「FT(Financial Times/フィナンシャル・タイムズ)」によると、世界の鉱業界はエネルギー転換に不可欠な原材料を確保するために競っている。特にEV(Electric Vehicle/電気自動車)バッテリーの主要部分にはリチウムが必要とされるが、リチウム価格は供給過剰により今年に入って急落。発表前のアルカディウムの時価総額はUS$33億で、年初から60％ほど下落している。

多くの自動車メーカーは、EVが需要不足で苦しんでいる。

リチウムも需要不足なのだろう。

アルカディウムの株主である豪資産運用会社ブラックワットル・インベストメント・パートナーズ(Blackwattle Investment Partners)は「フィナンシャル・タイムズ」の取材に、買収は「リチウム価格の低迷に乗じる日和見主義的な動きではないか」との見方を示した。

アルカディウムは2024年01月に、豪オールケム(Allchem)と米リベント(Livent)が対等合併して設立した。当初の時価総額はUS$106億に達した。2027年までに世界３位のリチウム生産者になると予測されており、顧客には自動車メーカードイツのBＭＷや日本のトヨタ自動車、米国のテスラ(Tesla)などが名を連ねる。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年10月10日に、リオティントは2024年10月09日に、米国のリチウム企業アルカディウム・リチウムを買収することで合意したと報告した。