対称性やパターンを検出する人工ニューラルネットワークを開発。
米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年11月10日に、新規の画像比較やデータ解析に有効な機械学習技術として、リーハイ大学(Lehigh University)の研究チームは、対称性やパターンを検出する人工ニューラルネットワーク(artificial neural network)を開発したと報告した。
https://time-az.com/main/detail/75653
NSFの助成を受けたリーハイ大学の研究チームは、材料の対称性や構造的な類似性を感知し、類似性の予測を作成する人工ニューラルネットワークを開発し、効果的に教育した。この研究成果は2021年10月08日に、学術誌「npj Computational Materials」に掲載された。
研究チームは、人工ニューラルネットワークを開発し、機械学習を用いてニューラルネットワークを訓練し、対称性を見抜き、パターンや傾向を検出することに成功した。この種の取り組みとしては初めてで、研究チームはこの革新的な技術を用いて、25,000枚以上の画像データベースを検索し、類似した材料を分類することに成功した。このネットワークは、膨大な量の情報や実験データを分析し、多次元データのパターンを検出・解読することで、材料研究を大きく変える可能性がある。
リーハイ大学の機械学習学者であるジョシュア・アガー(Joshua Agar, a co-author and machine learning scientist at Lehigh University)は、「ニューラルネットワークを学習させると、その結果として、特徴をコンパクトに記述したベクトル、つまり数字の集合が得られます。」「これらの特徴は、ある種の類似性を学習するための分類に役立ちます。しかし、512個以上の異なる特徴があるため、生成されたものはまだ空間的にかなり大きいです。そこで、2Dや3D、あるいは4Dなど、人間が理解できる空間に圧縮する必要があるのです。」と言っている。
人工ニューラルネットワークは、科学者や研究者が、物質の多次元構造(multidimensional structure of materials)や、構造-物性の複雑なダイナミクス(complexities of structure-property dynamics)をより深く理解するのに役立つでしょう。人工ニューラルネットワークは、失敗した実験の画像やデータを分析し、材料研究者が研究データの中から構造的な類似性やパターン、傾向を見つけ出すことを可能にする。
データ管理やアクセス性が改善されれば、未発見の傾向やパターンが明らかになり、実験の効率が上がり、研究が加速する可能性がある。
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