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マスメディアと大統領選候補者

米国の噂のチャンネル新聞「ニューヨークポスト(New York Post)」は2024年10月25日に、「ジェフ・ベゾスがワシントン・ポストのカマラ・ハリス支持を撤回した(Jeff Bezos reportedly killed Washington Post’s Kamala Harris endorsement: ‘This is cowardice’)」と報道した。

2024年01月にベゾスに雇われた発行人ウィル・ルイス(Publisher Will Lewis)は、読者へのオンラインメモで、「ワシントン・ポストは今回の選挙で大統領候補を支持するつもりはありません。また、将来の大統領選挙でも支持しません(The Washington Post will not be making an endorsement of a presidential candidate in this election. Nor in any future presidential election,)」と書いて、この決定を説明した。

「大統領候補を支持しないという原点に立ち返ります(We are returning to our roots of not endorsing presidential candidates.)」

ルイスのメモにはさらに、「これは、ある候補者の暗黙の支持、別の候補者の非難、責任放棄など、さまざまな解釈がなされることを認識しています。それは避けられないことです。私たちはそうは考えていません。これは、ワシントン・ポストが常に支持してきた価値観、そしてリーダーに期待するもの、つまりアメリカの倫理に奉仕する人格と勇気、法の支配への敬意、そしてあらゆる面での人間の自由への尊重と一致していると考えています(We recognize that this will be read in a range of ways, including as a tacit endorsement of one candidate, or as a condemnation of another, or as an abdication of responsibility. “That is inevitable. We don’t see it that way. We see it as consistent with the values The Post has always stood for and what we hope for in a leader: character and courage in service to the American ethic, veneration for the rule of law, and respect for human freedom in all its aspects.)」と書かれている。

NPRによると、この決定により、トランプを頻繁に批判してきた編集委員のロバート・ケーガン(Robert Kagan)は辞任した。

ベゾスは、ブルームバーグ・ビリオネア・インデックス(Bloomberg Billionaires Index)が金曜日時点で純資産をUS$2090億と評価した世界第2位の富豪であり、トランプ政権の最初の任期中は頻繁に標的にされていた。これは主にワシントン・ポスト紙がトランプ政権を報道したた目であった。

ワシントン・ポスト紙の内部関係者の中には、トランプがホワイトハウス奪還に向けて勢いづく中、ベゾスはトランプを遠ざけたくないと考えているのではないかと推測する者もいる。

ベゾスは大統領選挙について公に発言していない。

ワシントン・ポストの元編集長マーティ・バロン(Marty Baron)は、同紙の決定を「民主主義を犠牲にした卑怯な行為(cowardice, with democracy at its casualty.)」と呼んだ。

「@realdonaldtrumpはこれを、オーナーの @jeffbezos 氏(およびその他)をさらに脅迫するための誘いと見なすだろう(@realdonaldtrump will see this as an invitation to further intimidate owner @jeffbezos (and others),)」とバロン氏は「X」に書いた。「勇気で知られる機関の不穏な無気力さだ(Disturbing spinelessness at an institution famed for courage.)」

ロサンゼルス・タイムズのオーナーで億万長者のパトリック・スーン・シオン(Patrick Soon-Shiong)による同様の支持保留の決定は、同紙の編集室を混乱させ、同紙の社説編集者と編集委員会メンバー2名の辞任につながった。

ウィル・ルイス

ワシントン・ポストの発行人ウィル・ルイス(Publisher Will Lewis)は、保守派へのリーチを含む同紙の読者層の拡大を支援するために01月にベゾス氏に招聘されたと関係者は語った。

ワシントン・ポスト

ワシントン・ポストは 2016年にヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)、2020 年にジョー・バイデン(Joe Biden)を支持し、過去の選挙サイクルでは支持表明をかなり早い段階で発表していた。

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は9月30日にハリス(Trump)を支持した。

ニューヨーク・ポスト(The New York Post)は金曜日にトランプ(Trump)を支持した。

ダウ・ジョーンズ(Dow Jones)のCEO、ニューヨーク・ポストの姉妹紙であるウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)の発行人、ロンドンを拠点とするテレグラフ(Telegraph)の編集者を務めたルイスは、同紙の保守派読者層を強化するために雇われた。

同紙は大統領選でカマラ・ハリス副大統領(Vice President Kamala Harris)を支持すると予想されていた。

関係者はNPRに対し、ベゾスがルイスを雇ったのは、保守派の有力政治家とうまく付き合える能力が理由の一つだが、ルイスはこれまで同紙の避雷針のような存在だったと語った。

6月、このイギリス生まれのメディア幹部はポスト紙の陣容を揺るがし、144年の歴史で同紙初の女性編集長となったサリー・バズビー(Sally Buzbee)は、財政と読者数の悪化に悩まされた3年間の在任期間の後に辞任に追い込まれた。

編集長である限り、何らかの決定をすべきであり、悩んでくれたのでは困る。

https://nypost.com/2024/10/25/media/jeff-bezos-killed-washington-posts-kamala-harris-endorsement-report/
https://nypost.com/2024/10/25/media/jeff-bezos-killed-washington-posts-kamala-harris-endorsement-report/
https://www.washingtonpost.com/opinions/2024/10/25/washington-post-endorsement/

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