ドイツのアクセル・シュプリンガー、事業分割へ、

2024年9月20日 15:02

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年09月20日に、ドイツ出版大手アクセル・シュプリンガー(Axel Springer)は2024年09月19日に、米国投資会社KKR(Kohlberg Kravis Roberts/コールバーグ・クラビス・ロバーツ)およびCPPIB(Canada Pension Plan Investment Board/カナダ年金制度投資委員会)と事業分割で合意したと発表した。クラシファイド広告事業を切り離し、この過半数株をKKRとCPPIBに売却する。一方、KKRとCPPIBは、ニュースメディアを主体とする残りの事業から出資を引き揚げることを取り決めた。

取引額は明らかにされていないが、ブルームバーグは情報筋の話として、アクセル・シュプリンガーの企業価値を€135億と見積もった水準と報じている。

このうち€100億超はクラシファイド広告事業という。

同事業には、不動産ポータルサイトを手がけるアビブ(Aviv)・グループや金融ポータルサイト「finanzen.net」、人材プラットフォーム運営のステップストーン・グループなどが含まれる。

取引は2025年第2四半期(4～6月)の完了を見込む。KKRはその後、クラシファイド広告事業のIPO(Initial Public Offering/新規株式公開)を目指すとみられている。

KKRはアクセル・シュプリンガーの筆頭株主で、株式35.6%を保有する。CPPIBの出資比率は12.9%で、両社が半分近くを握っていることになる。このほかでは、アクセル・シュプリンガーの最高経営責任者(CEO)マティアス・デップナー(Matthias Döpfner, CEO of Axel Springer)が22.5%、同社の創業者の未亡人フリーデ・シュプリンガー(Friede Springer)が21.9%をそれぞれ出資する。

アクセル・シュプリンガーのニュース事業は、ウェルト(Welt)やビルト(Bild)などドイツの主要紙、米政治専門メディアのポリティコ(POLITICO)、米ビジネスインサイダー(Business Insider)などから成る。事業分割後のニュースメディアの新会社は、98%近くをデップナーCEOとシュプリンガーが握り、残りの少数株は創業者一族が保有することになる。