イギリのデジタル銀行レボリュート、US$8億を調達し、評価額はUS$330億。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAとForbes JAPANは2021年07月16日に、ロシア出身の起業家のニコライ・ストロンスキー(Nikolay Storonsky)が6年前の2016年に設立し、創業したロンドンのデジタル銀行「レボリュート(Revolut)」は2021年07月15日に、ソフトバンク・グループのSVF2(SoftBank Vision Fund 2/ソフトバンク・ビジョン・ファンド2)と米国のヘッジファンドのタイガー・グローバル(Tiger Global)が主導する資金調達ラウンドで、US$8億を調達したと発表した。
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写真で見ると、昔の金融マンとは、全く異なり、ネクタイもなく、破れたジーンズを履いている。
これにより企業評価額はUS$330億(約3.6兆円)となり、イギリス国内のフィンテック(Fintech/iTを活用した金融サービス)企業で、企業価値は、金融大手ナットウエスト・グループ(旧ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ)をやや上回り、現在、イギリスで最も高価値なフィンテック系スタートアップとなっている。創業者の37歳のニコライ・ストロンスキーは、同社の株式20%以上を所有しており、フォーブスは彼の保有資産をUS$71億と試算している。
ストロンスキーはステートメントで、「グローバル金融スーパーアプリ」を創出するためのミッションを推進していくと述べた。
「レボリュート」は、2020年初めにUS$5億を調達した時点でUS$55億と評価を受けて以来、その価値を500%上昇させた。しかし、2020年12月期の実績はUS$3億700万の売上に対し、US$2億1700万ドルの損失だった。また、その前年の2019年もUS$2億2900万ドルの売上で、US$1億4800万ドルの損失だった。
同社は顧客の獲得を優先し、資金を燃焼させ続けている。2021年06月には企業評価でUS$200億程度を目指していると報じられていた。
「レボリュート」は、世界中に1,600万人を超える顧客を抱え、外為や株式、暗号資産(仮想通貨)取引などを手掛ける。最近は国際展開を積極的に進め、米国やオーストリア、日本などにも進出している。
投資がかさんでいることもあり、2020年の純損失は£1億6,800万と、前年の£1億700万から拡大した。
ただ2020年11~12月には黒字に転換し、今年第1四半期(1~3月)には好調な利益を上げているという。
今回調達した資金は、商品開発のほか、米国の顧客へのサービス拡大やインドなど他の国外市場への参入に投じられる。
「レボリュート」の最高財務責任者(CFO)ミッコ・サロバーラ(Mikko Salovaara)は「最終的には上場を考えているものの、すぐに実行に移す計画はない。」として、今回の資金調達がいかなる上場のスケジュールに影響を与えることはないと述べている。
ソフトバンクのシニアインベスターのカロル・ニウィアドムスキー(Karol Niewiadomski, senior investor for SoftBank Investment Advisers)はステートメントで、「レボリュートは、金融サービスの役割を再定義し、ヨーロッパのネオバンキング部門の最前線に立っている」と述べた。
「レボリュート」は今回の調達資金を、米国の顧客サービスの拡大と、インドやその他の国際市場への参入のために用いるという。
イギリスのリシ・スナック財務大臣(Chancellor Rishi Sunak)は、同社のステートメントの中で「レボリュートがさらなる資金調達により、拡大を計画していることは素晴らしい。同社のようなイギリスのフィンテック企業のサクセスストーリーがさらに増えることを期待したい」と述べた。
投資家は、「レボリュート」の成長に魅了されている。
2019年から2020年にかけて、同社の主力であるリテールバンキングのユーザーは1000万人から1450万人に増え、ビジネス顧客も22万社から50万社と2倍以上に増えた。
2020年に「レボリュート」は、リトアニアの銀行免許を取得し、その後ポーランドでも免許を取得したことで、ヨーロッパで広く銀行サービスを提供するための足がかりをつかんだ。
いつ、裏切るのか?
「レボリュート」の若者たちは、ソフトバンクの孫正義は、これまでの経緯から、簡単に騙せることを知っている。
つまり、金のネギを背負った鴨。