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ドイツは、自国の地下に眠る天然ガスを放置してきた。

米国のWSJ(Wall Street Journal/ウォールストリート・ジャーナル)(電子版)は2022年10月23日に、ハリバートン(Halliburton)の地質学者は、ヨーロッパのシェール資源(European shale resources)を調査した。フラッキング(fracking/水圧破砕法)により、ヨーロッパには700兆立方フィートの天然ガスがあり、50年分の電力を供給できると推定していると報告した。

2006年4月、ドイツ国会のエネルギー安全保障政策委員会(Energie Sicherheitsführung)で、この情報を発表するよう依頼された。

当時、ドイツはすでにロシアへのガスパイプラインの拡張を計画していた。
その天然ガスのコストは、自国がUS$3であるのに対し、100万英熱量単位(per million British thermal units)あたりUS$17程度であった。

ワルター・ルッセル・ミード(Walter Russell Mead)は首脳たちに、その価格帯で地元の資源から自国の経済を動かすことができるようになった場合のプラス効果を想像してもらった。

すると、彼らの顔には唖然とした表情が浮かんでいた。

「ハリバートン(Halliburton)のトラックが、ドイツの丘で採掘しているなんて。絶対、ありえない!」

これに似たことが、かっての日本国内最大の石油基地新潟で始まっていると、日本経済新聞 電子版は2022年09月22日に、ガス田開発のINPEXは2022年11月から新潟県内でガス田の探鉱を始めると報告していた。

日本は天然ガス調達のほぼ全量を輸入に頼っている。ウクライナ危機を発端として資源価格が高騰するなか、国内での新規開発を通じて安定調達につなげると言う。

ドイツは、あまりにもロシアに依存しすぎてきた。

イギリスでも、フラッキング採掘が見直され始めている。

ドイツにLNG基地を建設する計画も不要になるかもしれない。

2022-09-22---世界でガス田開発のINPEX、新潟で2026年めどに商業化する新ガス田を開発。
2022-09-08---イギリス、フラッキング採掘解禁。
2022-04-05---イギリス、エネルギー自立向け、フラッキング規制見直しへ調査依頼。
2022-02-07---ドイツ政府、ドイツにLNG基地を建設する計画。

ワルター・ルッセル・ミード(Walter Russell Mead)の「Germans See Affluence Ahead」(Global View、10月18日)

ヨーゼフ・シュテルンベルグ(Joseph Sternberg)の「Germany Finally Says the F-Word: 'Fracking' 」(Political Economics、10月7日)



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