欧州委員会、対露制裁の取り締まり強化で、資産押収容易に新法案公表。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年05月26日に、EC(European Commission/欧州委員会)は2022年05月25日に、対露経済制裁違反をEU(European Union/欧州連合)全域で刑事犯罪とする法案と、経済制裁や犯罪絡みの資産の押収を容易にする法案を公表した。
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いずれも、ロシアに対する経済制裁の抜け道をふさぐとともに、押収した資産をウクライナ復興支援の原資とする狙いがある。
EUは、ウクライナ紛争を受け、ロシアに対する厳しい経済制裁を打ち出しているが、取り締まりや資産の差し押さえは加盟各国に任されている。
加盟国の中には、国内法で経済制裁違反を刑事罰の対象としている国もあれば、ケースバイケースで刑事罰や行政罰の対象としている国、行政罰のみの対象としている国もある。
ECが公表した法案の1つは、EUレベルで刑事罰の対象基準を定め、経済制裁違反もテロ行為や組織犯罪、人身売買などと同様の対象に含めている。
経済制裁については、資産隠匿などの制裁回避や、違反者の資産凍結を怠るなど制裁回避を助ける行為も対象となる。これにより、域内全体で同じように捜査を行い、同様の懲罰を科すとしている。
もう1つの法案は、制裁違反を含めた犯罪に絡む資産の追跡や凍結、押収の手続きを簡素化する内容になっている。
また、差し押さえた資産の管理や売却を手掛ける資産管理局を全加盟国に設置するとしている。
これで、これまでの乱立した対露制裁を現実化できるような作業も始まった。
しかし、まだまだ不思議な対露制裁が多くある。