FRB幹部が急速な利上げペースを維持する可能性を示唆し、国債利回りが上昇。

米国のWSJ(Wall Street Journal/ウォールストリート・ジャーナル)(電子版)は2022年08月19日に、FRB幹部が急速な利上げペースを維持する可能性を示唆したことで、米国株はFRBへの注目から、国債利回りとは逆に下落した。

米国株は2022年08月19日金曜日に下落し、S&P500種指数は4週間続いた上昇を止め、週を終えた。
投資家は、FRBがインフレを抑制するためにどれだけ積極的に行動する必要があるかを再検討している。

FRBが2022年09月の会合で何をするか、トレーダーが自分の賭けを見直したため、市場は不安定な動きに耐えた。

数週間前から、多くの投資家はインフレがピークに達した可能性があり、中央銀行は今後の利上げ幅を縮小させるだろうと確信していた。

しかし、ここ数日の中央銀行関係者の発言と2022年07月のFRB議事録の公開により、今後も積極的な利上げが続く可能性が再び注目されるようになった。

https://time-az.com/main/detail/77530

2022年08月18日木曜日に、ブラード・セントルイス連邦準備銀行総裁(Federal Reserve Bank of St. Louis President James Bullard)は、2022年09月に0.75％ポイントの利上げに傾くだろうと述べた。

リーガル＆ジェネラル・インベストメント・マネジメントのマルチアセット・ファンド部長ジョン・ロー(John Roe, head of multiasset funds at Legal & General Investment Management)は、「金融引き締めが十分であったかどうかを再評価しているように感じられる。」と述べた。「そして、もしそうでなかったら、中央銀行がより多くのことをしなければならなくなり、より多くの痛みを受けることになるのではないか？」

S&P500は55.26ポイント(1.3%)下落の4228.48となり、週足では1.2%下落した。
ダウ平均(Dow Jones Industrial Average)は292.30ポイント(0.9%)下落の33706.74で、週間では0.2%の損失となった。
ナスダック総合株価指数(Nasdaq Composite)は260.13ポイント(2%)下落の12705.22で、週間では2.6%下落した。
来週は、カンザスシティ連邦準備銀行の年次経済政策シンポジウムのため、ワシントン州ジャクソンホール(Jackson Hole, Wyo., for the Federal Reserve Bank of Kansas City’s annual economic policy symposium)で中央銀行が会合する予定である。

トレーダーは、FRBがどのように考えているかを知るために、当局者のスピーチを注意深く見守ることになる。

過去1ヶ月で最も上昇した市場のいくつかが、2022年08月19日金曜日には最も下落した。

ベッド・バス・アンド・ビヨンド(Bed Bath & Beyond)の株価は、億万長者の活動家投資家ライアン・コーエン(billionaire activist investor Ryan Cohen)が同社株を全て売却した後、US$7.52(41％)下落し、US$11.03と、一日の損失としては過去最大となった。

ベッド・バス＆ビヨンドは、個人投資家の関心の高さもあって、四半期開始以来122％上昇し、華々しい業績をあげていた。しかし、ライアン・コーエンが持ち株を売却することを明らかにしたことで、週半ばには売りが先行し、ここ数週間で投資家が享受していた利益の多くが帳消しになる恐れがあった。

個人投資家の間で人気のある他のミーム株も下落した。ゲームストップはUS$1.44(3.8％)安のUS$36.49、AMCエンターテインメント(AMC Entertainment)はUS$1.27(6.6％)安のUS$18.02であった。

投資家のリスク資産からの幅広い撤退は、暗号通貨にも打撃を与えた。ビットコインとイーサーの価格は、木曜日の午後の水準から下落した。

さらに積極的な利上げへの期待は、他の市場にも波及した。米10年債利回りは木曜日の2.879%から2.987%に上昇した。債券価格が下落すると、逆に利回りは上昇する。

ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、WSJドル・インデックスは金曜日0.5％上昇し、2020年03月以来1週間で最大の上昇率になるペースである。金利の上昇は、利回りを求める投資家が米ドル建て証券に多くの資金を注ぎ込むため、グリーンバックを強化する傾向がある。

ヨーロッパでは、欧州全域をカバーするストックス・ヨーロッパ600(Stoxx Europe 600)が0.8％の下落で終わりった。

アジアでは、香港のハンセンと日本の日経平均はともにほぼ横ばいで終わった。中国の上海総合株価指数は0.6％下落した。

2022-07-29---米国株は上昇し、S&P500;は2020年以降で最高の月となった。
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