アンディ・ウォーホルのスケッチ1,000点が出品され、そのうち999点が偽物と判明。

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DesignTAXIは2021年10月26日に、作品の価値は、その真贋に大きく左右される。例えば、バンクシー(Banksy)のレプリカにオリジナルと同じ金額を払うというのは非常に馬鹿げていると思う。

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しかし、このアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)のスケッチは、1,000分の1の確率で本物を手に入れることができる。なぜなら、破壊的なアート集団であるMSCHFは、この作品を徹底的に偽造し、すべての作品にUS$250の値付けをしている。これでは、本物を手に入れたのか、偽物を手に入れたのかわかない。

https://time-az.com/main/detail/75474

ブルックリン(Brooklyn)を拠点とするMSCHFは、Lil Nas Xとナイキ(Nike)の「Satan Shoes」を発表したことで知られているが、ウォーホルの「フェアリー(Fairies)」(1954年)というスケッチの原画を購入し、「Museum of Forgeries」と称して999枚の贋作を制作した。

このスケッチは、2016年にオークションハウスのクリスティーズでUS$8,125で落札されたが、MSCHFの最高収益責任者であるダニエル・グリーンバーグ(MSCHF’s chief revenue officer Daniel Greenberg)は、現在の価値は約US$20,000であるとUSAトゥデイ(USA Today)に語っている。つまり、原画を手に入れた人は知らず知らずのうちにUS$19,750の利益を得て、他の人はクールでかなり手頃な価格の芸術品を所有するだけということになる。

この複製品は、機械を使った複雑な複製工程を経て紙の上に作られ、原画の黄ばみを再現するために化学的に熟成されている。

その後、1,000枚の複製品は山積みにされ、オンラインで販売された。

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「贋作博物館(the Museum of Forgeries)」を作ることで、美術界のスノッブさや、有名な美術品を所有できるのは富裕層や読書家だけであることを強調したいと考えている。

また、このプロジェクトは、美術品の美しさではなく、その真贋がいかに重視されているかを強調するものでもある。MSCHFは、「フェアリーを大量に偽造することで、作品の出所の痕跡を消してしまう。」と言う。「物理的な損傷はありませんが、将来的に作品の真正性に対する信頼を失うことになります。」とMSCHFは述べている。

さらにMSCHFはWebサイトで、「針を針山に埋めることで、オリジナルを複製と同じように贋作にしてしまう」と説明している。

これに似たことは、日本でも起こっている。

日本の古書店で有名な一誠堂と、丸善と合併した雄松堂が、グーテンベルグが世界で最初に活字印刷した辞書カトリコンの活字をグーテンベルグの借金の抵当として、シェーファーが差し押さえた活字を使って、シェーファーの子と孫が印刷したカトリコン2版と3版をグーテンベルグが世界で最初に活字印刷した辞書カトリコンと同じ値段で売り出した。

実は、これは、カトリコンの解説本に張り込んであったもので、その本は、印刷博物館が所蔵してる。

シェーファーの子と孫が印刷したカトリコン2版と3版のリーフは、ヨーロッパで二束三文で売られている。

つまり、一誠堂と、丸善と合併した雄松堂が、騙されて買ってきたものを売って儲けようというのである。

これでは、天下の丸善まで恥を描くことになる。

ベネチアン・クロニクルでも初版は、グーテンベルグの名前が最初に印刷されたインクナベラとして価値はあるが、第2版は、ケルン・クロニクルが先にあり、インクナベラでもないので価値が急落するが、雄松堂は、2版のベネチアン・クロニクルを購入してきた。これも騙されたのだろう。

さらに、シェーファーとその子と孫が印刷したコロフォーンの内容が大ウソで、下手な中世ラテン語で綴られているというお粗末すぎる付録までついている。

ベネチアン・クロニクルは、ケルン・クロニクルより古いのか?ということでグーテンベルグ協会で大騒ぎになった。

グーテンベルグが世界で最初に活字印刷した辞書カトリコンは、発見数が少ないので、世界的に有名なグーテンベルグの聖書より数倍高値である。

また、辞書カトリコンの活字を作った字母は、グーテンベルグがカトリコンを印刷したエルティベレで弟子をしていた人が持ち帰って、その字母で活字を鋳造し、印刷物を作った証拠が残っている。これが新たに見つかれば、大騒ぎになり、高値だろう。

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