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国際宇宙ステーション史上最も深刻な水漏れ事故が起きた。

Newsweek Japanは2022年12月23日に、日本人宇宙飛行士若田光一も滞在しているISS(International Space Station//МКС/Международная космическая станция/国際宇宙ステーション)にドッキングしている有人宇宙船「ソユーズ MS(СоюзМС/Soyuz MS)-22」において、冷却水漏れが2022年12月15日に発生した。

米国技術サイトのアルス・テクニカ(arsTechnicaが、現在までに判明している事態と影響を解説している。フライト・コンピュータに影響が及ぶおそれもあり、同サイトで宇宙関連を担当する編集者のエリック・バーガー(Eric Berger)は2022年12月17日、ISS史上「最も深刻なインシデントのひとつ」だと見る。

漏洩は2022年12月15日に、ソユーズの居住区画外部で発生した。機材を収容しているスペースの外装が破損し、その際にセンサーが冷却システムの圧力低下を検知した。ソユーズの冷却水漏れは人の手で止めることができず、現在までに冷却水はほぼ完全に失われたとの見方がある。

冷却水漏れの原因として、外部から飛来した物体により冷却水ラインが損傷したと考えられている。

米国のCBSニュースは、ごく小さな天然の流星物質スペースデブリ(space debris)あるいはマイクロメテオロイド(micrometeoroid)が衝突した可能性があると報じている。ISSの船外カメラの映像からは、小さな穴が確認された。

冷却水の喪失により、何が起こるか?
当然高温になる。

宇宙ステーションに滞在中の7人の宇宙飛行士にただちに危険が及ぶことはないだろうが、有人宇宙船「ソユーズ」内で滞在は不可能だろう。

アルス・テクニカは、さらに温度に敏感なコンピュータ関係が暴走する可能性がある。

とりあえずは、宇宙遊泳で損傷した冷却水ラインを修復し、冷却水を再充填することになるだろう。

それまではウクライナ問題での紛争は、ISS内では厳禁である。

さらに、ISSは現在、軌道面と太陽との角度を示す「太陽ベータ角」が大きい時期にある。これはISS全体の日照時間が長いことを意味しており、船体が過熱しやすい状況である。アーズ・テクニカは、「このことから、時間が経つにつれフライト・コンピューターがオーバーヒートするおそれがある。」と分析しているので、一旦コンピュータを停止させるべきだろう。

地球上でも真夏の暑い日には、パソコンが時々熱暴走している。

問題は、損傷したのは、冷却水ラインだけなのかということだろう。

宇宙では、水は大きな問題を起こす可能性がたかい。例えば、冷却水の漏れた場所により、漏電の可能性もある。

また、ロシアは、今回でISSのプロジェクトを終了すると言っているが、ソユーズでカザフスタンに帰ることができるのか?

一時、機内は50度まだ上昇しているという噂もあったが、ロシアのタス通信によると、ロスコスモスは2022年12月16日に、居住区画の温度を測定したところ、通常よりは上昇が見られたが、約30度であったという。ロスコスモスは「些細な変化だ」と強調している。同社はまた次のように述べ、安全性を強調した。

「現時点で温度変化は、機材の使用やクルーの快適性にとって致命的なものではない。」と話している。

こんなところでも情報戦が起こっている。

ISSの現場では、事故前から計画されていた船外活動を予定通り実施する。NASAの宇宙飛行士2名フランク・ラビオ(Frank Rubio)とジョシュ・カッサダ(Josh Cassada)が船外にて、ロールアウト式太陽電池アレイ増設のための活動に当たる。船内では、米国先住民族として初めて宇宙へ飛び立ったNASAのニコール・マン宇宙飛行士(astronaut Nicole Mann)と、日本のJAXAの若田光一宇宙飛行士が共同でロボットアームを操作し、船外の飛行士らをサポートする。

2022-04-30---ロシア、国際宇宙ステーション運営から撤退表明。


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