ドイツ自動車産業、2035年までに19万人が失職する可能性も
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年10月30日に、VDA(Verband der Deutschen Automobilindustrie e.V./ドイツ自動車工業会)は2024年10月29日に、EV(Electric Vehicle/電気自動車)移行などに伴う業界変革で、2035年までに14万人が失職する可能性があると発表した。VW(VolksWagen/フォルクスワーゲン)の国内3工場閉鎖に代表されるように、ドイツの自動車産業に人員削減の波が押し寄せている。
VDAは市場調査機関プログノス(Prognos)に調査を委託した。「自動車産業の雇用展望(Beschäftigung in der Automobilindustrie)」と題されたレポートでは、19~23年にかけて4万6,000人の雇用が失われたことが明らかになった。同様のペースで整理が進めば、35年までに追加で19万人が削減されるという。
そのうちの4分の1はすでに失われた。
具体的には、ドライブトレインの電動化によって、自動車生産に必要な人員が従来より減少。中でも機械工学や工業工学、金属加工などの職種では雇用削減が加速している。一方で、R&D(Research&Development/技術研究開発)やコンピューターサイエンス、電気工学、ソフトウエア開発といった業種では雇用が増加しているという。
VDAは、付加価値と雇用を可能な限り多くドイツに残すには、「立地的な競争力や適切な政治的枠組みが必要だ」と訴えている。
VWは2024年10月28日に、リストラ計画を事業所委員会に提示した。国内工場を少なくとも3カ所閉鎖するとの内容で、数万人が失職することになる。同社をはじめとする自動車大手各社は、EV需要の落ち込みやアジア競合との価格競争激化を背景に、厳しい経営状況に陥っている。
2024年10月29日---ドイツの自動車大手VWは、労働組合に再編計画を提示。
https://europe.nna.jp/news/show/2722308
https://www.vda.de/de/presse/Pressemeldungen/2024/241029_Prognos-Studie_zur_Beschaeftigung_in_der_Automobilindustrie
https://note.com/digicreatorito/