イギリスとオーストラリア首脳、FTAで大筋合意。

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ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2021年06月16日に、イギリス政府は2021年06月15日に、オーストラリアとFTA(Free Trade Agreement自由貿易協定)を巡り大筋合意したと発表した。

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イギリスにとって、EU(European Union/欧州連合)離脱(Brexit)後の通商政策のモデルになるとみられている。
自動車やスコッチウイスキーなどのイギリス製品をより安くオーストラリアに輸出できるようになる一方で、イギリスの農家からは輸入牛肉・羊肉などとの価格競争に対する懸念の声が上がっている。

https://time-az.com/main/detail/74610

このFTAは、イギリスがEUを離脱した後で交渉を開始した初めての貿易協定になる。イギリス政府は、今回の合意が「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定CPTPP(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership環太平洋連携協定/通称TPP11/Trans- Pacific Partnership Agreement 11)」加盟への重要な一歩で、CPTPPはイギリスの農家に大きな機会を与えるものと期待している。

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ただ、オーストラリアとのFTAを巡っては、農業関係者から、イギリスの食品基準の低下につながる恐れが指摘されている。オーストラリアでは、イギリスで使用が禁止されている肥育ホルモン剤や殺虫剤、食品添加物の使用が認められており、政府内でもチャールズ・ジョージ・ユースティス(Charles George Eustice)環境・食料・農村地域相とリズ・トラス国際貿易相(Liz Truss, Britain's International Trade Minister/Elizabeth Truss/SuperWoman)の間で意見が対立している。

いつもより、リズは疲れている!

また、牛肉や羊肉、砂糖などに関税と輸入割当が適用されなくなれば、イギリス内の農家は大打撃を受けると懸念する声もある。
これに対しイギリス政府は、今後15年間は移行期間として、無関税輸入量に上限を設けると説明している。

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専門家は、オーストラリアに対する譲歩内容が、今後のEUや米国との貿易交渉の基準を形成すると指摘している。

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しかし、イギリスとオーストラリアは親子のような関係で、コモンウェルス(Commonwealth)の加盟国でもあり、もっとも容易な協定国と言える。

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