インドの選挙。出口調査と開票結果は、インド与党BJP「想定外の議席減」
ForbesJAPANは2024年06月04日に、インドの6週間にわたるインドの総選挙の投票は2024年06月01日に終了し、出口調査の段階ではモディ首相率いるBJP(Bharatiya Janata Party/インド人民党)が単独過半数を維持する見通しだと報じられていた。しかし、2024年06月04日に開票が始まると、人民党は2019年の前回選から議席を大きく減らすという想定外の状況が判明し、株式市場に動揺が広がったと報告した。
ForbesJAPANは2024年06月04日に、インドの大富豪ゴータム・アダニ(Gautam Adani)のアダニ財閥の中核をなすアダニ・エンタープライズ(Adani Enterprises)の株価は2024年06月03日に約6.9%高の約US$44をつけ、火力発電所を運営する持株会社のアダニ・パワー(Adani Power)も18%高のUS$10.60となった。さらに、アダニ・グリーン(Adani Green Energy)やアダニ・ポート(Adani Ports)、アダニ・トランスミッション(Adani Transmission)、アダニ・トータル・ガス(Adani Total Gas)などの他の企業も、それぞれ約6.8%高、9.9%高、9%高、7.6%高を記録した。
フォーブスは2024年06月03日の株価の上昇により、アダニの資産が80億ドル(約1兆3000億円)増加してUS$980億(約15兆3000億円)に達したと試算している。
これはムケシュ・アンバニ(Mukesh Ambani)に次ぐ第2位の富豪となっていた。
出口調査では与党連合が543議席中350議席以上を獲得し、モディ首相が3期目の政権を担う見通しだった。
開票結果は、モディ首相率いる連合が予想よりも少ない議席しか獲得できない、あるいはねじれ国会になるのではないかという投資家の懸念から、アダニの資産は昨年、US$750億(約11兆円)以上も急落した。
しかし、この下落の原因は、空売り投資家のヒンデンブルグ・リサーチ(Hindenburg Research(がアダニ財閥の数十年にわたる「株式操作と会計詐欺計画」を非難し、空売りポジションを公表したためだった。
この問題は政治的な論争へと発展し、野党はモディ首相とアダニの密接な関係に疑問を投げかけた。
これに対し、モディ首相と与党は、この疑惑を全面的に否定した。
一方、モディ首相は先月の選挙運動中、野党がアダニやアンバニらから違法な資金を受け取っていると、証拠を示さないまま非難していた。
また、今季の選挙により、インドがモディ首相率いる親米派のBJPとインド独立に大きな役割を果たした新英派のINCの2大政党時代の幕開けかも知れない。
BJP(Bharatiya Janata Party/インド人民党)
INC(Indian National Congress/インド国民会議)、
サマジワディ党(Samajwadi Party/社会主義)、
AITMC( All India Trinamool Congress/全インド草の根会議派(トリナムール会議派)、
DMK(Dravida Munnetra Kazhagam/ドラーヴィダ進歩党)、
ジャナタ・ダル(Janata Dal/人民党統一派/統一人民党 )、
RJD(Rashtriya Janata Dal全国ジャナタ・ダル)、
YSR会議派(Yeduguri Sandinti Jagan Mohan Reddy/イェドゥグリ・サンディンティ・ジャガン・モハン・レッディ)、
Aam(Aam Aadmi Party/アーム・アードミ党)
NDA(National Democratic Alliance/国民民主同盟)などがあり、今季の選挙により、インドが親米派のBJPと新英派のINCの2大政党時代の幕開けかも知れない。
それはインドにとって、良い結果になることだろう。
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