AIによって、国立博物館のUS$900万の絵画が偽物と判定された。

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確か、日本の西洋美術館や国立博物館でも鑑定の結果、多くが贋作だった事件が起こっている。

DesignTAXIは2021年09月29日に、17世紀に活躍したフランドル地方の代表的な画家、ペーテル・パウル・ルーベンス卿(Sir Peter Paul Rubens/ピーター・ポール・ルーベンス/1577 - 1640)の作品の中で、最もよく知られているのが「サムソンとデリラ(Samson and Delilah)」である。この作品は、イスラエルの戦士サムソン(Samson, a warrior of the Israelites)が、ペリシテ人の恋人デリラ(his Philistine lover Delilah)に裏切られるという聖書の物語を描いたもので、1609年から1610年にかけて描かれたこの作品は、1980年07月にロンドンの国立博物館(National Gallery/ナショナル・ギャラリー)が購入した。米国の新聞「NYT(New York Times/ニューヨーク・タイムズ)」記事によると、この作品は当時のオークションで3番目に高い価格で落札されたとのことであった。

イギリスの新聞「ガーディアン(The Guardian)」によると、£220万(US$298万)で落札され、これは現在の基準では約£660万(US$894万)に相当する。

しかしこのたび、AI(Artificial Intelligence/人工知能)による分析の結果、現在もロンドンのナショナル・ギャラリーに展示されているこの絵画が、実は偽物である可能性があることが明らかになった。

https://time-az.com/main/detail/75288

スイスのArt Recognition社が行った実験では、アーティストの作品画像を機械に入力することで、そのアーティストの特徴を「学習」させるアルゴリズムを採用した。

さらに、作品の小さな部分を切り取って同様に学習させることで、細部まで見逃さないようにしている。

学習が終わると、新たな画像が与えられ、アルゴリズムがテストされる。厳しい教育を受けただけあって、「サムソンとデリラ」という作品が本物である可能性を正確に示してくれるはずであった。

そして、148点の本物のルーベンスの作品と比較した結果、機械は楽しげにその結果を吐き出した。91%の確率で本物ではなかった。

「この研究を行った科学者のカリーナ・ポポヴィッチ博士(Dr Carina Popovici)は、ガーディアン紙に「とてもショックを受けました。「私たちは、間違いがないかどうかを確かめるために実験を繰り返しましたが、結果はいつも同じでした。どのパッチも、どのマスも、90%以上の確率で偽物と判定されました。」

衝撃的な結果であることは間違いありませんが、この絵画の信憑性については、すでに疑念が渦巻いていました。10年以上前に書かれた記事には、「絵の構図がおかしい」という批評家の声が掲載されています。

ドイツのグラビア週刊誌『デア・シュピーゲル(Der Spiegel)』誌は2005年に、「彼らは、この絵が巨匠自身の有名なスタイルよりも強引なスタイルで描かれていると信じている。」と書いている。「また、ドラマチックなイメージの中で、サムソンの片方の足が切り落とされているのも奇妙だという。

ナショナル・ギャラリーはこれらの懸念を否定したが、結果的には正しかったかもしれない。

少なくとも、このような事件が二度と起こらないようにするための技術が整っていることは確かなようである。

このことは、古書の価格の設定にも言える。

日本の有名な古書店でも、その点はでたらめである。

ワタシが持っているアルブレヒト・デュラー(Albrecht Dürer)のイソップ物語は、間違いなく本物である。

また、ナチスがベルリンの造幣局で、紙幣彫刻の訓練としてアルブレヒト・デュラーの版画を模刻させた作品は、よくできているが、偽物である。

この造幣局は、ナチスが偽金を作らせたことでも有名である。

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