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DNA検査で海洋微生物の生態を評価する新しい地域診断法を開発。


米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2022年05月16日に、スクリプス海洋研究所(the Scripps Institution of Oceanography)などの科学者たちは、系図研究に似た遺伝学のツールを使って、カリフォルニア沿岸の海洋生物の多様性を評価してきた。

研究者たちは、メタバーコーディング(metabarcoding)と呼ばれるこの技術を利用して、商業的に重要な魚の豊度に影響を与えたり、有害な藻類を発生させたりする海洋食物網の底辺の状態を診断できるようになると報告した。

https://time-az.com/main/detail/76911

研究チームは、この研究成果を『Nature Communications』誌に発表した。

この研究は、カリフォルニア海流生態系長期生態学研究サイト(California Current Ecosystem Long-Term Ecological Research site_を通じて、NSFから資金提供を受けて行われました。

この研究の筆頭著者であるスクリップス海洋学研究所のチェイス・ジェームズ(study first author Chase James of Scripps Oceanography)は、「これは未来の生態学的サンプリング方法です。」「この研究は、長期的な生態系サンプリングにおいて、この手法を初めて採用したものです。それは、隠れた多様性が明らかになった時に、何を見ることが出来るかを明らかにしています。」と述べている。

海洋マイクロバイオーム(ocean microbiomes/微小な植物、動物、その他の生物の集合体)を評価する新しい方法は、科学者が海洋の診断を行う能力を大幅に向上させる。

研究者たちはこの新しい遺伝子情報を使って、カリフォルニア沿岸の表層水中にどれだけの生物が存在し、どこに分布しているかを支配する最も重要な要因を特定した。

ジェームズは、このプロセスを、食料品店で全商品のバーコードをスキャンして在庫を把握するのになぞらえて、次のように述べた。

NSF海洋科学部門のプログラムディレクターであるシンシア・サッチマン(Cynthia Suchman)は、「この研究は、海洋微生物の理解を可能にする新しい分子ツールと、環境的背景を示す複数年のデータセットの組み合わせです」「その結果、カリフォルニア海流の生態系全体と、その構成要素が海洋条件によってどのように変化するかを、より完全に把握することができるのです。」と述べている。


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