世界を救う3匹のユダヤ・モンスター
イスラエルの国立図書館「The National Library of Israel(イスラエル国立図書館)」は2023年06月21日に、ヴィッキー・スー・ストーン(Vicki Sue Stone)は、とても魅力的ストーリーに感謝し、ユダヤ神話に登場する3匹の怪物の力を借りて、自然のバランスはどうやって保たれているのかを知る。
イスラエルの国立図書館の解説は、多くの宗教書と違い。分かりにくいまま放置するのではなく、誰にでも分かりやすく書いている。
私のような馬鹿でもわかるので助かる。
一匹は海に住み、一匹は空を飛び、もう一匹は大地を歩き回る。
当然ながら、他の生物はこの3匹にちょっかいを出す勇気はない......。
ディザスター映画には、キングコングやゴジラのような、周囲のすべてを破壊しようと躍起になる恐ろしい怪物を描く亜流がある。怪物は通常、人間の介入によって生み出されるか、あるいは自由にされ、世界中の市民、少なくともニューヨーカーに大混乱と錯乱をもたらす。
しかし、中世のユダヤ人はこのような事態を違った見方で捉えていた。
人間の文明が環境に壊滅的なダメージを与えていることに誰も気づかないずっと以前から、宗教的な視点が世界観を支配していた中世のユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒の人々は、自然を調和のとれたシステムとして捉えていた。
この考え方は、聖書やユダヤ神話に登場する海の獣、陸の獣、そして空の獣である三大獣にまつわる伝承に反映されている。
そしてそれぞれが、それぞれの恐ろしいやり方で、自然の微妙なバランスを保っている。
「その日、主はよく切れ、大きく、強い剣をもって、蛇レビヤタン(Leviathan/リヴァイアサン)を刺し貫く、曲がった蛇レビヤタンを罰し、海にいる竜を殺した。」
「イザヤ27:1(Isaiah 27:1)」
最初の偉大な怪物獣は、海の生き物を支配するレビヤタンであり、ヨブ記(the Book of Job)や聖書の他の箇所(elsewhere in the Bible)でも言及されている。レビヤタンは、タニニム/創世記1:21(mentioned in Genesis 1:21)で言及され、「大海の生き物」、「大海の怪物」、「大クジラ」などと訳されている。
それと同じように、神の支配に挑戦する存在として言及されることもある。
聖書学者たちはこれを、聖書のレビヤタンがさらに古代の神話、たとえばウガリット文化(Ugaritic culture)の神話の名残であり、その伝承が聖書に影響を与え、浸透していることの証拠だと見ていると解説している。
キリスト教はレビヤタンのイメージを悪魔の力と悪の象徴として採用した。
ハーマン・メルヴィル(Moby Dick)の白鯨(white whale)、モビー・ディック(Herman Melville)など古典的な小説に登場していることが思い浮かぶと言う。
しかし、中世のユダヤ人はレビヤタンと和解し、この獣を世界秩序を司る3つの守護怪物のひとつとした。
そうしてレビヤタンは、恐ろしいドラゴンと表現する者もいる強大な海蛇や巨大なワニから、海にいる他の魚が同胞を追い越し、滅ぼすことがないようにする巨大な比率の魚へと姿を変えた。
現代ヘブライ語では、レビヤタンとは「クジラ」を意味する。
2番目の怪物は、空の生き物、簡単に言えば鳥を支配している。
しかし、少しややこしいので、この怪物には「ジズ(Ziz)」と「バルヨクネイ(Bar Yochnei)」と言う2つの名前がある。確かに珍しい名前だが、どちらも聖書に登場する。「ジズ」は、原語のヘブライ語では詩篇80篇14節(Psalms 80:14 in the original Hebrew)に登場する。この言葉は一般に英語に翻訳されると失われてしまう。
ヘブライ語の聖書本文で言及されている「ziz」が誰なのか何なのかは定かではないが、ユダヤ教の賢人たちはこの神秘的な名前を、創世記のラビ19:4:(Genesis Rabbah 19:4:)にあるこのミドラッシュ(midrash)のように、翼を広げると太陽を遮ることができるほど大きな奇跡的な鳥のようなものだと理解していた。
ラビ・イェフダ・バル・シモン(Rabbi Yehudah bar Simon)は、「ジズという鳥は純粋であり、翼を広げると太陽を覆い隠す・・・そしてアダムはすべてを支配するために創造された。」と言った
ユダヤ神話で「ジズ」は、タルムード(Talmud)に登場する伝説の鳥バー・ヨクネイ(Bar Yochnei)と同一視されている。「バー・ヨクネイという鳥の卵が落ちたことがあり、卵の中身は60の都市を溺れさせ、300の杉の木を折った。」「ベホロト57b(Bekhorot 57b)」
このヒントで、賢者たちが言っているのは、この鳥の卵ひとつでこれだけの被害が出たのなら、その鳥がどれほど大きかったか想像してみてほしいということである。
そんな大きな鳥が飛べるのか?宗教は、ときどき科学を無視する。
3番目の怪物は土地の生き物を支配している。ヘブライ語ではベヒモス(Behemoth)と呼ばれ、巨大な雄牛と表現されている。
「見よ、ベヒモステ、わたしがあなたとともに造ったもの、彼は牛のように草を食べる。
彼の力はその腰にあり、その力はその腹のへそにある。
彼はその尾を杉のように動かし、その石の筋は巻きついている。
その骨は強い黄銅の破片のようであり、その骨は鉄の棒のようである。
彼を造られた方は、その剣を彼に近づけることができる。
山は彼に食物をもたらす。
彼は木陰の下、葦と沼の茂みに横たわる。
木陰はその影で彼を覆い、小川の柳は彼を囲む。
見よ、彼は川を飲み干しても急がず、ヨルダンを自分の口に汲み上げることができると信じている。
「ヨブ記40:14-24(Job 40:14–24)」
しかし、他の獣に対する3匹の怪物の優位性には敬意を表しつつも、神よりも強大で強く、神の揺るぎない支配を脅かすものはいなかったため、神に従属させることが重要であった。
そのため、ユダヤの伝承では、最初の2匹の獣(レビヤタンとジズ)は4日目に、ベヒモスは5日目に創造されたとされている。
言うまでもなく、3匹の怪物は一年中忙しい。夏、秋、冬の季節の始まりには、特別な儀式に参加する。ベヒモスは吼え、ジズは叫び、レビヤタンは海をかき回す。
これら3匹の強大な獣には、メシア的(messianic)な役割も与えられている。レビヤタンとベヒモスの激しい戦いは、終末の日に起こると描写されている。そのクライマックスで、両者は殺され、その肉は天国の華やかな宴で義人たちに振る舞われる。
2匹は、食われた。
3匹の怪物の意味は、現代の私たちの耳には奇妙に聞こえる。しかし、自然のバランスに関して、彼らから学ぶべきことがまだあるのかもしれない。結局のところ、専門家たちは何十年もの間、陸上、空中、そして海の生態系全体に大混乱を引き起こしている、特に人間という1つの動物(You)の過剰な支配について警告し続けてきた。
https://blog.nli.org.il/en/three_jewish_monsters/
Monsters