来年は、経済的に「世界最大の花」が結実するサインかもしれない。
毎日新聞は2023年12月13日に、茨城県つくば市の国立科学博物館筑波実験植物園で、インドネシア・スマトラ島に自生するサトイモ科の植物ショクダイオオコンニャク(Amorphophallus titanum)の花が咲き。国内初の実がついたと報告した。
私はフランクフルトの植物園で花が咲いたという記事は読んだことがあるが、実は知らなかった。
日本名も知らなかった。
なんと蒟蒻の一種か〜中部地方では、味噌蒟蒻おでんに山椒をかけると風邪薬になると言われ、子供ん頃から風邪をひくと、冬にお菓子屋さんの店先で煮ている味噌蒟蒻おでんを食べていた。
一つの花のように見えるが、小さな花がたくさん集まった「花序」で、高さ約3m、直径約1mの大きな花を咲かせる。
最初に雌花が咲き、枯れた後に雄花が咲くため自家受粉できない。更に開花は数年に1度の2~3日で時期もさまざまなため、国内では他の株から受粉できたためしもなく、人工授粉に成功した例もない。
10株以上を育てる筑波実験植物園でも、一つの株が2012年から時折咲くのみ。
雄花から集めた花粉を数年後に咲いた雌花に付けたり、他園が数カ月前に採取した花粉で人工授粉を試みたりしたが、全て失敗してきた。
堤千絵研究主幹(46)は「同じ個体の花粉では受粉しないのか、花粉に寿命があるのか理由は分からない」と言う。
それが2023年05月19日、小さめの株が初めて開花。
そして8日後、常連株も6回目の花を咲かせた。堤さんは「きまぐれな植物が同じタイミングで咲いてくれたのはすごいことだ」と声を弾ませる。
堤千絵研究主幹ら職員3人で2023年05月20日に一つ目の花から花粉を採取し、2023年05月27日に二つ目の花に人工授粉した。
いずれの作業も生ごみのような悪臭が漂う中で行われた。
というのも、臭気を放って動物の死体にわくシデムシをおびき寄せ、受粉を助けてもらおうとするのがショクダイオオコンニャクの特性だという。
この花が臭いのは有名である。
新宿の新宿御苑でも咲いたと大騒ぎになったことがあった。
「世界最大の花」とも言われることで有名なもう一つの花ラフレシアも臭いことで有名である。
2023年05月27日夜は、長さ約30センチの針金に綿棒を付けた手作りの「花粉スティック」で雌花一つ一つに花粉を付けるのに1時間ほどかかり、服にも臭いが染み込んだ。
これを書いている私は、味噌蒟蒻おでんに山椒をかけて食べている。
来年は、世界中で経済的に「世界最大の花」が結実することを祈る。
そして、みんなで味噌蒟蒻おでんに山椒をかけて食べてみたい。
糞まみれのようなような作業の結果、結実した。