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先日来、言い続けているように、ロシアのビジネス・パートナーが変わった。


フィンランドのシンクタンクCREA-logo

EUはまだ、制裁と言っている。それはEUがロシアのビジネス・パートナーと考えているからで、ロシアはEUを相手にしていない。


多くのマスコミは、EU目線のまま話している。

パイプラインを爆発したのも、今回の橋を爆発したのもロシアではない。

両方とも、ロシアにとっては無意味である。

ウクライナか、イギリスの「007」の真似か、アメリカのスパイ大作戦のコピーである。

やっと日本経済新聞 電子版は2022年10月09日になって、「ロシア燃料輸出、インド5倍・中国2割増 侵攻開始から」を公開した。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(Russian President Vladimir Putin)は、EUのシャルル・ミシェル(Charles Michel)大統領やEUのウルスラ・フォン・デア・ライエン(Ursula von der Leyen)委員長のような馬鹿ではない。

EUの言いたい放題の我慢はしていない。

今では、ロシアのビジネス・パートナーは、中国、インド、アラブ、南アフリカ、ブラジル、東南アジアで、どの市場もEUより大きい。

小さなEU市場は、苦しんだらいい。

EUには、中間マージンを加えた高額ロシア産エネルギーを買うことになる。

ロシア中部ハンティ・マンシ自治管区(Ха́нты-Манси́йский автоно́мный о́круг — Югра́, Khantia-Mansia)の原油くみ出しポンプでは、石油やガスなどロシア産化石燃料の輸出先が大きく変わってきた。


米欧日が経済制裁で大きく減る一方、中国向けは2割増え、インド向けは5.7倍になった。中東向けも急拡大した。

日本経済新聞は、フィンランドのシンクタンクCREAのデータをもとに調べたという。


ロシアの2022年07~08月の1日あたりの石油、石炭、天然ガスなどの輸出額は、2~3月より18%減った。

品目ではパイプライン経由の天然ガスが56%減と減少幅が最大で、石油製品(34%減)と石炭(29%減)が続いた。

一方、原油は19%増えた。


ロシアの化石燃料の輸出額はEU向けで35%減った。米国や英国は9割減、日本も7割減となった。

これらの国々への輸出減少額は1日あたり€2億5000万(約350億円)にのぼる。

一方、世界全体では輸出減少額は約€1億7000万にとどまる。ロシアが中国やインドなど制裁に参加しない国に割安な価格で供給し、欧米向け輸出減少の穴埋めを試みている。

中国への輸出額は17%(約€3000万)増えた。石炭が53%増えたほか石油も16%拡大した。インド向け輸出額は5.7倍となり、増加額は約€4000万と国別で世界最大。原油の伸びが大きく、インドの貿易統計によると、輸入先の順位でロシアは2021年の10位から2022年06月には2位に急浮上した。

中東向けの輸出も急拡大した。
UAE(United Arab Emirates/アラブ首長国連邦)は約9倍、エジプトも約3倍にそれぞれ増えた。ロシアの原油を精製したり、石化製品に加工したりして世界に輸出しているとされる。

ドイツは、UAEに買い出しに行っている。

例えば、UAEのフジャイラ港はロシア産を混合した石油製品が輸出される「一大拠点」とされる。
欧米でロシア産化石燃料の禁輸が広がるなか、第三国を経由した「迂回輸出」になっている。

トルコ向けの輸出額も2割増えた。トルコはNATO(North Atlantic Treaty Organization/北大西洋条約機構)加盟国でロシアのウクライナ侵攻を批判するが、経済制裁には慎重だ。

米国のジャネット・イエレン財務長官(U.S. Treasury Secretary Janet Yellen)は2022年09月に、ロシアが新興国向けに石油を大幅に値引きしていると明かした。複数の国に3割の値下げを示したことを確認したという。インドネシアのジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は、ロシア産石油を輸入する可能性について「すべての選択肢を視野に入れている」と述べた。

右から、左に渡すだけで巨額がはいる。

東南アジアの国々は、喜んで参加する。

エネルギー価格の高騰も、経済制裁の影響を抑えている。CREAによれば、ロシアはウクライナ侵攻後の6カ月間で化石燃料の輸出から合計で€1580億の収入を得た。

同期間のロシアの戦費を€1000億程度と試算しており、これを上回る。

ロシアの戦費を断つにはさらなる制裁が要る。主要7カ国(G7)の財務相は2022年09月に、ロシア産石油の輸入価格に上限を設ける措置を12月から導入することで合意した。
上限を超える石油の海上輸送に保険会社が保険を付けることを禁じる内容だ。これに基づき、EU加盟国は5日、ロシア産原油の価格に上限を設けることで合意した。

ロシア財務省によれば、ロシアの財政収支は2022年01~06月は1兆3700億ルーブル(約3兆2000億円)の黒字だったが、2022年01~08月では黒字額が1370億ルーブルまで縮小したという。夏以降は財政赤字に陥ったためとみられ、ロシア経済には制裁の打撃が広がりつつある。

これは、どういう計算だ?
2022年01~06月は1兆3700億ルーブルだったものが、2022年01~08月では黒字額が1370億ルーブルに減るか?

何かの計算間違いだろう。

このロシアの利益分をウクライナにEUは支援し続けられるか?EUが潰れないか。

いずれにしても。ウクライナは勝てない。

ロシアの資産が巨大すぎる。小さなEU市場では、太刀打ちできない。

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バイデンは、すでに腰がひけている。

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