イギリス政府試算、新法で企業負担年間£50億増。労働者の権利強化

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年10月23日に、イギリス政府が試算し、提案している「雇用権利法案(Employment Rights Bill)」が導入されれば、企業のコスト負担は全体で年間£50億増える見通しをイギリス政府が2024年10月21日に公表した報告書で明らかになった。

労働者の権利を強化する同法案は、特に中小企業に大きな影響を及ぼすとみられている。

イギリス政府はこの報告書で、同法案の経済的影響を分析。その結果、同法案が導入された場合、企業のコストは年間£50億を増えると予想している。ただ、追加コストが企業の雇用費全体に占める比率は0.4%未満と、「緩やかな増加率にとどまる」とし、これが雇用意欲に大きな影響を及ぼす可能性も低いと指摘した。

ただし、中小企業に対する試算では、事務管理や法令順守などの固定的費用が増える影響で、追加コストの負担が総じて大きくなるとみ亭る。

また、平均賃金が低い業種では、新法導入による雇用費の増加率が1.5%弱と、比較的高くなる見通しで、この結果、フレキシブル契約や低賃金労働に依存する企業では雇用意欲が減退する恐れもあり、失業者の復帰がより困難になる可能性もあると分析した。

政府が2024年10月10日発表した「雇用権利法案」は、雇用法を改正して労働者の権利を強化するもので、従業員をいったん解雇して再雇用する慣行の廃止や、雇用初日から育児休暇や疾病手当を付与することの義務付け、最低労働時間を保証しない「ゼロアワー」契約の禁止、勤務時間外に業務対応しない「つながらない権利」の保証など28項目から成る雇用規定がある。

イギリスの中小企業支援策が必要だろう。

イギリスは、レストランや喫茶店、パブなど、飲食関係中小企業が多い。
それが消えると、イギリス全体が寒々する。

https://europe.nna.jp/news/show/2719593
https://www.staffingindustry.com/news/global-daily-news/employment-rights-bill-may-boost-economy-but-raise-business-costs-by-ps5-billion
https://www.bbc.co.uk/news/articles/cvgdgx8vze8o
https://hansard.parliament.uk/Commons/2024-10-21/debates/DC4CA46C-E3A4-4A75-A0AA-5143E3E12585/details
https://assets.publishing.service.gov.uk/media/67162540d100972c0f4c9abd/Employment_rights_bill_economic_analysis.pdf
https://researchbriefings.files.parliament.uk/documents/CBP-10109/CBP-10109.pdf
https://www.dailymail.co.uk/news/article-13986989/business-years-desperate-Labour-fear-staff-sick-days.html