ウォーホルの「Marilyn」、US$1億9500万で落札。記録を塗り替え。

ArtDaily、米国の新聞「NYT(New York Times/ニューヨーク・タイムズ)」は2022年05月10日に、映画「七年目の浮気(The Seven Year Itch)」でドレスが舞い上がったマリリン・モンローのように、きわどい画像ではないのかもしれないが、2022年05月09日月曜日の夜、最も高価な画像となったと報告した。

アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)が1964年に制作したこの女優の顔のシルクスクリーン「Shot Sage Blue Marilyn」は、クリスティーズ(Christie’s)において4分足らずの入札で約US$1億9500万で無名の買い手に売却され、歴史のないアメリカの美術品としてはオークション最高値となった。

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アメリカ以外では、さらに高額の作品が多く取引されている。

「20世紀で最も高価な絵画を売ったのです。」「これは大きな成果です。」と、クリスティーズの専門家アレックス・ロッター(Christie’s specialist Alex Rotter)は言った。

その鮮やかな色彩と華やかな題材からトロフィーとなった40インチ四方の絵画は、2017年にサザビーズでジャン＝ミシェル・バスキアの頭蓋骨の絵(Jean-Michel Basquiat skull painting at Sotheby’s in 2017)がつけたこれまでの高値US$1億1050万を超え、またウォーホルが2013年にUS$1億540万で売却した自動車事故の絵のオークション最高値も上回った。

月曜日のセールは、2年間のコロナウィルスの大流行から平常に戻り始めたばかりの街で、春のオークションシーズンの幕開けとなった。

ロックフェラー・センターのクリスティーズ・セールスルーム(Christie’s salesroom at Rockefeller Center)は、ディーラーやアート・アドバイザーの顔で溢れ、彼らは明らかに、優良作品を再び直接入札できる機会を歓迎していた。

このセールに参加したオーストリアのギャラリスト、タダエウス・ロパック(Austrian gallerist Thaddaeus Ropac)は、「食欲があり、お金があり、質が高い。」「これだけあれば、うまくいくはずです。」と述べた。

ニューヨークの美術品顧問会社、ファインアート・グループの創設者フィリップ・ホフマン(Philip Hoffman, founder of the Fine Art Group, a New York advisory company)は、今後2週間のオークションでUS$20億もの資金が集まる可能性があると指摘する。「この2年間、膨大な量の出品が控えられており、新しい顧客からの需要も膨大だ。」と「誰もがそのタイミングを待っていた。そして、そのタイミングが来たのだ。」彼は言う。

つまり、これはスタートに過ぎない。

今回のクリスティーズのオークションは、どの作品にも第三者やオークションハウスが購入を約束する最低価格ギャランティ(guarantee)が付いていなかったという点で異例だったという。

これは、スイスのディーラーであるトーマス＆ドリス・アマン夫妻(Thomas and Doris Ammann)が遺贈したもので、収益はすべて、子供たちの医療と教育プログラムを支援する彼らの財団に寄付される。遺族は、このチャリティーの収益を最大化することを望んでいた。

売却前、クリスティーズのCEOギョーム・セルッティ(Christie's CEO Guillaume Cerutti)は、ネットなしで空を飛ぶことの危険性を考慮し、保証がないことに喜びを感じていた。「昔のように」「本当のスポーツだ。」と彼は言った。

「マリリン」の購入者は、その絵の収益の20％をどのチャリティーに割り当てるかを選択する発言権を持つ。この購入は慈善寄付とはみなされないので、税金の控除はない。

1977年、アンマン夫妻はチューリッヒに印象派、近代、戦後、現代のアーティストを専門に扱うギャラリーを設立した。1993年にトーマス・アンマンが亡くなった後も、妹がギャラリーを率いていた。昨年、妹は死去した。

美術商のビル・アカヴェラ(Bill Acquavella)は、「市場のトップはまだ強く、品質に対する需要は多い。」「不動産がいくらで売られているか見てください。」「今まで見たこともないような価格をもたらしている他の資産もあります。」と言う。

2点は落札されなかったが、36点の作品がUS$3億1800万で落札され、海外の戦争、パンデミック、テロなど、世界の情勢がいかに騒がしくても、最高品質の作品は最高値で売れるという真理を証明することになった。