トラック運転手不足、イギリス政府、引退トラック運転手復帰要請も。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2021年09月24日に、BBC News電子版などが2021年09月23日に、新型コロナウイルス流行とブレグジットの影響でイギリスでトラック運転手が不足している問題を受け、政府は第一線を退いた運転手に復帰を促すなどの対応を取る方針だと報告した。
これから需要が拡大するクリスマスに向かうため、サプライチェーン(調達・供給網)が破綻する恐れがあるとの食品業界からの警告を受けた動きだという。
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ポール・スカリー・ビジネス担当閣外相(Paul Scully, Parliamentary Under Secretary of State in the Department for Business, Energy and Industrial Strategy and Minister)は「国内には、各種の大型トラックの運転免許を持っているが、現在は働いていない人が数十万人いる。」と指摘した。こうした人々の現場復帰を促すとともに、新型コロナのパンデミック(Pandemic/世界的大流行)で遅れていた運転免許試験の実施件数を増やし、新たな免許取得者を増やすことが必要だと述べた。
スーパーイギリス最大手のテスコ(Tesco)は先に、政府に対し、運転手不足への対策を打ち出さない限り、クリスマス前に消費者がパニック買いに走ると警鐘を鳴らした。
生活協同組合コーポラティブ・グループ(Co-operative Group/コープ/Coop)も、運転手不足に起因して、クリスマスに向けて商品価格が高騰し、商品の種類も限られたものになる可能性があると懸念を示している。
NFU(National Farmers Union/全国農業者連盟)は2021年09月22日に、ジョンソン首相宛ての書簡を発表し、外国人の農場労働者や運転手にビザ(査証)を発給するよう求めた。
食品・農業業界はサプライチェーン全体で人手不足に陥っており、「予断を許さない」状況だとしている。
コロナが少し目処が立つと、食いぶちが騒ぎ出す。
物流業界や小売業界はかねて、トラック運転手を高技能労働者に指定し、外国人のトラック運転手に一時的なビザを発給するよう求めているが、政府はこれを拒否している。
スカリー・ビジネス担当閣外相も、運転手不足はヨーロッパ全体で起こっているため、問題の解決にはつながらないと指摘した。政府は国内での解決方法を模索していると説明した。