NASAの宇宙船「オリオン(Orion)」、月面に到達。
Nature Briefingは2022年11月22日に、アレクサンドラ・ウィッツェ(Alexandra Witze)は、NASAの宇宙船「オリオン(Orion)」、月面に到達し、人を乗せるためのカプセルはこれから地球から遠く離れていき、12月に帰還する予定だと報告した。
アルテミスIミッション(Artemis I mission)の6日目、オリオン宇宙船のすぐ向こうに月が大きく見える。
月面に接近したオリオン宇宙船(Orion spacecraft)から撮影された画像では、月が灰色の存在として迫ってきている。
オリオン宇宙船は、2022年11月21日に月面のわずか130kmの上空に急降下し、人間を乗せるために設計されたカプセルが、半世紀ぶりに月に最も近づいた。
月の暗闇の中、先週アルテミス Iミッションの一部として打ち上げられたカプセルは、1969年07月にニール・アームストロング(Neil Armstrong)とバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)が人類として初めて月面を歩いたアポロ11号(Apollo 11)の着陸地点であるトランクウィリティーベース(Tranquility Base)の真上を飛行した。
「今日は素晴らしい一日だった」と、NASAのオリオンプログラム・マネージャーであるハワード・フー(Howard Hu, NASA’s Orion programme manager)は記者会見で述べた。
NASAとESA(European Space Agency/欧州宇宙機関)の共同事業であるオリオンは、深宇宙のストレスの下でそのカプセルがどのように持ちこたえるかを見るために、アルテミスIの未搭乗試験飛行を行っているところである。
これまでのところ、わずか2年で宇宙飛行士を月に運ぶことができる宇宙船は、ミッション・コントローラーが期待したとおりの働きをしていると、ハワード・フーは述べた。
「私たちは、あらゆる面で本当に良いパフォーマンスを見てきました。]
エンジニアは、宇宙放射線によるダメージが原因と思われるオリオンの星追跡ナビゲーションシステムの時折の問題や、オリオンの4つの太陽電池アレイからカプセルに電力を供給する電気システムの断続的な問題など、いくつかの小さな不具合のトラブルシューティングに取り組んでいるところである。
オリオンのカリスト(Callisto, in Orion)では、将来の宇宙飛行士を支援するための音声・映像技術の試験が行われる予定である。
オリオン・カプセルの内部で、上半身しかないロボット「ムーンキン(moonikin)」と呼ばれるマネキンが制御パネルを監視している。
2022年11月16日、NASAの強力な新型ロケット「スペースローンチシステム」による初飛行で、26日間の月周回航海に向けてカプセルが打ち上げられた。地球から月へ移動し、2分半のエンジン燃焼でフライバイを行った「オリオン」は、3つの旅のうち最初の旅を終えようとしているところである。
2022年11月25日には、エンジンを燃焼させ、地球から最も遠い地点で43万2000km離れた月の「遠距離逆行軌道(distant retrograde orbit)」を回る、旅の第2段階に入る予定である。
これまでの旅の画像では、オリオンが深宇宙で反射した太陽光にきらめき、時には遠くに地球が薄青い点として現れたり、月が迫りくる灰色の存在として現れたりしている。
NASAはカプセル内部の写真を公開した。そこには「ムーンキン」と呼ばれるマネキンがコントロールパネルを見守っており、無重力を示す小さなスヌーピーのぬいぐるみが浮かんでいる。フライトディレクターのジャド・フリーリング(Flight director Judd Frieling)は、近々さらに多くのビデオ映像が公開される予定であり、通信帯域が許す限りオリオンからの低解像度のライブストリームを利用できるようになったと述べた。
アルテミスIは、NASAが宇宙飛行士を月に帰還させる準備として打ち上げる予定の一連のミッションの最初のものである。
オリオンの次のフライトであるアルテミスII(Artemis II)は、早ければ2024年に4人の宇宙飛行士を乗せて月面を往復する予定である。その後、Artemis III(Artemis III)では、1971年のアポロ17号以来の有人着陸を目指し、人類を月の南極に着陸させる。
オリオン宇宙船は、地球から57,000マイル離れた地点におり、月に近づくにつれ、地球との距離を縮め続けている。
オリオンはまた、地球の景色を送り返してきた。Credit: NASA Johnson
アルテミスI」の打ち上げでは、10個の小型衛星も宇宙に運ばれたが、そのほとんどは科学的なミッションを持ったものであった。そのうち8基は打ち上げ後に管制官との通信が確立されたと報告されている。しかし、そのうちの1機、日本の小型月着陸船「OMOTENASHI」は制御不能となり、宇宙航空研究開発機構が紛失を宣言した。状況が不明な2機のうち、1機は地球近傍小惑星のそばを飛ぶように設計されたソーラーセイルである。「NEAスカウト」と呼ばれるこのミッションは、「アルテミスI」の打ち上げで展開に成功したが、それ以来音沙汰がない。
「OMOTENASHI」できなかった。
また、6月に地球から打ち上げられ、9月に問題が発生した小型宇宙船「CAPSTONE」は、2022年11月13日に独自の月周回軌道に乗った。これは、将来NASAの月面宇宙ステーション「ゲートウェイ」が使用することを想定した軌道で、月の極の上を楕円軌道で飛行している。
さあ、これからまた、人間が月面に着地陸するまで追いかけることになる。
私のオフライン・タイムマシンが、まだ正式に動いていないので、細かいデータは入手できていないが、それが解決するのも時間の問題である
doi: https://doi.org/10.1038/d41586-022-03819-w
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