見出し画像

ナトリウム電池の安定化技術を開発。

米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2022年01月06日に、リチウムイオン電池のリチウムとコバルトを置き換えることで、より環境と社会に配慮した技術になると、科学者たちは述べている。

この目的のために、テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)の研究者たちは、NSFから一部資金提供を受けて、安定で、従来のリチウムイオン電池と同等の速さで充電でき、現在のリチウムイオン電池技術より高いエネルギー出力が期待できるナトリウムベースの電池材料を開発したと報告した。

https://time-az.com/main/detail/75990

電池内のイオンは、電気を発生させる際に負極と正極の間を移動する。

ナトリウム系電池では、負極にデンドライト(dendrites)と呼ばれるフィラメントが発生し、電気ショートを起こして火災や爆発の可能性が高くなることがある。この新しいナトリウムベースの技術は、デンドライトが成長しにくく、リチウムイオン電池と同程度の速さで充電することができる。研究チームは、この成果を『Advanced Materials』誌に発表した。

First published: 22 October 2021 https://doi.org/10.1002/adma.202106005

負極材料は、金属ナトリウムの薄板をテルル化アンチモンの粉末(antimony telluride powder)に巻き付け、折り曲げを繰り返すことで作製され、ナトリウム原子が均一に分布するため、デンドライトの形成や腐食に耐えられるという。このプロセスにより、電池はより安定し、リチウムイオン電池に近い充電速度を持ち、より高いエネルギー容量を持つ可能性がある。

「この研究の共著者であるデヴィッド・ミトリン(David Mitlin)は、「私たちは、本質的に2つの問題を一度に解決しています。」「一般的に、充電速度が速くなればなるほど、樹状突起はより多く成長します。だから、デンドライトの成長を抑えれば、突然安全になるので、より速く充電・放電できるようになるのです。」と解説している

定置型エネルギー貯蔵システムに対する需要は高く、上昇中である。この技術は、安定的で持続可能な、より安価な解決策を提供することができる。研究者らは、この技術に関する特許を申請している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?